1月20日、中日ドラゴンズの清水達也投手がCBCラジオ『若狭敬一のスポ音』に出演しました。
埼玉、花咲徳栄高校からドラフト4位で入団した右ピッチャーで、今シーズン7年目の須水投手ですが、昨シーズンに「フォアボールを出したくない」という気持ちが強すぎて陥った暗黒面について赤裸々に語ります。
黒星スタートを克服
昨年は50試合に登板して3勝3敗、25ホールド、防御率は3.09。6年間で121試合に登板しました。9勝10敗。積み重ねたホールドは57ホールドです。
清水「開幕3連戦の時に打たれましたけど、しっかり立て直して、怪我もすぐに復活出来て、その後はちゃんと抑えることができました。シーズン後半、オールスター明けからはずっと苦しいシーズンでした」
その開幕3連戦の4月2日、東京ドームで巨人との3戦目。2対2と味方が同点に追い付いた後、丸佳浩選手に一発を浴びてしまい、黒星スタートとなりました。
清水「こんなスタートかと思って、その時はショックで結構きましたけど、50試合投げるんだったら、あと49試合ある。10試合投げて、1点取られるだけなら防御率は1点台だとすぐに切り替えました」
そう割り切った考え方に切り替えた清水投手は、そこから11試合連続無失点で、5月の中盤、防御率0.75まで良くなりました。
歯車が狂い始めた後半戦
ところがオールスターゲームが明けた後半戦から、歯車がうまく噛み合わなくなった清水投手。実は毎回やられ方のパターンが一緒だったそうです。
「フォアボール1~2個出しても0点で抑えればOK」と考えていたことが、初戦黒星を喫した後の好調の要因。
こういうピッチングを続けているうち「フォアボールも出さずに抑えたい」と欲が出てきたそうです。
完璧主義になってしまい、フォアボールを出すと気になってしょうがなかったんだとか。
ちょうどその頃、ドラゴンズのピッチャー陣に対して「フォアボールが多い」との報道もありました。
清水「いま思えば、それを言われても気にしないところが、自分の良さだったのに、気にし始めた結果、崩れていってしまいましたね」
危険な思考に陥る
清水「フォアボールを出すと言われ続けると、自分の中で『僕はコントロールが悪いピッチャー』というレッテルを貼ってしまって、コントロールに対しての自信がどんどん減っていったんです」
フォアボールを出したくないために、ひとつのストライクを欲しがるようになったそうです。ボールになりそうな際どいコースを避けるようになり、打たれることも増加。
打たれるということは失投ですが、この時の清水投手は「フォアボールを出すピッチャーは悪い」という意識が強すぎて危険な思考に陥っていたようです。
清水「ツーベースの方がランナー二塁に行っているからピンチのはずなのに『フォアボールじゃないから大丈夫』みたいな、普通に考えたらよくないですよね。そういう時期もありました」
強い男に戻るためには?
自分にはいつでもストライクを取れるボールがある。いつでも抑えられる。バッターは自分のことを嫌がってる。ベンチは安心して自分を出してくれている。そう考えられるかがどうかポイントだといいます。
清水「不安定な時に、僕がマウンドに行ったと同時に、ブルペンで違う人が準備をしたのが見えちゃったんですよ」
「安心して任されていたのが、失敗が増えるとベンチも次を準備しておくのは当たり前のこと」と語る清水投手ですが、当時は自分にダメなレッテルを貼っていたため、「危なっかしいと思われているのかな?」という思いが過度にあったそうです。
清水「そんなの気にしない男が強い男なんですけどね。当時の僕は、それがめちゃめちゃ気になっちゃって、相手と勝負出来てなかったです」
もう一度「フォアボールを3つ出しても0点に抑えればいい」というマインドへ戻すのに必要なこととは?との若狭アナの問いに「結果が出てない時に、いかに自分に自信が持てるかです」と語る清水投手でした。
(尾関)
若狭敬一のスポ音
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2024年01月20日15時04分~抜粋