若狭敬一のスポ音

魚雷バットの質問から見えた、ドラ選手たちの「打」への思い

今年からニューヨーク・ヤンキースが導入し、開幕3試合で15本のホームランが出たことから話題沸騰中のバットが、魚雷(トルピード)バットです。

4月12日放送のCBCラジオ『若狭敬一のスポ音』では、「魚雷バットに興味があるか、ドラゴンズの選手に聞いてみた」と題して若狭敬一アナウンサーが語りました。

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魚雷バットって何?

魚雷(トルピード)バットは先端が細く、芯と言われる部分がややグリップ寄りのバット。その形から「魚雷」と呼ばれていますが、ボーリングのピンのような形と言った方がわかりやすいかもしれません。
規定内の形状で、ルール違反ではないことがポイントです。

生みの親は、昨年までヤンキース、今年からマーリンズのフィールド・コーディネーターを務めるアーロン・リーンハートさん。この方は何とマサチューセッツ工科大学で物理学の博士号を取得した秀才。

リーンハートさん曰く、バッターが最もボールを当てている場所は、バットの芯ではなく、少し手元。だから芯を手前に移したとのこと。

若狭「一番当たるところを芯にすればいいじゃない。言われてみればそうです。びっくり仰天、逆転の発想でバットを作っちゃったんですよね」

抵抗はないけど

このバットについて、ドラゴンズの選手はどう見ているのでしょう?
若狭は6人の選手に話を聞いたそうですが、「興味がある」と答えた選手と「興味がない」と答えた選手が半々に分かれたそうです。

興味があると答えた代表は大島洋平選手。2000本安打を達成するなど、現在最もヒットを打っています。

「興味はあります。僕はいろいろなバットを試すこと自体に抵抗がありません」と話していたそうです。
まだメーカーの人とは話していないそうですが、「試してもいいかなと思っている」とのこと。

その一方で「ただ、今までもいろいろなバットを試しましたが、結局いつも同じバットに戻ります」とも語った大島選手。実際に使うかは未定のようです。

牛の骨のバット?

大島選手が使っているのは、今年から解禁になった牛骨バット。
「牛骨」と言っても牛の骨で作っているわけではありません。

昭和の時代、牛の骨でバットをゴリゴリしごいて木目を詰めて、ギュッと固くすると飛ぶのではないか?と言われ、そうやって打っていた選手もいたとか。

今の牛骨バットは、各メーカーが木目を締める加工技術を施して製作されています。

プロだから分かる違い

大島選手が使っている牛骨バットは、形も重さは通常のものと同じとのこと。使い心地について「飛びます。キャンプ、オープン戦使ってみて、打球速度も上がっています」とコメントしています。

しかし今シーズンはなかなか結果を出せずにいる大島選手。
最近は代打での起用が中心、一打席必打なので、牛骨バットが本当に合っているかどうかの判断は難しいようです。

また、牛骨バットには通常のバットにはない違和感があるそうです。それはバットの出方。

加工していないバットはちょっとしなるそうですが、ギュッと木目を絞めた牛骨バットはしならずに一気にバンと出てくるとのことです。ここはプロならではの繊細な感覚です。

興味はあるけど

話題は魚雷バットに戻ります。板山祐太郎選手も「興味あり」と答えています。

状態が悪いとバットの先端で打つ凡打が増え、状態が良い時は多少詰まってもヒットゾーンに飛ぶ傾向があるという板山選手。
去年の後半はまさに、詰まってもヒットゾーンに飛ぶ良い状態でした。

「魚雷バットは詰まるポイントで打っても飛ぶということですから、安心感に繋がりそうなので、興味ありです」と語っていますが、使うとしても今年のオフからということでした。

上林誠知選手も興味あり派。上林選手はバットのヘッドを利かせて打つバッター。
なので魚雷バットと真逆で、バットの先端にバランスのあるバットを使っているそうです。真逆ですが興味はあるとか。

上林選手は「ただ僕はバットを変えることに抵抗がある人間なので、本当に変えるかどうかはわかりません」と語ったそう。

自分の役割を考えると?

一方で「興味がない」と答えたひとりが村松開人選手。
「僕のバットはトップバランスで、バットのヘッドの重みを感じて打ちたいタイプなので全く興味ないです」とのこと。
上林選手と似たバッティングスタイルですが、興味は逆となりました。

ルーキーの石伊雄太捕手も「今のところ試す予定はないです」と興味なし派。日本生命時代からバットは変えていないそうです。

樋口正修選手は、「僕の仕事は走塁と守備なので、そもそも今のバットを変えようとは思っていません」とのコメント。
どんなメリットがあるかわからないので試すことはありませんが、コンタクト率が上がるとわかれば考えていくと静観中のようです。

「でも魚雷バットのネックは先が細いこと。僕とか山本(泰寛)さんは大事なところでバントを求められるので、バントはバットの先っぽ寄りに当てて、ボールを殺すのでそこが細いのはデメリットです」と樋口選手。

「魚雷バットに興味があるかドラゴンズの選手に聞いてみた」と題した若狭敬一のインタビューから、ドラゴンズ選手、それぞれのバッティングに対する考え方がわかりました。 
(尾関)
 
若狭敬一のスポ音
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2025年04月12日12時30分~抜粋

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