石塚元章 ニュースマン!!

にわかに吹いてきた「解散風」、誰がなぜ衆議院解散の噂を流している?

通常国会が終わりましたが、ここ最近、政界では「解散風」が吹いています。

ときどき現れる「衆議院解散の噂」ですが、年内や秋頃という声もちらほら…。

新型コロナウイルスでまだまだ大変な状況の中、本当に解散して選挙を行おうとしているのでしょうか。

6月27日放送『石塚元章 ニュースマン!!』の「ニュースなポイント」では、CBC論説室の特別解説委員・石塚元章がこの「解散風」について説明しました。

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解散のタイミングはこの1年以内?

「風」といっても、解散風の場合は勝手に吹くものではありません。

よく言われているのは、麻生太郎副総理や甘利明税調会長、森山裕国会対策委員長など、要人のポストにある方々が、解散をにおわせるような発言や行動をとっているというもの。

石塚は、総理に近い方や総理の出身派閥である細田派の方々が、風を吹かせているように見えるため、より解散の信ぴょう性を増しているのではないかと推測。

衆議院の解散を宣言できるのは総理大臣だけですので、総理の心積もり1つということになるのですが、他にも解散が起こる根拠があるそうです。

1つは、安倍首相は自民党総裁でもあるわけですが、その任期は来年秋までで、来年にオリンピックが開催されることなどを考えると、解散ができるタイミングが限られてきているということ。

解散して選挙で議席が増えれば「解散して良かった」となりますが、減った場合は責任問題が問われるため、解散のタイミングは非常に難しいものとなっています。
 

解散を行う理由は?

また、今回の解散に限らず、解散風を吹かせる一般的な理由として石塚が挙げたのが、いつ解散を発表するかわからないため、「いつ解散するんだろう、解散されると困る」などと、野党の気持ちをかき立てるためにわざと風を吹かす。

場合によっては実際に解散しなくても、噂を立てて様子を見るだけでも効果があるということも考えられるそうです。

また、野党だけではなく身内に対しても「今選挙をしたら危ないかもしれないから、準備をしておけよ」という引き締め効果の狙い。

そして、「もう任期が終わるので、そろそろ総理の影響力も終わりかな」と思い、総理から離れようとする人たちに対し、「選挙があるかもしれないなら、しばらく様子を見よう」と思わせて求心力の低下を防ぐといったことも。

また、今回のケースには当てはまらないようですが、総理に対して対立候補がいる場合に有効なのが、「いま選挙を行うと嫌でしょう?言うことを聞かないと(解散)するよ」といった手段に使うこともあるかもしれません。
 

解散はある?ない?

ただし、「与党の議席が増えそうだから」などといった理由で解散はできないため、解散のための大義名分は必要です。

2014年の時は「消費税増税を先送りしたことに対し、国民の信を問うため」としましたが、2017年の時は「消費税を10%に上げる際、その使い道を見直す(子育て世代への投資拡充)ことにしたため、国民に信を問う」と、やや理由がこじつけのように見えます。

現在だと新型コロナウイルスの対策に関することが理由になりそうですが、石塚はそのコロナのことがあるからこそ、実は簡単に解散はないのではないかと推測しています。

と言いつつも、石塚は最後に「ただ、黒川検事長の問題とか、河井夫妻の問題とかいろいろあったので、安倍一強ではなくなりつつある中で、誰かが風を吹かせたりするっていうのは、ポスト安倍の動きと合わせて見ると気になる状況ではあるかと思います」とまとめました。
(岡本)
 
石塚元章 ニュースマン!!
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2020年06月27日07時19分~抜粋

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