つボイノリオの聞けば聞くほど

明治神宮外苑が再開発。坂本龍一が都知事らに送った手紙

東京都心の中で、数少ない緑豊かな森のある明治神宮。この外苑の再開発について、音楽家の坂本龍一さんが都知事らに送った手紙が話題となっています。

3月22日に放送された『つボイノリオの聞けば聞くほど』の「SDGsのつボ」コーナーでは、この明治神宮外苑の再開発について取り上げました。

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3千本の樹木が伐採に

東京新聞などによれば、3月上旬にYMOのメンバーで音楽家としても有名な坂本龍一さんが、明治神宮外苑地区の再開発の見直しに関する手紙を、東京都の小池百合子知事、永岡桂子文部科学相、都倉俊一文化庁長官、吉住健一新宿区長、武井雅昭港区長の5氏へ郵送したとのこと。

東京都は、2013年から公園の有効活用を目的に、民間業者が公園の再開発をできるようにする制度を取り入れており、公共の公園を民間業者が大きく作り変えることができるようにしました。
この制度を利用して、明治神宮外苑地区の再開発が計画されています。

球場やラグビー場の移転・建て替えの他、商業施設が入居する建物が建設される計画ですが、そのために新宿区内だけで約3千本の樹木を伐採することが判明。
当初開発業者は734本としていましたが、小さな樹木も含めると結果的に3千本となったようです。
神宮には、名物のイチョウ並木があり、再開発が影響するのでは、と懸念する声もあります。

文明も滅ぶと危機感

坂本さんは、2007年に一般社団法人more trees(モア・トゥリーズ)を設立し、森林の保護活動を行っています。
「森がなくなったら、都会はおろか色々なことが成り立たなくなる。文明自体が壊れてしまう」という思いで、各地で植樹活動を行ってきました。

これについて補足する小高直子アナウンサー。

「ご本人は現在、がん闘病中で再開発の反対運動に全面的に参加する体力が残っていない、としながらもあの美しい場所を守るために何もしなかったのでは禍根を残すことになると思った…と陳情の手紙を出した理由を語っておられますね」

ここで、手紙の内容の一部を抜粋します。

「率直に言って、目の前の経済的利益のために先人が100年をかけて守り育ててきた貴重な樹々を犠牲にすべきではありません。
いま世界はSDGsを推進していますが、外苑の開発はとても持続可能なものとは言えません。持続可能であらんとするなら、これらの樹々を私たちが未来の子供たちへと手渡せるよう、現在進められている再開発計画を中断し、見直すべきです。東京を『都市と自然の聖地』と位置づけ、そのゴールに向け政治主導することこそ、世界の称賛を得るのではないでしょうか」

開発続行は既定路線

反面、再開発を認可する立場にある小池都知事は「明治神宮にも手紙を送ったらどうですか?」とコメント。
「(再開発の意義などが)坂本さんや都民の方に伝わるよう(職員に)情報発信をあらためて指示した」と取り合いませんでした。

つボイノリオ「ニュースでもあんまりやっていませんけど、ネットを見ていたら昔からずっと取り上げているところもありましてね。私も関心を持っておりました」

この問題に注目していたというつボイも、この問題が様々な観点からより良い方向に展開してくれることを願っていると締めくくりました。
(葉月智世)
 
つボイノリオの聞けば聞くほど
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2023年03月22日11時30分~抜粋

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