若狭敬一のスポ音

「死ぬのがいいわ」が世界中で大ヒットしている理由

音楽・映画・ドラゴンズ、世の中のありとあらゆるものを毎週熱く取り上げていくコーナー、CBCラジオ『若狭敬一のスポ音』の「大谷ノブ彦のキスころ濃縮版」。

10月15日の放送では、ダイノジの大谷ノブ彦がシンガーソングライター藤井風さんについて語りました。
若狭敬一アナウンサーと同郷の藤井さんの曲が世界で聞かれている理由を解説します。

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世界で一番聞かれた日本の曲

以前、大谷は世界で一番聴かれた日本の曲として、松原みきさんが1979年にリリースした「真夜中のドア~Stay With Me」を紹介しました。
この曲は2020年にインドネシアの歌手、Rainychさんがカバーしたことをきっかけに世界中で大ヒットしました。

この時は、1980年代に日本で流行した「シティポップ」と言うジャンルが世界的に注目され、山下達郎さんも世界的に有名になりました。

今回、大谷が紹介するのは今年、世界で一番聴かれている日本の音楽についてです。

大谷「なんていう人だと思う?」

若狭「YOASOBIとかKING GNUとか、ジャニーズのSixTONESとか、トラジャでしょ?」

大谷「正解は若狭さんと同郷の方です。藤井風」

若狭「おお、岡山出身」

なぜかプレイリストにある

藤井風さんは岡山県出身のシンガーソングライターで2019年にメジャーデビュー。
2020年5月にファーストアルバム『HELP EVER HURT NEVER』をリリース。
昨年には紅白歌合戦史上初となる実家からの中継出演で注目されました。
その後今年年3月には『LOVE ALL SERVE ALL』をリリースしています。

音楽ストリーミングサービス"Spotify"のサブスクリプションで音楽を聴いているという大谷。いろんな音楽をまとめたプレイリストの部分に藤井さんの「死ぬのがいいわ」という曲が必ず入っているそうです。

大谷「謎だらけです」

「死ぬのがいいわ」はファーストアルバム『HELP EVER HURT NEVER』の中の一曲。

大谷「『暗い歌なのかな?』っていうイメージで聞いたんだけど、アルバムの曲だから、ほぼ覚えてないんです」

突然、広がる

謎の曲「死ぬのがいいわ」を調べると驚きの事実が。
TikTokの動画のBGMとしてタイで使われると、まず東南アジア中に広まりました。
次にヨーロッパ、アメリカなどで広まり、現在17か国で1位だそうです。

大谷「藤井風の才能だったら、いつかは世界の風になるんだろうなと思ってました。だけど、まだまだ先でアニソンのタイアップとかがあってからだと思ってたら、全然違ってました。突然発見されて、突然拡散されてました」

もはや商業的な戦略は音楽に関してはあってないようなもの。今は、まるで風に運ばれて行くように、音楽がフワーっと拡散していくんだとか。

演歌の詩に最新のビート

なぜ「死ぬのがいいわ」が世界中で流行ったのかを研究している人もいるそうです。要因の1つは、この曲が持つ「どこか懐かしい感じ」だそうです。

大谷「極端な言い方をすると演歌みたいなんですよ。『死ぬのがええわ』ってまるで情念じゃないですか」

若狭「知り合いの税理士さんとスナックに行った時、よく画面に出てくる歌詞がこんな感じ」

ところがこの曲のリズムトラックは最新のビート。遅いテンポに聴こえるのに、倍速で刻んでいる、今のラッパーが好きなタイプなんだとか。
海外のラッパーが歌うと、これで縦ノリで盛り上がるという最新のリズムなんだそうです。

何だこれ?気持ちいい~

大谷「『最新のビートに、古い日本の演歌っぽい曲を乗せたら面白いんじゃない?』って。つまり藤井さんは、この曲を冗談で作ったんですよ。アルバムに一曲、遊びの曲を入れたわけです。そしたら世界の人が聴いたことのない歌だった」

「死ぬのがいいわ」と言われると日本人ならドキッとしますが、外国人には言葉の意味ではなく、日本語の響きと、演歌や民謡を彷彿とさせる郷愁を誘うメロディーが受け入れられたようです。

大谷「和っぽい歌なのに、ビートは明らかに俺たちが普段聞いてて、『身体を縦揺れにしてるやつじゃん』みたいな。『何だ?何だ?何だ?気持ちいい~』って広がった。これがいま世界で一番聴かれている日本の曲です」
(尾関)
 
若狭敬一のスポ音
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2022年10月15日12時38分~抜粋

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