若狭敬一のスポ音

中日・細川成也選手と松山晋也投手、開幕絶不調から復調した理由

開幕戦を2敗1分けで終えたものの、その後巨人、広島を相手に勝ち越しているドラゴンズ。

4月6日放送のCBCラジオ『若狭敬一のスポ音』では、若狭敬一アナウンサーが中日ドラゴンズについて「人は人に救われて、人は人に勇気づけられる」というテーマで語りました。

[この番組の画像一覧を見る]

どん底のふたり

「プロ野球が開幕しました。うまくスタートを切った選手もいれば、そうでない選手もいます」と語り始める若狭。

中日は神宮球場で迎えた開幕3連戦を2敗1分け。チームとしても厳しいスタートとなりました。

翌日からはバンテリンドームで読売ジャイアンツとの3連戦を控えるという月曜日のこと。
ふたりの選手が車で、治療院に向かっていました。ハンドルを握っていたのが細川成也選手。助手席が松山晋也投手でした。

このふたりはスタートがあまり良くありませんでした。
細川選手は神宮開幕3連戦、まさかの14打席ノーヒット。チャンスを潰した場面もありました。

松山投手はアンラッキーもありつつ2試合連続失点。いずれも8回に失点を許してしまい、2戦目の試合後、配置転換を言い渡されていたそうです。

若狭「いわばどん底のふたりでした」

すべて吐き出す

若狭「ユニフォームを着てグラウンドに立っている姿は、ファンから見たらいつもと変わらないように見えるんですが、このふたり、想像するとかなりへこんでいたと思うんです」

車の中ではお互いの気持ちを吐露。それからお互いに自分の反省点を挙げていったそうです。
打てなかったら打てなかったなりの原因が、抑えられなかったら抑えられない理由があります。

口にした結果、気持ちがスッキリして、改善点が全部整理でき、バンテリンドームでの巨人戦から取り組むべきことも語り合えたそうです。

見返してやろうぜ

若狭「細川選手は先輩です。松山投手にポジティブなアドバイスもしていきました」

2試合連続失点で苦しんでいた松山投手に、先輩である細川選手はこうアドバイスしたそうです。
長いシーズン、どのリリーフピッチャーも当然失点することはある。たまたまそれが開幕戦と2戦目に重なっただけ。

開幕から何打席もノーヒットだった選手が、1本出たことでV字回復した、という過去の選手の事例も上げて松山投手を励ましたそうです。

若狭「治療を済ませたふたりは、やってやろうぜ、見返してやろうぜ。そういう前向きな空気になって別れたんです」

絶好調です

巨人3連戦初日の火曜日。グラウンドに姿を現した松山投手に大塚ピッチングコーチが「自分が発する言葉はとっても大切だからポジティブな発言を心掛けよう」と声を掛けたそうです。

早速「調子はどうだ?」と尋ねた大塚ピッチングコーチに、松山投手は「絶好調です」と即答。

若狭「流石です。これは、おそらく前日の細川選手と会話があったからこそできた返事でしょう」

その後、練習中にリリーフのチームメイトが、松山投手に「クリスチャン・ロドリゲスのエラーがヒットになって自責点が悪くなってるぞ」という情報を伝えたそうです。

リリーフピッチャーにとって防御率は重要。それがガタ落ちになるのはショックなはずですが、この時も松山投手は「絶好調です」と笑顔で返したそうです。

若狭「松山投手の気持ちは前に向いてたんですね」

震えるほどの嬉しさ

開幕4戦目。バンテリンドーム、中日対巨人の1回戦は5回まで0対3と劣勢でした。
6回裏に打線が爆発して1点返し、7回裏にも2点追加で同点に。

細川選手だけが開幕3連戦からノーヒットが続いていました。
この日、4打席ノーヒットで迎えた延長11回裏の3対3の同点で細川選手が魅せました。今シーズン、中日の初勝利は細川選手のサヨナラホームラン。

若狭「このシーン、松山投手、今まで感じたことのない喜びでした。一緒に開幕から苦しんだ細川選手が、自らのトンネルを自らの手で脱した瞬間を目に焼き付けて、震えるほど嬉しかったそうですね」

中日ドラゴンズが好きになる

「細川さん、ナイスバッティングです」と、もみくちゃにされた細川選手に駆け寄った松山投手。すると細川選手はこう言ったそうです。

「お前もできる!お前もできる!」とふたりは抱き合ったそうです。

若狭「人は人に救われて、人は人に勇気づけられるんですね。松山投手、出番が来ました」

4月4日、木曜日、中日対巨人の3回戦。0対2、負け展開での8回に松山投手がマウンドへ。2試合連続失点を喫した8回に敢えて首脳陣は送り込みました。

対する巨人打線は4番から始まりました。4番の岡本和真選手をショートゴロ。坂本勇人選手、オコエ瑠偉選手と連続三振。1イニングをぴしゃりと抑えました。

若狭「やり返しました。チームメイトは、チームメイトに救われて、チームメイトはチームメイトに勇気づけられる。こんなシーンを知ることによって、またドラゴンズが僕は好きになりました」

そう熱く語った若狭。チーム一丸となった中日、これから期待できそうです。 
(尾関)
 
若狭敬一のスポ音
この記事をで聴く

2024年04月06日12時32分~抜粋

関連記事

あなたにオススメ

番組最新情報