2017年7月17日(月)

19歳が結んだ契約は親が破棄できる?

北野誠のズバリ / トーク

身近な法律に関する疑問・質問・お悩みを、角田龍平弁護士が解決する「角田龍平のズバリ法律相談室」。
7/14は19歳の娘を持つリスナーから寄せられた、こんなお悩み相談です。

「未成年のうちは、親が子どもの仕事を辞めさせることはできるの?」

19歳はあくまでも未成年

おたよりを紹介します。

「東京の専門学校に通っている19歳の娘が、ちょっと怪しい『JK喫茶』と契約を結んで仕事をすることになりました。娘もちょっと怪しいと思ったようで、履歴書を渡した日にお店を辞めると言ったそうですが、辞めさせてもらえませんでした。警察に相談したところ『保護者からの連絡があれば辞めさせるとお店が言っている』と言われたので、私が連絡をして辞めさせてもらいました。親に内緒で契約をしたJK喫茶を、未成年だからといって辞めさせてもらうことはできますか?また、お店に契約書や履歴書、免許証のコピーを渡していたので、返してほしいといったところ『お店で3年間保管してから処分する』と言われ、返してもらえませんでした。返してもらうことはできませんでしょうか」(Aさん)

角田弁護士によると、未成年者という理由で親が仕事の契約を辞めさせることは「できる」とのこと。
未成年者は単独で有効に契約ができないため、親権者の同意が必要。すなわち同意のない契約は、親権者や本人が取り消すことができるんだそう。

「今回は親の同意なく雇用契約を結んでいるわけですから、あとから取り消しができるということになりますね」と角田弁護士。

アルバイトであっても、未成年者を雇う場合は親の同意書が必要になっているそうです。

これに対して「僕らのイメージでは青少年健全育成条例とかだったら、18歳以下っていう感じで19歳はもう関わってないのかと思てんけどね」と、角田弁護士の判断に疑問を呈する北野誠。

角田弁護士は「契約を規律する民法は、成年か未成年者かで区別しているので、19歳か20歳かということで区別されることになる」と語ります。
民法上、19歳はあくまでも未成年という括りになるため、今回の契約は無効にできるということになるわけです。

未成年でも結婚後は成年

ここで北野が「選挙権とか認められていても、それは関係ないんや?」とさらなる疑問をぶつけます。

「選挙権は18歳から認められるようになって、それとのバランスで不均衡に思えるかもしれないですが、選挙権は権利だけですよね。選挙権を得たことによって、なんらかの義務や法的な責任を負うことはありません。契約などの取引では、場合によっては債務を負ったり、仕事をしなければいけない義務を負ったりということがあるので、判断能力が不十分な未成年者を保護する必要があるということになります」(角田)

女性は16歳で結婚し出産するケースもありますが、その場合も扱いは未成年になるのでしょうか?

「その場合は『成年擬制』と呼ばれまして。結婚して家庭を持った後でいろいろできなかったら不便になりますよね。結婚をした場合は成年とみなされて、単独で法律行為ができるとされています」(角田)

未成年であっても、婚姻後は成年とみなされるという法律が存在しているそうです。

履歴書返却の義務はない

「契約書・履歴書・免許証のコピーはすぐに返却してもらえないのか?」というリスナーの質問について、角田弁護士は「任意で返却してもらえるということはあるかもしれないが、返却を拒まれた時に返却を請求する法的な根拠があるかといえば、なかなか難しい」とします。
この場合は「未成年」が理由にはならないんだそう。

「未成年は親の同意がいる割には、先に提出した書類は戻されへんのや」と、疑問にを感じる北野に対し「未成年とそこは区別されることはないと思いますね」と角田弁護士。

「例えば就職活動の履歴書を、採用されなかったからといって『提出した履歴書を返してください』と言って拒否された場合に、法的な根拠に基づいて返せといえる根拠がない。それを認めてしまうと、履歴書がたくさん送られてくる大きな会社は、返す義務を履行しないといけなくなって大変なことになっちゃうんで」

これには北野も「あーなるほどね」と納得の様子。

重要書類は3年間保管

では、企業側には書類を保存する義務はあるのでしょうか?

「労働基準法で、『使用者は労働関係に関する重要な書類を3年間保存しなければならない』という規定があるんですけれども。その中で、履歴書や免許証のコピーはその重要な文書には入らないと思うんですよね。契約書で賃金についての定めがある場合は、のちに紛争が起こる可能性があるので、重要な文書として3年間保管しないといけないということにはなると思うんですけど」(角田)

北野も「言われてみればまあ、履歴書提出して返せってあんまり聞いたことないもんな」と、合点がいった様子。

「所有権を放棄するというか。提出した時点でその履歴書の所有権は、提出した先の会社が持つということになるんだと思います」(角田)

「そうやんね。履歴書書いたことあるけど、『返してくれ』言うたこと一回もないわ、そう言われてみれば」と、北野。

とはいえ、中には任意で返してくれる会社や、個人情報保護の観点から返すようにしている会社もあるとのことです。

だまされやすい大学生

「19歳って微妙な年齢やね」とする北野。

角田弁護士によると、19歳はもうほぼ大人と同じで判断能力があり、果たして保護する必要があるのかと少年法で刑事事件の時に問題になることもあるといいます。

一方、未成年者が契約上の取引で詐欺に引っかかることが多いのが、地方から都会に出てきたばかりの大学生。
変なキャッチセールスに引っかかることも結構多いんだそう。

「そういう意味でいうと、未成年として明確にしておこうということなんでしょうね」と、腑に落ちた様子の北野でした。
(minto)

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