小堀勝啓の新栄トークジャンボリー

TERUの書いた曲に亡き父を思う。GLAY、TAKUROの告白

ロックバンドGLAYのリーダーでソングライターのTAKUROさんが、10月6日放送の『小堀勝啓の新栄トークジャンボリー』(CBCラジオ)に出演しました。

5月25日にデビュー25周年を迎えたGLAY。今月2日にリリースした通算15枚目のアルバム『NO DEMOCRACY』について、そしてGLAYの今後について語りました。

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アルバムコンセプトは?

アルバムタイトル『NO DEMOCRACY』について語るTAKUROさん。

「25周年を表す言葉として『デモクラシー』。GLAYは元々、メンバーの自由と平等を大切にしてきたから『デモクラシー』という言葉が良いだろうと思ったんですけど、まさかのアルバムタイトルも『デモクラシー』」

タイトルについて他のメンバーには説明しなかったそうです。

「制作の時から、僕の前のめり具合をわかってくれてたので、『意図は色々あるんだろうけども、TAKUROがそこまで言うんだったらついていくよ』みたいなこと言ってくれて。その時だけは民主的でなかったかもしれないですね」

日本ではある程度の自由、平等、人の権利が守られていますが、世界には人権などないような国もたくさんあります。
TAKUROさんはそんな状況の中、特にこどもたちのことに対して、何か一曲歌いたいと思っていたそうです。

「今まではYou & Meな君と僕のラブソングを歌ってたんですけど、50歳を前にして今の世代だから歌える歌があるなと。僕はこどもが二人いますし、彼らの成長を見ながら音楽を作ってて、そこでリアルに感じたものを今回は集めました」

ロックミュージシャンって何だ?

小堀「25年経ってビッグなバンドになったんだけども、そこにあぐらをかくことなく、敢えて物議を醸し出すぐらいのところに踏み込むのが凄いと思います」

TAKURO「物議は醸し出してナンボ。ロックミュージシャンって、そういう役割を自ら引き受けて良いんではないかと思います。世の中から石を投げられても、それでも道化を演じて議題に挙げて、みんなに考えてもらう。そういう力がかつてあった気がする」

例えば1968年にジョン・レノンがオノ・ヨーコと作ったアルバム『未完成 作品第1番 トゥー・ヴァージンズ』は裸のジャケットで当時物議を醸しました。
それに共感するか?しないか?一つの「石」を投げる。それがロックだとTAKUROさんは捉えているようです。

TAKURO「次の世代から『GLAYって意見、極端だよね』でいいと思いますよ。だけど、僕はみんなの意見をリスペクトするから、逆に僕らの意見もリスペクトして欲しいって思います。それが自分たちなりのデモクラシーであって、それを胸にやってきたとこがあると思いますね」

TERUの追い上げ

「自分ではいい仕事してると思うんですけど、ここ最近TERUが追い上げるんですよね。あちこちで『TAKURO君、"COLORS"って曲いいね』って言われるんですけど『あれ、俺じゃない』って」

本作にも収録された令和初のシングル曲「COLORS」は、TERUさんが父と子の絆を書いた曲です。

「人間って、いくつになっても伸びしろあるな」と語るTAKUROさん。
芸術の分野は何歳になっても追及できるようで、葛飾北斎が80歳ぐらいの時に「猫の子一匹描けねえ」と泣いたんだとか。

「北斎が80歳で猫を描けないって言うんなら、俺はいくら頑張っても無理だろう。でも、自分の理想を追い続けることは誰もができるんじゃないか?それをGLAYの中でまざまざと見せつけたのがTERUの『COLORS』でした」

「COLORS」について

「COLORS」の歌詞には、TAKUROさんも共鳴するところがあるようです。

「僕は小さい頃に父親を亡くしたので、大人になってからの父親との関係を知らないまま今に至りますけど、そこを鮮やかに書いていて、いない親父を身近に感じますもんね」

男同士だからライバル心もあって、口はきかないのに似てくる、そんなことを感じるそうです。「COLORS」の歌詞には「最近僕らは良く似てきたな」というフレーズが出てきます。

「僕はそれを知らないまま今に至るんだけど、僕は息子がいるんで、何十年か経ったら、同じことを思うんでしょうね。で、あと30年したら俺に似てくるぞって言ったら、イヤだって言うんですよ」

小堀も「僕もあんまり父親に似てないと思ってたけど、この年になるとすごく似てるもん」と同調すると、「そうなんですよ。そこだけは人間避けられない定めでございます」とTAKUROさん。

親父の生きた歳を越すこと

小堀「僕はいま69歳で、父親の死んだ歳なんですよ」

TAKURO「僕、38の頃に父親が死んだんで、やっぱり38になる時、ちょっとありましたよ」

小堀「僕は母が38の時に亡くなってるので、それを超える時に妙な感動があった」

TAKURO「わかります。全く同じこと考えたと思います。誰にも言わないけど、39になった時、おおっていうのがありました」

小堀「そして、こんな若い時に亡くなったんだ、と思って…」

TAKURO「あれから10年長く生きましたけど、この10年を知らないのかと思うと、またちょっと感慨深いものがありますね」

攻め続ける

GLAYの新作『NO DEMOCRACY』は挑戦的なアルバムでもあります。

「いま関わってくれて応援してくれる人たちに、GLAYがこれからどんな道を歩むのかは見守っててほしいなっていう風に願ってやまないですよね。

それこそ親父の歳を越えたぐらいから、人生ちょっと早いけどオマケみたいに思ってるんです。せっかく縁があって集まった4人、守りに入るんじゃなくて攻め続けたいです。大失敗した時には、彼らはユーモアでもって、また最初からやるか?って言ってくれると思います」

そう信じているので、失敗は怖くないそうです。むしろユーモアが出なくなる時の方が危機なんだとか。

「今までもいろんな山や谷がありましたけど、割と笑い飛ばしながら、口笛吹きながらやって来れたので、これからもそうやって、やってくんじゃないかなと思います」
(尾関)
 
小堀勝啓の新栄トークジャンボリー
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2019年10月06日08時15分~抜粋

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