中日・松坂大輔が脇腹にアザ?担当コーチが確信したもの

ドラ魂KING / スポーツ

中日ドラゴンズの知られざる一面を、CBCラジオ『ドラ魂KING』水曜担当の宮部和裕アナウンサーが熱く綴るコラム。

今回は、水曜の「ドラ魂インサイドストーリー」として、最初のドラゴンズ関係者として行なった勝崎耕世チーフコンディショニングコーチへのロングインタビューを、宮部アナ自身が回想します。

19年前の衝撃

「春先、ケアの最中、大輔の裸を見た時、左の脇腹に紫色のアザを見かけたんです」

長年ドラゴンズ選手のフィジカル面を担う、勝崎チーフコンディショニングコーチは、松坂フィーバーに沸いた1年を振り返り、こう切り出しました。

勝崎コーチにとって、松坂投手に初めて衝撃を受けたのは、1999年4月、東京ドームにおけるプロデビューの日本ハム×西武戦。
あの片岡篤史選手が体勢を崩すほどの空振りを喫した衝撃シーンを、ファイターズの一塁側ベンチから目の当たりにしていました。

あのシーンから19年、ライオンズ、メジャーリーグ、WBCなどでの輝きと、ホークスでの苦悩を経て、今年1月のドラゴンズでの投球披露。
勝崎コーチは、彼の復活自体を大前提に、昔と今の違うところはどこなのか、一緒になって戻すのか、新たな形を求めるのか、観察と対話から二人の関係は始まりました。
 

脚運びが変わった松坂

勝崎コーチは、球界関係者が少なからず懐疑的だった右肩の具合ではなく、投球時の脚の使い方に着目していました。

「大輔の脚の運びが変わっている。メジャー時代後半とは違い、ライオンズ時代のそれだ。つまり、右足が地面に接している時間が長い」

これは、下半身から上半身へという動きができ、下から上への馬力が伝えられているという現れなのだそうです。

勝崎コーチは、それができる根拠も見つけていました。

「大輔はランニングのリズム、バランスが凄くイイ。ちょっと量が少なめな時もあるけれど(笑)。長年ドラゴンズを見てきて、山本昌に憲伸、岩瀬に吉見、浅尾。みんなずっと走っていられる、無駄のない美しい走り方なんですよ」
 

左脇腹にできたアザの理由

そして、勝崎コーチにとって自信が確信に変わったのが、左脇腹にできた紫色のアザ。

「大輔本人に聞くと『投球時、右肘が自分の身体に巻き付いて当たり、何度も擦れて色が変わってきました』って笑っているんです」

言うまでもなく、脇腹にぶつかるほど腕が振れている証。

勝崎コーチが、チームスタッフとともに気を配ったのは、脇腹だけではありません。

移籍後初勝利の翌先発となった5月の東京ドーム、足が攣り降板というアクシデントがありました。
あれも、ここ数年、先発ローテーションでやってきていなかったことからの回復能力不足だけをケアしました。

その復帰後、勝利を重ねて迎えた6月の所沢、古巣凱旋で超満員の中、試合開始7分前に予告先発回避の場内アナウンス。あの背筋痛のアクシデントも…

「往年の身体の使い方が戻ってきたからこそ、疲れやすくて鍛えにくい背筋に負荷がかかりました。身体の前側の馬力が強い証拠。あれからは、胸筋を開く運動を増やしています」

と、さらなる改善。むしろ、より逞しく。
 

自身で呼び起こした怪物ぶり

そうなると、見据えるは来るべきシーズン。

勝崎コーチは、肩へのダメージだけを切り取って分析するのではなく、肩の動きを投球全体の通過点と捉え、肩への負担を軽くできるよう投手コーチと見つけることが使命、と意気込みます。

「大輔自身が、怪物ぶりを自ら呼び起こしたからね。来年はもっと凄いですよ。
僕のこれからの仕事は、それをウチの若手投手に伝えること。若手は大輔のファンになってちゃいけない。もちろん彼らも、そのつもりはないと思うけど」

そのフィジカルの準備ができてこそ、ピンチをピンチに思わせない「オーラ」や、満塁押し出し四球で1失点でも、次の打者に立ち向かい抑える「気」が生まれるのかもしれません。
松坂投手とドラゴンズの新たな時代が楽しみです。燃えよドラゴンズ。
(CBCアナウンサー 宮部和裕)
 
みやべかずひろ
CBCラジオ「ドラ魂キング」(毎週水曜午後6時放送)他、ドラゴンズ戦・ボクシング・ラグビーなどテレビ・ラジオの中継担当。生粋の元少年ドラゴンズ会員。山本昌ノーヒットノーランや岩瀬の最多記録の実況に巡り合う強運。早大アナウンス研究会仕込みの体当たりで、6度目の優勝ビール掛け中継を願う。
 
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