健康ライブラリー

健康ライブラリー 2018年3月4日

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●教えてドクター 

★3月のテーマ「運動と健康」

名古屋大学 総合保健体育科学センター 教授 
押田 芳治 先生

 我々人間や他の動物も基本的な健康を維持するということに、睡眠を含めた休養と食事そして運動、この3つが大きな影響を与えます。その中の運動ですが、以前は運動を意識しなくても身体活動は維持できていましたが、今はdoor to door、あるいは車社会ですので、運動=体を動かすということを意識しないと運動不足に至ってしまいます。運動不足を解消するために、まず運動ということを意識しなければなりません。また健康寿命と平均寿命との間に男性なら7~8歳、女性なら10歳以上14歳位の差があります。健康寿命と平均寿命の差をいかに縮めるかということもこれからは大事です。そのためにも運動が大事です。寝たきり状態で長生きするよりは可能な限り、命を落とすまで動き続けられる身体が大事ではないかと考えています。自分の意志で健康維持増進のために何が必要かということを考え、自分のできる良いことを最大限努力して行って健康寿命を延ばすことが大事だと考えます。

●スマイルリポート~地域の医療スタッフ探訪 

多田 繭子 さん(美幌町立国民健康保険病院 管理栄養士)

<力を入れていること> 
昨年1月に当院に赴任されました呼吸器内科医師の呼びかけにより、医師、看護師、医学療法士、薬剤師等、多職種での呼吸リハビリテーションプログラムが作成されました。このプログラムは3週間の呼吸リハビリ入院プログラムで、管理栄養士もスタッフの一員として参加しております。呼吸器リハでは患者様の栄養状態がその実施効果に影響を与えると言われていることから、多職種により栄養の状態や食事摂取状況等を確認し情報の共有を行っています。効果的なリハビリ、状態の改善につながるよう、取り組みを行っています。多職種のコミュニケーションの場を広げるため、医師や薬剤師、ソーシャルワーカー、町の保健師等の仲間が週に1回集まってバトミントンをしています。「ゆかいな仲間たち」と名付けられています。新しいことにチャレンジすることが大好きな方たちで、誰かが何かをしたいと話すとすぐに「やってみよう」ということになり、今年はマラソンに挑戦し大会にも出場する予定です。 
<心に残るエピソード> 
栄養指導の中では患者様からお食事のことだけでなく、ご自身のご苦労されたことや人生経験についてのお話を聞くことができ、人生の先輩から私自身が教わることがたくさんあります。隣の町からこられた患者様で、「今回の呼吸リハビリ入院で色々な職種の方から専門的な指導や詳しい説明があってすごくありがたい。食事も全部食べられるし、元気になったよ。この病院に来て本当に良かった。」と喜んで話されていたことがとても嬉しく印象的でした。
<現場の課題> 
呼吸器疾患の患者様の中には低栄養状態で入院されてくる方もおり、食欲の回復が難しく必要な栄養量の摂取が困難な場合があります。患者様にとって長年の食習慣を変えることは難しいため、ご本人やご家族と相談しながら嗜好にあった食事の見直しや補助食品導入の検討を多職種で行っておりますが、栄養状態の改善には時間のかかる場合があります。今後は低栄養状態が進行する前に、早い段階から患者様に寄り添っていける方法等をチームで検討することが必要と考えております。
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