健康ライブラリー 2018年3月18日

健康ライブラリー / ライフ・ヘルスケア

●教えてドクター 

★3月のテーマ「運動と健康」

名古屋大学 総合保健体育科学センター 教授 
押田 芳治 先生

 年をとった人に限らず若い人でもそうですが、運動不足というのは運動不足病とも言われています。メタボリックシンドローム、肥満症や糖尿病に若くしてなりやすいという懸念が生じます。加齢に伴って筋力や筋量が低下します。そうすると転倒しやすくなり骨折を伴い、寝たきりになってしまいます。運動を継続すると糖尿病の発症予防や肥満解消、肥満防止、そして最終的には動脈硬化の進展が抑制できるでしょう。さらには運動を続けることによって筋肉から脳に良い刺激を与える物質が分泌されて、認知症の予防にも効果があると言われています。また、がんの予防にも期待されているということが最近報告されています。日本糖尿病学会やアメリカ糖尿病学会でも1日30分以上の有酸素運動をし、さらに可能であれば週2回以上レジスタンストレーニングの併用が推奨されております。

●スマイルリポート~地域の医療スタッフ探訪 

花井 美紀 さん (ミーネット理事長)

<力を入れていること> 
がんのピアサポートによる患者さんの相談支援活動に力をいれています。ピアサポート自体が聞きなれないことばかもしれませんが、ピアというのは仲間や同じ立場を意味しています。がんのピアサポートはがんを体験した人が、ピアサポーターとして相談者であるがん患者さんやご家族の悩みや不安を同じ立場でお聞きします。そして、お互いの治療体験や療養生活で得た共通の経験と関心を基盤に、ご相談者が抱えている問題についてどうすれば良いのかを共に考えるという活動です。このピアサポーターはがんの身近な相談役として患者さんやご家族はもとより医療機関からも高いニーズがあります。私達は「名古屋市がん相談情報サロンピアネット」という所を名古屋市と一緒に2009年から運営しています。全国に先駆けて設置したピアサポートによる相談支援の場です。場所は名古屋市中区の大須商店街のそばで名古屋の中心地である栄のデパート街もすぐというアクセスの良い環境にあります。気軽に利用できるという利点からでしょうか、ご利用者は年々増えています。年間延べ3,000名ほどの方々にご利用いただいています。
<心に残るエピソード> 
ピアネットという所をご利用いただいた方で言えば、「がんになって初めて人に自分の心の内が話せた」とよくおっしゃっていただきます。患者さんにとってご家族は大きな心の支えで大切な存在なのですが、大切であるがゆえに心配をかけまいとして闘病の不安や愚痴がこぼせず、ついつい元気に振る舞ってしまうということもありがちなようです。先日も最初は帽子を目深にかぶってマスクをしてお話しをされていた方が、ピアサポーターとお話しをしているうちにマスクと帽子をとってすっかり表情が明るくなりました。お帰りには患者会の申込みをされて帰られました。ご利用いただいた方が明るい表情で帰っていかれる姿にむしろ私達が元気をもらっています。
<今後の課題> 
実はがんのピアサポートの利用のニーズが高まる一方で、ご相談をお受けするピアサポーターの不足が危ぶまれる状況です。社会的背景の変化といいましょうか、10年前のピアサポーターはがんにかかったことをきっかけにお仕事を辞めた方がほとんどでした。ところが最近は治療の進歩や患者さん自身の意識の変化からでしょうか、がんの治療後に仕事に復帰する方や仕事と治療を両立される方が増えています。土曜、日曜が中心のピアサポーターの養成講座には出席できても講座終了後の定期的な活動が難しくなっているようです。高まるピアサポートへのニーズに応えていくためにも、今後名古屋市や愛知県と協力してこの活動の周知を図ることが大切だと考えています。ピアサポーター養成のすそ野を広げていくということが一番の課題だと思っています。
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