北野誠のズバリ

昔のデパート店員は「ギャンブル禁止、流行語の使用禁止」?

新型コロナによる影響で苦境に立たされているといわれる百貨店業界。

ただ、ふだんの買い物では見かけない商品を見たり、デパ地下でちょっといいものを買ったりと、デパートにしかない魅力はたくさんあり、「贈答品を買うならやっぱりデパートで」と思う方も少なくなく、その信頼性もデパートの特徴といえます。

1月11日放送『北野誠のズバリ』は、株式会社大丸松坂屋百貨店の松坂屋名古屋店長、小山真人さんがゲストに登場し、松坂屋さんの長い歴史や知られざるエピソードなどについて語っていただきました。

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400年を超える歴史

名古屋を中心に展開する松坂屋さんですが、その歴史は古く、元をたどると創業から今年でなんと410年。

1611年(慶長16年)に名古屋で創業した呉服小間物問屋「伊藤屋」が発祥で、この時期は清州越しといって、名古屋城が築城して中心都市が清州から名古屋に移った時期でもあります。

その後、1768年(明和5年)に東京・上野にあった松坂屋へ仕入れに行った際、店ごと買って、「いとう松坂屋」と名乗るように。

1925年(大正14年)に今の名古屋店がある場所に開業してからは、全国的に「松坂屋」という名前で統一しました。

北野は松坂屋がもともと三重県の松阪市から来ているのかと勘違いしていましたが、名古屋で長い間商売をしているので、特に名古屋の方にとっては、「お中元・お歳暮は、松坂屋のカトレアの柄の包み紙で贈らないと」という思いが根強いでしょう。
 

江戸時代にあった社内規定

デパートへの信頼は、長い歴史だけではなく、店員さんが長年積み重ねてきた信頼の結果でもあります。

松坂屋さんでは1736(元文元年)に「元文の掟書」という店員の服務規程、今でいうところの就業規則を制定します。

内容は大きく分けて6つありますが、1つは「法を固く守り、お客様の噂話などは決してしないこと」。

これは現代にも通じる内容で、コンプライアンスやソーシャルメディアポリシーを遵守することと同じです。

小山さん「これは現在でもそうですよ。例えば、北野さんが女性と松坂屋で買い物していても、Twitterでつぶやいちゃいけないとか、ちゃんとそういう決まりはありますので」

その他には「身分の高低に関わらず挨拶し、買い物の多少によらず分け隔てなく接すること」、「役者のマネや流行言葉も無用である」といった接客マナーに関する内容も。

また、「店内では木綿以外着ない」などと、華美な服装を避けるという意味合いが含まれているものもあります。

そして、仕事中のことだけではなく、「世間より早起きすること、毎朝礼拝すること」といった、日常生活に関することも含まれています。

さらに踏み込んだ内容としては、「バクチや遊女狂い(今見ると、すごいフレーズですが)並びに勝負事はしない」という、品行方正に暮らすということも規定されています。

さすがに今はそこまで日常生活に踏み込むルールではないでしょうが、接客に関する心遣いは、現在まで脈々と続いています。
(岡本)
 
北野誠のズバリ
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2021年01月11日14時04分~抜粋

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