若狭敬一のスポ音

山田久志が見抜いた中日・根尾昂の隠れた球種

元中日ドラゴンズ監督で野球評論家の山田久志さんが、7月23日放送のCBCラジオ『若狭敬一のスポ音』に出演し、中日ドラゴンズの根尾昂投手について語りました。

プロのバッターを抑えるには、真っ直ぐだけではなく変化球が必要と語る山田さん。
根尾投手に合う変化球やピッチャーとしての将来像にも言及します。

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操れる変化球を見つける

山田「まずあの投げ方で、自分が一番コントロールがつけやすい変化球は何かを、自分で探さなきゃならない」

空振りを取れる変化球。つまり決め球になる変化球を磨くのではなく、まずはストライクが取れる変化球を見つけることだそうです。

山田「自由に“操れる”変化球をまず持たなきゃ、プロの一軍のバッターは抑えられない」

一軍のピッチャーならストライクを投げるのは当然。
その上で必要なのが、バッターに探りを入れたりするために、真ん中で曲げてやろう、というような操れる変化球が必要だそうです。

イメージ通りに曲げる

山田「それで皆さん『すぐ三振だ』ってよく言うけども、ホントは打たせて取るのが一番楽なの。
だから、打たす変化球を1つ見つけること。みんな、すごいボールのイメージを追っかけすぎる」

また、ホームベースに対して一塁側や三塁側への投げ分けも“操れる”ことのひとつ。これができた上での変化球。
山田さんは「根尾投手の投げ方から見たら、スライダー、カット系の変化球が合う」と言います。

山田「もし根尾がスライダーとかカットを覚えるなら、まず一番先にやらなくちゃいけないのは、イメージ通りに曲げられるようになること」

例えば、右バッターの外へこのくらい曲げたらストライク。このくらい曲がったらボール。この感覚を覚えることが必要だそうです。

ガッといってグッと押し込む

山田「なぜ私が『(根尾選手が)ピッチャーに行っても面白いよ』って言ったのは、ここがいい。マウンド上で臆するとこないもんね。あれも球種の1つだ」

山田さんは胸をポンポンと叩きました。「ハートも球種の1つ」。山田さんの名言です。

山田「ガッとバッターに向かっていって、ぐっとバッターを押し込むような気迫も球種の1つだよ」

そういう気迫がないピッチャーは魅力がなく、勝負が面白くないんだそうです。
そんなハートを持っていたピッチャーとして川上憲伸さんの名前を上げる山田さん。

山田「憲伸は気持ちが出てくるピッチャーだったよ。ピンチになった時の憲伸は強かったもん。
私がコーチ、監督やってる時は、集中した時の憲伸は何も心配なかったね」

大野雄大タイプ

立浪監督は、根尾投手についてやがて先発としても頑張ってもらいたいと考えているそうです。
「山田さんから見て、根尾投手と一番近い現役の投手は誰でしょうか?」という問いにあがったのが大野雄大投手。

大野投手は左投げ。根尾投手は右投げの違いはありますが、山田さん曰く同じタイプ。
身体はそれほど大きくない根尾投手。四隅を突くような吉見一起さんや柳裕也投手のようなタイプを思い浮かべそうですが、意外にも大野投手と同じパワー系。

実は、大野投手も最初は真っ直ぐとスライダーだけしかなく、それでも抑えてきたピッチャーだそうです。

浅尾とダブる

山田さん「浅尾とダブる時があるんだよね。それを考えた時に、先発完投型に育てて欲しいなって気持ちがひとつあるんだけど、セットアッパーとか抑えもアリかなとかね」

根尾投手と浅尾拓也さんとダブる理由は、2人とも球場の雰囲気をガラッと変える力を持っているそうです。

山田さん「球場の雰囲気を変えるとか、チームメイトの気分を変えることができる選手は、ものすごく必要なのよ」

代打で出てきた時に、球場全体が盛り上がる選手はいますが、ピッチャーとして登場し、雰囲気が一変する選手はなかなかいないんだとか。

とにかく期待大

山田さん「だからピッチャーは演技力が必要だよって言ってるのが、私、山田ですよ。演じなきゃダメなの。コールされてもなかなか行かないとかね。で、バーッと出てった時にウワーッと来る」

しかも、顔も大事だというのが山田さんの持論。

山田「だからそこですよ。そこを考えた時に、浅尾とダブる時がある。先発完投型なら左の大野のようなタイプに近づいていくんじゃないかな。結構期待は大きいよね」

ポテンシャルが高い根尾投手、一体どんなピッチャーに成長するのでしょうか? 
(尾関)
 
若狭敬一のスポ音
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2022年07月23日14時20分~抜粋

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