小堀勝啓の新栄トークジャンボリー

石橋凌が激白!ARBはアイドルバンドとして売り出されるはずだった!

5月5日、歌手で俳優の石橋凌さんがCBCラジオ『小堀勝啓の新栄トークジャンボリー』に出演しました。

旧知の中である小堀勝啓を相手に、デビュー当時のエピソードを語ります。

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ご迷惑をおかけしました

ロックバンド、ARBのボーカルとしてデビューした石橋凌さんは今年、デビュー45周年を迎えます。

石橋さんは、小堀が担当していた夜の番組に、度々出演した当時のことを振り返りました。
小堀が「何を言ってもいい」と告げたため、危ない話も飛び交ったようです。

石橋「その節は本当に小堀さんにご迷惑ばっかりかけまして。何枚始末書を小堀さんに書かせたのかなと反省しております」

小堀「大丈夫。当時のプロデューサーに誰がやったんだ?と問われて『石橋凌さんです』と言うと、『しょうがないな』で済んでましたから(笑)」

耳を疑う言葉

石橋「私は小さい時に欧米の音楽を聞いて育ったんですけど、それをプロになったら日本語で歌っていきたいと思ってたんですよね」

石橋さんが若き日に聴いていた欧米のミュージシャン、例えばボブ・ディランやジョン・レノンは1枚のアルバムの中で、男女のラブソング、家族のこと、友だちのこと、仕事のこと、世の中で起きていること、さらには戦争のことまで歌っていました。

ところが、プロになって最初のアルバムのレコーディングの時に、事務所の上の方から「社会的なこと、政治的なことは一切歌詞に入れるな」とお達しがあったとか。

石橋「耳を疑いましたよ」

小堀「クリエイティブなことに携わってる人が言う言葉ではないですよ」

石橋「何を歌えばいいですか?と言ったら「ラブソングだよ』と言われました。反戦歌って究極のラブソングだと思うんですけどね」

目指すのとのギャップ

レコード会社はARBをアイドルバンドとして売り出したかったそうです。
石橋さんがARBに加入したのが1977年。当時、日本を含む世界ではイギリスのアイドル・ポップ・バンド、ベイ・シティ・ローラーズが大人気でした。

石橋「武道館に連れていかれて『あれをやってくれ』って言われました。目が点になりましたからね。こんなことするために今までアマチュアバンドで苦労して来たんじゃないって思いましたよ」

小堀「気の荒い博多の方の音楽処で揉まれに揉まれて出てきたのに、それをやりなさいって言われたら、え?って思いますよね」

片や久留米にいた頃から石橋さんが憧れたバンドは、鮎川誠さんがギターで参加していたロックバンド、サンハウスだったそうです。

音楽で生きる決意

当時ARBは大手の事務所に所属していて、マンションや楽器の提供もあり、リハーサルスタジオも使え、メジャーな仕事まで与えられていたそうですが、音楽に対する違いで1年半でクビ。全て没収になったそうです。

石橋「それからですよ。アマチュアバンドよりも悲惨な生活が始まりましたから」

アマチュアバンド時代は九州の久留米でアルバイト生活でしたが、物価も安いのでやっていけたそうです。
しかし東京は物価が高い上に「アルバイトは一切しない」と決めていたそうです。


小堀「それは、とても大事なことです」

ニューヨークやヨーロッパでもミュージシャンや役者を目指す人はアルバイトで生計を立てています。
ところが日本と違う部分が。仕事を聞かれると、日本だと容易く「フリーターです」と答えますが、そうは答えないそうです。


デビューしてなくても、ミュージシャンを目指している人は「ミュージシャン」、俳優を目指している人は「アクター」と答えるそうです。
「それは本気でなろうと思っているから」と説明する小堀。


小堀「アルバイトはあくまでも食うための手段。アルバイトすることがメインになっちゃうとダメになると、きっとみんな思ってるからじゃないですかね」

まるで志ん生の落語?

バイトをしないと決め込んだものの、極貧生活に陥った石橋さん。九州から持って来た本やレコードを全部売ったそうです。

石橋「質屋通いを覚えたのもその時です(笑)」

小堀「今の若い人は質屋も知らないし。昔の芸人さんってよくそういう話あるじゃないですか。落語の古今亭志ん生さんとの貧乏自慢みたいですね。ロッカーで質屋通いってなかなかいない」

ここから1年半のカップ麺生活が始まったそうです。

卵1パックの思い出

ある日、いつものように近くのスーパーマーケットでカゴにカップ麺を入れて、レジに持っていくと「凌さんですよね?」と言うレジの男の子。

石橋「ファンの子だったんですよ。そのカップ麺を見て『ちょっと待っててください』って」

店中回って肉、魚、野菜をカゴいっぱいに入れて戻ってきたそうです。「こんなことしたら店長に怒られてクビになっちゃうじゃない」と言う石橋さんに、その子は「自分が責任持つから大丈夫です」と答えたそうです。

石橋「じゃあ卵もって言って、卵入れてもらって。レジ袋パンパンなのをふたつ抱えて帰った思い出があります」

小堀「ファンの女の人に貢いでもらったらいろいろ問題になるけど、イイ話じゃないですか」

石橋「色っぽい話じゃないけどね(笑)。卵1パックで涙が出たんですから」

そんな苦労は微塵も感じさせず、好きな歌をただ歌ってきたというイメージのある石橋凌さんで、まさに「人に歴史あり」です。

石橋「デビュー45周年迎えるんですけども、ちゃんとモノ作りに携わってきたっていう自負はあるんですよ。でも自負だけじゃ食っていけませんけどね(笑)」

デビュー45周年となるアニバーサリーツアー『石橋凌ライブツアー “ KEEP IN TOUCH! 2024 ”』が始まりました。ぜひ石橋さんの生の歌を楽しみましょう。 
(尾関)

 
小堀勝啓の新栄トークジャンボリー
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2024年05月05日10時30分~抜粋

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