CBCラジオ #プラス!

名水百選、実は200ある?

『CBCラジオ #プラス!』の「ニュースにプラス!」のコーナーでは、光山雄一朗アナウンサーが気になるニュースを紐解いていきます。

6月25日の話題は「名水百選、どうなる?」。昭和、平成、令和と時代が変わり、選ばれる基準も変化しているそうです。

光山アナがCBC論説室の北辻利寿特別解説委員に尋ねます。

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昭和の名水百選

「名水百選」とは日本を代表する全国各地の湧き水や河川から百カ所を選んだリストです。
始まったのは今から39年前、1985年(昭和60年)に当時の環境庁(今は環境省)が選定しました。

飲み水、炊事、洗濯など毎日の暮らしに必要であり、農業、水産業、工業、産業活動を支える重要な資源である水は命の源だという定義に基づいて、当時は水質汚濁など水が汚れることが社会問題になっていて、環境庁がきれいな水を守ろうということを目的に始めました。

選ばれるには4つの条件があります。

・きれいな水で古くから生活でも利用されている。
・量も質もいい湧き水。
・いわゆる名水としての歴史がある。
・自然性が豊か。

全国各地から百カ所選びました。
たとえば高知県の四万十川、長野県の安曇野のわさび田、愛知県は木曽川などがあります。これが昭和の百選です。

平成の名水百選

2008年、水を取り巻く環境も変わり、平成でも選ぶことになりました。
この時選ばれた新しい「名水百選」は、昭和のものと重なっていません。つまり名水は全部で200選あることになります。

平成の名水百選には新たな条件が加わり、単にきれいな水というわけではなく、地域の住民が環境を保全したり、維持したり、主体的にかかわっていることが条件になりました。さらに水への近づきやすさ、安全性を重視することになりました。

たとえば、平成の名水には岡崎の鳥川ホタルの里が選ばれました。30周年を記念しての国民投票で「秘境としてすばらしい名水部門」では1位に選ばれています。
三重県では赤目四十八滝も選ばれています。

名水百選をきっかけにミネラルウォーターに利用されていく水が多いです。
「おいしさがすばらしい名水部門」としては昭和の百選に選ばれた、神奈川県秦野市の「丹沢の雫」がミネラルウォーターで1位です。

令和の名水百選は?

そして2022年、環境省は令和の名水百選を選ぶと発表しました。
新たな条件として、こども向けの環境学習として利用されている。レクリエーションの開催状況。平成版をさらに進めて水辺の活用状況を重点的に評価するという方針を明らかにして、この2024年度中に選ぶ予定でした。

ところが半年経っても動きがなく、どうやら今年度中の選定が難しいようです。

理由は昭和、平成と二百カ所選ばれていて、さらに百見つけることができるか。重複してもいいかどうか、それも検討中です。

また、水をきれいにしすぎると逆に生態系に影響が出るという新たな課題も出てきています。時代の認識も変わり、きれいだからいいというものではなくなったようです。

さらに「名水百選」という名前をそのまま使うかどうかまで検討されているとのことです。
(みず)
 
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2024年06月25日07時18分~抜粋

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