9月6日放送のCBCラジオ『若狭敬一のスポ音』では、若狭敬一アナウンサーが、小池正晃コーチに石川昂弥選手再生の歩みについて尋ねました。
今シーズン開幕四番スタートの石川選手でしたが、4月12日に一軍登録を抹消、5月31日に再登録されましたが、また6月17日に抹消となり、ようやく9月3日に一軍昇格。復帰までの2ヶ月半について、小池コーチに伺います。
復活のカギは三者面談
9月3日に一軍昇格した石川選手。登録前日の9月2日までは7試合連続ヒットを打っていました。二軍ではトータルで打率3割8厘、ホームラン3本、打点21の成績を残しています。
一軍登録されると、即スタメンで、今シーズン1号のホームランを打ちました。ところが翌4日、試合前に左脇腹を痛めたようで離脱。
残念ながら登録抹消になった石川選手ですが、すぐに結果を出しました。
一軍復帰までの2カ月半、何をしていたのか?若狭は、小池正晃二軍バッティングコーチに聞尋ねました。
「全くノータッチです。技術に関しては昂弥本人がいろいろと取り組みました」と小池コーチ。石川選手への技術指導は全くしていなかったそうです。
一体それでどうして再生できたのでしょうか?
話は6月まで遡ります。
石川選手が二軍に落ちた直後、小池コーチ、福田永将コーチ、このふたりのバッティングコーチと石川選手で三者面談を行ったそうです。
今後どんな選手として生きていきたいか?具体的な理想像をコーチが提示するのではなく、石川選手本人に語ってもらったとか。
一軍登録されると、即スタメンで、今シーズン1号のホームランを打ちました。ところが翌4日、試合前に左脇腹を痛めたようで離脱。
残念ながら登録抹消になった石川選手ですが、すぐに結果を出しました。
一軍復帰までの2カ月半、何をしていたのか?若狭は、小池正晃二軍バッティングコーチに聞尋ねました。
「全くノータッチです。技術に関しては昂弥本人がいろいろと取り組みました」と小池コーチ。石川選手への技術指導は全くしていなかったそうです。
一体それでどうして再生できたのでしょうか?
話は6月まで遡ります。
石川選手が二軍に落ちた直後、小池コーチ、福田永将コーチ、このふたりのバッティングコーチと石川選手で三者面談を行ったそうです。
今後どんな選手として生きていきたいか?具体的な理想像をコーチが提示するのではなく、石川選手本人に語ってもらったとか。
理想のバッター像
「僕は打率と打点を残すバッターが理想です。ホームランを捨てるわけではありませんが、何が何でもホームランというバッターではありません」と話した石川選手。
また、右に大きいのを打てることが長所。試合でも練習でも右方向を意識することがバッティングが良くなる一番のポイントだと語ったそうです。
それを聞いた小池コーチは、その理想に近づくためにやることは分かっているか?引き出しあるか?誰に何を言われても今後ぶれないか?を確認。
石川選手は全てに頷いたそうです。「いいね。じゃあ自由に好きなようにやろうよ」と背中を押した小池コーチ。
「地元出身でドラフト1位。ファンと首脳陣の期待はとてつもなく大きい。そこからは絶対に逃げられないからね。自分の描いた理想の選手になって結果も出そう」と付け加えて、後は放置。完全に石川選手に任せたそうです。
また、右に大きいのを打てることが長所。試合でも練習でも右方向を意識することがバッティングが良くなる一番のポイントだと語ったそうです。
それを聞いた小池コーチは、その理想に近づくためにやることは分かっているか?引き出しあるか?誰に何を言われても今後ぶれないか?を確認。
石川選手は全てに頷いたそうです。「いいね。じゃあ自由に好きなようにやろうよ」と背中を押した小池コーチ。
「地元出身でドラフト1位。ファンと首脳陣の期待はとてつもなく大きい。そこからは絶対に逃げられないからね。自分の描いた理想の選手になって結果も出そう」と付け加えて、後は放置。完全に石川選手に任せたそうです。
唯一したこと
「ほったらかし。放置。技術指導一切なし。ですが、会話だけは続けました」と小池コーチ。
コーチと選手の間に壁は不要。練習中は、前日食べた食事のことやカラオケで歌う歌など、他愛もない話をして、話しかけやすい空気を作ったそうです。
そのうち石川選手から、「今のどうですか?」と尋ねてくるように。
試合中は基本的にはポジティブな会話。例えばライト前ヒットを打つと、「昂弥、今のバッティング続けたら一軍でも3割だよ」などモチベーションアップの言葉ばかりかけたとか。
もちろんダメな打席があれば、ふたりで反省もしたそうです。
「二軍に落ちてきたときはどんよりと暗かったです。しかし日に日に表情、声、全てが明るくなりました」と石川選手の変化を語る小池コーチ。
技術面でも、アウトでもヒットでも右に良い当たりが飛ぶようになってきたとか。
打球に角度が付くようになり、今はホームランが出る状態になっていると、石川選手の好調ぶりを指摘したそうです。
コーチと選手の間に壁は不要。練習中は、前日食べた食事のことやカラオケで歌う歌など、他愛もない話をして、話しかけやすい空気を作ったそうです。
そのうち石川選手から、「今のどうですか?」と尋ねてくるように。
試合中は基本的にはポジティブな会話。例えばライト前ヒットを打つと、「昂弥、今のバッティング続けたら一軍でも3割だよ」などモチベーションアップの言葉ばかりかけたとか。
もちろんダメな打席があれば、ふたりで反省もしたそうです。
「二軍に落ちてきたときはどんよりと暗かったです。しかし日に日に表情、声、全てが明るくなりました」と石川選手の変化を語る小池コーチ。
技術面でも、アウトでもヒットでも右に良い当たりが飛ぶようになってきたとか。
打球に角度が付くようになり、今はホームランが出る状態になっていると、石川選手の好調ぶりを指摘したそうです。
ベイスターズ時代
「このアプローチはベイスターズ時代の経験です。ベイスターズは選手ファーストの組織です。選手のために何ができるかを、球団もコーチもとことん考えて準備します」と小池コーチ。
10年以上前のこと。横浜DeNAベイスターズはラグビー協会の中竹竜二さんを迎え、球団の組織改革をしたそうです。
中竹さんは現在52歳。日本ラグビーフットボール協会コーチングディレクター。ラグビーの20歳以下の元日本代表監督で、早稲田大学のラグビー部の監督も勤めました。
現在はリーダーを育てる会社、チームボックスという会社の代表取締役CEOです。つまり中竹さんは、組織改革や人材育成のプロ中のプロです。
10年以上前のこと。横浜DeNAベイスターズはラグビー協会の中竹竜二さんを迎え、球団の組織改革をしたそうです。
中竹さんは現在52歳。日本ラグビーフットボール協会コーチングディレクター。ラグビーの20歳以下の元日本代表監督で、早稲田大学のラグビー部の監督も勤めました。
現在はリーダーを育てる会社、チームボックスという会社の代表取締役CEOです。つまり中竹さんは、組織改革や人材育成のプロ中のプロです。
まずは社員の意識改革
小池コーチ曰く、DeNAベイスターズという会社自体が、積極的に外部から学んで、どんどん変化して成長しようという会社なんだそうです。
逆に、いつまで経っても学ばない、変わらない、成長しない人はすぐに縁が切られたようです。
そんなベイスターズに招かれた中竹さんは、選手ではなくまず球団から変えていったそうです。
フロント、球団職員の意識改革。いろんなタイプのミーティングを重ね、社員の意識改革は5~6年かかったとか。
次のターゲットがコーチ。昭和の考えの人が自分の成功体験だけで指導すると、選手を壊す恐れがあると教えられたそうです。
逆に、いつまで経っても学ばない、変わらない、成長しない人はすぐに縁が切られたようです。
そんなベイスターズに招かれた中竹さんは、選手ではなくまず球団から変えていったそうです。
フロント、球団職員の意識改革。いろんなタイプのミーティングを重ね、社員の意識改革は5~6年かかったとか。
次のターゲットがコーチ。昭和の考えの人が自分の成功体験だけで指導すると、選手を壊す恐れがあると教えられたそうです。
常識を疑うと見えてきた
コーチ改革は中竹さんの弟子が担当。しかし、その方の野球経験は小学校の時にほんの少し。
「試合前のバッティング練習って必要ですか?」とか「キャンプって何のためにやるんですか?」と平気で聞いてきたとか。
「僕たちもプロ出身ですから、最初は反発もありました。でも常識をどんどん疑われることで、良い発見や気づきがありました」と小池コーチ。
このコーチの改革も終わり、ベイスターズでは去年ぐらいからいよいよ選手の改革が始まっているそうです。
ベイスターズからドラゴンズに来た小池コーチ。現在ベイスターズでは、選手間ミーティングがものすごく多くなっていると語ったそうです。
「試合前のバッティング練習って必要ですか?」とか「キャンプって何のためにやるんですか?」と平気で聞いてきたとか。
「僕たちもプロ出身ですから、最初は反発もありました。でも常識をどんどん疑われることで、良い発見や気づきがありました」と小池コーチ。
このコーチの改革も終わり、ベイスターズでは去年ぐらいからいよいよ選手の改革が始まっているそうです。
ベイスターズからドラゴンズに来た小池コーチ。現在ベイスターズでは、選手間ミーティングがものすごく多くなっていると語ったそうです。
ドラゴンズはどうする?
若狭「ベイスターズファンからすると、何を今さら言ってるんだ。ということかもしれませんが、私は改めて、DeNAベイスターズの組織改革について、まさにその渦中にいた小池コーチから聞いて目から鱗でしたね」
若狭が興味を持ったのは、まず会社からという改革の順番。会社が頭の固い意識では何をやっても変わりません。
若狭「フロントもそう。お偉い方々もそう。球団も職員スタッフもみんな改革していくんです。人を入れ替える必要はないんです。頭の中を変えるんです!」
次にコーチ。最後に選手の意識改革。
若狭「中日がずーっとCSに行っていない間、10年以上かけてDeNAはそういう改革を進めていたんです。そして、いよいよ選手に、その改革のメスが入ったんですね」
石川昂弥選手の1本のホームランには、ラグビーのエッセンス、ベイスターズの育成ノウハウが影響していたのかもしれません。
(尾関)
若狭が興味を持ったのは、まず会社からという改革の順番。会社が頭の固い意識では何をやっても変わりません。
若狭「フロントもそう。お偉い方々もそう。球団も職員スタッフもみんな改革していくんです。人を入れ替える必要はないんです。頭の中を変えるんです!」
次にコーチ。最後に選手の意識改革。
若狭「中日がずーっとCSに行っていない間、10年以上かけてDeNAはそういう改革を進めていたんです。そして、いよいよ選手に、その改革のメスが入ったんですね」
石川昂弥選手の1本のホームランには、ラグビーのエッセンス、ベイスターズの育成ノウハウが影響していたのかもしれません。
(尾関)
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