中日ドラゴンズの柳裕也投手が、12月23日放送の『若狭敬一のスポ音』(CBCラジオ)に出演しました。
柳投手が8月の試合で放った「みなさんの大声援のおかげでノーヒットノーラン達成できました」発言の真意について、若狭敬一アナウンサーが尋ねました。
いやらしく行こう
この日は白シャツにジャケット。ジャケットの胸ポケットにはチーフというお洒落な姿で登場した柳投手。
柳「まあ年俸も上がったんで、いやらしい感じで行こうかなと思います」
12月5日に4000万円アップの推定1億4800万円でサインした柳投手。
柳「若狭さんに300万ぐらいあげましょうか?」
若狭「ちょうだい!」
柳「あげますあげます(笑)」
実に景気のいい話です。
1015億円越えを狙う
年俸がアップしただけでなく、これからもっとお金が入るようになるかもしれません。
リスナーから寄せられた中で一番多かった質問がこれ。
「大谷翔平選手のドジャース入団に伴い、ドジャース17番ではなく、ドラゴンズ17番のユニフォームが飛ぶように売れているそうです。この件について柳投手はどう思いますか?」(Aさん)
柳「しめしめと思ってますね(笑)。ホントに似てますもんね。なので世界中の人が間違えて買わんかなあってずっと思ってます」
ネットで購入して届いたら「YANAGI」。あれ?となるのを狙っているんだとか。
選手にも著作権や肖像権などあり、ユニフォームが売れれば売れるほどお金が入ってくるそうです。
柳「そっちの面で、大谷選手の1015億円を抜いたろかなと思ってますよ(笑)」
意識したのはいつ?
続いて多かった質問は今年8月13日の広島戦、ノーヒットノーラン未遂登板について。
「何イニングぐらいから意識していましたか?」(Bさん)
5回ぐらいから意識し始めたそうです。この試合のピンチは初回にありました。
柳「初回の先頭でいきなり龍空が暴投をかましたんですよ。あの瞬間は一瞬チッって思いましたけど」
若狭「いい舌打ちが出ました。皆さん、柳裕也投手は素直な方です」
龍空選手と話した時に、「あの時の柳さん、めちゃ怖かったです」と言われたそうです。
柳投手曰く、試合中は真剣勝負オーラを出しているので「怖いのは当たり前」とのこと。
この試合はノーヒットノーランどころではなく、まず0にするところから始まったそうです。龍空選手のエラーでノーアウト、二塁。ワンアウトを取った後はデッドボールでワンアウト、一、二塁。その後ダブルプレーで0に抑えました。
柳「あの試合はそこから始まったんです。で、いい感じで抑えられたんで、5回から狙ったろうと思ってました」
これはいけるぞ
6回、7回と回が進み、ノーヒットノーランの可能性が出てくるとベンチでは、なるべく話しかけないと言いますが、柳投手の場合は?
柳「あの試合に限らず、僕、試合中は誰にも話しかけられないです。何なんですかね?自分じゃあわかんないですけどね」
先ほどの「真剣勝負オーラを出している」発言と合わせ。「近寄るな」オーラ全開なのかもしれません。
しかしキャッチャーは来るそうです。この試合では宇佐見真吾捕手でした。ノーヒットノーランの話は一切なく「バッターにどう投げるか」に徹していたそうです。
いよいよ7回、8回と終盤に差し掛かると…。
柳「もうバチバチに狙ってたんで、これはいけるぞと思ってました」
心に染みる優しさ
ノーヒットノーランを確信した柳投手ですが、気づけば味方も0。
柳「そのうち入るんじゃないかなと思って、ずっと投げてました」
9回、最後のバッターの時に間ができました。マウンドに宇佐見捕手を呼んで、言ったのは「もう何があっても全球インコース真っ直ぐ投げます」だったそうです。
9回をノーヒットで抑え、味方の攻撃に期待しますが…。
柳「みんな頑張ってくれるだろうなと思ったら。2分ぐらいで攻撃が終わりました」
最後のバッターは細川誠也選手。ホームランを打ってくれてサヨナラでノーヒットノーラン達成という期待も抱いたそうです。しかし見逃し三振。
柳「せめて振ってくれと思って、ちょっと笑っちゃいました。で、隣にタンケ(ビシエド)がいて、優しくトントンってやってくれました。あのトントンは身に染みた。心にズシンと来た」
サーセン&ワリイ
延長10回。続投の可能性もあったそうです。
柳「監督に選択肢を与えてもらって『どうする?』って言われて。『もう大丈夫です』って言いました。いま思えば投げてりゃよかったなと思ってます」
正直な柳選手。この後、守護神ライデル・マルティネス投手が堂林翔太選手にホームランを打たれました。最悪の展開と思いきや、その裏に石川昂弥選手がホームランを打ち、宇佐見捕手がサヨナラホームラン。この時の柳選手の気持ちを聞くと。
柳「嬉しかったですよ。当たり前じゃないですか。でも、もっと早く打てよって思ってました(笑)」
素直に語る柳投手です。実は本人たちにも「もっと早く打てよ」と言ったそうです。その時、石川選手は?
柳「『サーセン』とか言ってました。サーセンじゃねえんだよ(笑)」
宇佐見捕手は?
柳「ワリイみたいな感じで。ワリイじゃねえんだよ(笑)と思いながら」
楽しそうに振り返る柳投手。
俺のこと、忘れてる?
この試合は珍しく4人もお立ち台に立ちました。ヒーローインタビューについてもリスナーから質問が来ていました。
「自分から進んで出たということですが、どういった理由で4人のヒーローインタビューになったんですか?」(Cさん)
勝った試合では、選手たちがいったんベンチ裏に戻っている間に、広報担当がインタビューを受ける選手を呼びに来るそうです。
まず呼ばれたのが最終回に同点ホームランを打った石川選手。サヨナラホームランを打った宇佐見捕手。そしてこの試合で連続試合ヒットの記録を作った岡林勇希選手でした。
柳「流石に呼ばれるだろうと思って待ってたんですね。そしたら全然呼びに来なくて」
興奮していた柳さんがゴネた結果、4人目になったとか。
若狭「早速『ノーヒットノーラン達成しました』というボケを一発かました」
柳「それで柳っていいやつだな、みたいな世論の好感度アップを得ました。別にいいやつ感を出そうと思って言ったわけじゃないんです。ただおもろいこと言ってやろうと思っただけです」
若狭「いい感じでした。我々も見てて柳さん、呼んで欲しかったですもん」
柳「ですよね。俺のこと、忘れてる?と思いましたもん」
視界をよぎる黒い影
この試合では「サーセン」の石川選手、「ワリイ」の宇佐見捕手の他に、大反省した先輩野手がいたそうです。
柳「高橋周平さんです」
若狭「プッ」
思わず吹き出す若狭。ヒーローインタビュー前、ロッカーにいた柳投手の視界を黒い影がよぎったそうです。
柳「僕の目の前でスライディング土下座して、申し訳ございませんでした。土下座の格好で3メートルぐらいサーッと スライディングしてきました」
あの試合、高橋選手は2度ゲッツーに倒れていました。味方が1点も取ってくれなければノーヒットノーランできません。
柳「『あんたのせいでノーヒットノーランできなかったわー』って大声で言ったら、もうロッカー、ドカーン唸ってましたよ」
大爆笑の若狭でした。
(尾関)
若狭敬一のスポ音
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2023年12月23日14時47分~抜粋