水曜日の『CBCラジオ #プラス!』では、書評家の大矢博子さんが小説などのおすすめの書籍を紹介します。
7月3日放送でピックアップしたのは、森バジルさんの『なんで死体がスタジオに!?』(文藝春秋刊)です。
書評家おすすめの新刊ミステリー小説!森バジル『なんで死体がスタジオに!?』
あらすじ
物語の舞台はテレビ局です。
番組改編期に定期的に放送している2時間特番『ゴシップ人狼』。
出演者たちが芸能界のゴシップを暴露し、その中でひとりだけ嘘のゴシップを話している人物を当てるバラエティ番組です。
視聴率低迷を脱するために生放送で行うことになり、業界内での注目度も高い中、当日を迎えます。
本番直前、番組プロデューサーとアシスタントディレクターが、スタジオの片隅に隠されるように出演予定の大物俳優の死体が置かれているのを発見し、さらにその死体には「新台本」と書かれた番組の台本とメッセージがありました。
メッセージは「番組の放送を止めないこと。所定のタイミングまで死体は隠しておくこと。新台本どおりに放送を進めること。従わない場合はスタジオ天井に仕掛けた爆弾を爆発させる」。
この指示通りに番組を行うことを決めたプロデューサー。
止められない生放送で一体何が起こってしまうのでしょうか?
番組改編期に定期的に放送している2時間特番『ゴシップ人狼』。
出演者たちが芸能界のゴシップを暴露し、その中でひとりだけ嘘のゴシップを話している人物を当てるバラエティ番組です。
視聴率低迷を脱するために生放送で行うことになり、業界内での注目度も高い中、当日を迎えます。
本番直前、番組プロデューサーとアシスタントディレクターが、スタジオの片隅に隠されるように出演予定の大物俳優の死体が置かれているのを発見し、さらにその死体には「新台本」と書かれた番組の台本とメッセージがありました。
メッセージは「番組の放送を止めないこと。所定のタイミングまで死体は隠しておくこと。新台本どおりに放送を進めること。従わない場合はスタジオ天井に仕掛けた爆弾を爆発させる」。
この指示通りに番組を行うことを決めたプロデューサー。
止められない生放送で一体何が起こってしまうのでしょうか?
語り手は4人
冒頭の語り手はプロデューサーになり、以降は3人の語り手によって物語は進行します。
ひとりは7年前に一世を風靡した一発屋芸人。
今日の放送でなんとか盛り返したいと気合を入れています。
続いて、現在人気のギャルタレントであり、人狼役。
最後の語り手は番組を見ているらしい女性ですが、彼女が一体誰でどういう立場なのかは明かされていません。
芸人はやる気が空回りし、司会者やギャルタレントがフォローしながら進んでいきますが、遅刻している設定の大物俳優が来るはずはなく、一体番組はどうなるのか、俳優を殺した犯人は誰か、番組を放送させる意図は何か?
先の読めないミステリー小説です。
ひとりは7年前に一世を風靡した一発屋芸人。
今日の放送でなんとか盛り返したいと気合を入れています。
続いて、現在人気のギャルタレントであり、人狼役。
最後の語り手は番組を見ているらしい女性ですが、彼女が一体誰でどういう立場なのかは明かされていません。
芸人はやる気が空回りし、司会者やギャルタレントがフォローしながら進んでいきますが、遅刻している設定の大物俳優が来るはずはなく、一体番組はどうなるのか、俳優を殺した犯人は誰か、番組を放送させる意図は何か?
先の読めないミステリー小説です。
予想不可能の謎だらけミステリー!
この小説の読みどころは大矢さん曰く「ミステリーとして先が全然読めない面白さ」です。
犯人が用意した新台本は、死亡した大物俳優がいないことを利用したもの。
さらに出演者たちは偽のゴシップを推理するだけではなく、番組中にもうひとつ別の推理をするように導かれる設定で、ヒントは全て番組の中で出されています。
小説にもヒントが散りばめられているため、読者も読み進めていくと真相がわかるかもしれません。
また、読者だけは大物俳優の死を知っているが、出演者たちは知らない…。この違いをうまく利用した展開も読みどころです。
犯人が用意した新台本は、死亡した大物俳優がいないことを利用したもの。
さらに出演者たちは偽のゴシップを推理するだけではなく、番組中にもうひとつ別の推理をするように導かれる設定で、ヒントは全て番組の中で出されています。
小説にもヒントが散りばめられているため、読者も読み進めていくと真相がわかるかもしれません。
また、読者だけは大物俳優の死を知っているが、出演者たちは知らない…。この違いをうまく利用した展開も読みどころです。
重いテーマも
物語はユーモラスに描かれており、ドタバタで楽しいミステリーですが、シビアなテーマが含まれているのも魅力のひとつです。
テレビをリアルタイムで見ない人が増えている現代で、テレビは何ができるのか、テレビに求められているものは何か、リアルタイムで見てもらうためにはどうするべきかなどの問題提起がされています。
また視聴者に対してのメッセージ性も鋭いものです。
ゴシップを娯楽として消費することはどうなのか、といった問いかけがなされています。
大矢「楽しい謎解きミステリーが最後は意外なところに着地する、サプライズいっぱいの小説です」
(ランチョンマット先輩)
テレビをリアルタイムで見ない人が増えている現代で、テレビは何ができるのか、テレビに求められているものは何か、リアルタイムで見てもらうためにはどうするべきかなどの問題提起がされています。
また視聴者に対してのメッセージ性も鋭いものです。
ゴシップを娯楽として消費することはどうなのか、といった問いかけがなされています。
大矢「楽しい謎解きミステリーが最後は意外なところに着地する、サプライズいっぱいの小説です」
(ランチョンマット先輩)
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