北野誠のズバリ「カイシャのシュウカツ」

運がいい?同じ地区で同業者との事業承継は楽なのか

昨今少子高齢化により、中小企業や小規模事業者の後継者不足などが大きな経営課題のひとつとなっています。承継する人がいない場合は廃業するしかないと考える経営者もいます。
CBCラジオ『北野誠のズバリ』のコーナー「カイシャのシュウカツ」では、事業承継について、専門家をゲストに多方面から学びます。

5月29日の放送では、北海道にある介護施設の承継事例を北野誠と松岡亜矢子が、三井住友トラストグループ 株式会社経営承継支援・はじめ部長の藤原秀人さんに伺いました。

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M&Aの相談が増加傾向の介護事業

今回藤原さんが紹介したのは、北海道にある介護施設の一業態であるグループホームのM&A事例。
年々介護業界からのM&Aの相談が増えているそうですが、どのような介護施設のグループホームなのでしょう?

藤原「北海道の東沿岸部にある1施設で年商は1億円くらい。従業員さんは31名いらっしゃいました。入居者は10名程度」

この会社の社長は、もともと東京に住んでいたのですが、単身で北海道に移住してグループホームを経営されていたそうです。

北野「なんでまた北海道に移住してグループホームの経営をしたんですか?」

藤原「珍しいケース。友人からグループホームを経営していたんですが、業績があまりよくなく立て直しを頼まれたのが理由」

単身で移住して15年間。いまでは経営も安定して利益も出せるようになっていました。

人材不足で承継を断られる

事業の立て直しを成功させたのに、M&Aすることになったのはなぜでしょう?

藤原「社長さんは80歳を前に体調不良になって入院することに」

北野「え!社長は64歳くらいから行ったんですか?いまのオレの歳くらいから北海道のグループホームに単身赴任で?すごいな、高齢やもんね」

この社長の入院が決まった時に、東京にいる妻から「戻ってきてほしい」と懇願され、譲渡を決断しました。

北野「他にいなかったの?下の人は育っていなかった?」

最初は会社経営の二番手である取締役に打診したのですが、断られてしまったそうです。
理由は、介護職員の採用が近年難しくなってきていたので、自社単独では先行きに不安を感じ、取締役もM&Aを選択したということです。

北野も「介護関係は採用が大変だ」と、深刻化している介護事業の人手不足問題を懸念しますが、果たしてM&Aの買い手は見つかったのでしょうか?

藤原「当初は、社長も北海道の知り合いなどを通じて買い手さんを探していたんですが、なかなか見つからない」

そんな中、公的機関に相談をしてみたところ、藤原さんが所属している団体、経営承継支援を紹介されたそうです。

同じ地区の同業者が買い手に

どんな会社が買い手になったのでしょう?

藤原「たまたま、北海道の東沿岸部にある介護施設を譲り受けたいという買い手企業を知っていたので、そこに声をかけた」

承継はスムーズにすすんだのでしょうか?

藤原「本当に運がいいというか、同じ介護施設で、同じ市内にあって」

買い手が運営する介護施設と売り手は同じ市内にあり、人員などのやりくりがとても好都合だったそうです。
さらに地元の人たちへの認知向上にもプラスになるということで、話がトントン拍子にすすみ、5カ月のスピード契約にたどり着きました。

北野「やっぱりこういうところに打診した方がいいですね。自分で探すの無理やわ」

その後、売り手の社長は治療に専念することができ無事快復。いまでは、15年間単身で離れ離れになっていた妻と一緒に旅行へ出かけたり、セカンドライフを楽しんでいるとのことです。
(野村)
 
北野誠のズバリ「カイシャのシュウカツ」
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2024年05月29日14時49分~抜粋

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