若狭敬一のスポ音

ピッチャー根尾昂が、練習で遠投をするべき理由

現役時代は名投手、引退後は監督、コーチとしても数々の投手を育てた山田久志さんが、7月9日放送の『若狭敬一のスポ音』(CBCラジオ)に出演しました。

投手へ転向して話題の中日ドラゴンズの根尾昂選手について言及し、ピッチャーとしてすべきことを具体的に提案します。
聞き手は若狭敬一アナウンサーです。

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長くプロでいるために必要

山田「ピッチャーは投げるのが仕事なのよ。投げてなんぼの世界なのよ。それを、投げないでゲームに勝てるなんて、甘い考え方を持ったらアカン」

根尾選手がピッチャー転向に際して必要なことは「走りこみ」と「投げ込み」だと持論を展開する山田さん。
こういうことを言うと、「それは昔ながらの男の考え」とか「昭和の大エースが昔話を始めた」と言われたりするそうですが…。

山田「これは、長生きするための秘訣なんだよ。長くピッチャーとしてプロで頑張るために、若いうちにやらなきゃならない。今しかやる時がないんだ」

年齢を重ねると、投げる数は減らさなければ持ちません。
22~23歳の時のような走り込みを、37~38歳でやれと言われても無理。それどころか身体を壊す可能性もあります。根尾選手は4年目で22歳。

山田「そんなの、なんぼ走っても、なんぼ投げてもケロッとしてるよ。そういうもんです」

根尾選手にはこのメニュー

キャンプを見ると、各ピッチャーで投げ込みの仕方が違います。
200球ストレートだけアウトコースに投げるというピッチャーもいれば、100球だけど試合を想定しながらコースを投げ分けたり、変化球を織り交ぜたり。

また、それを毎日する人もいれば、ワンクールに1回のペースで投げる選手もいます。
いろんなパターンがありますが、「山田コーチ」から見た、根尾昂投手に必要なベストメニューは?

山田「3勤1休だね。3勤は、もし100球以上投げ込めなかったら、延々とキャッチボールと遠投をやる」

遠投とキャッチボールはしっかり足を上げてフォームを意識するんだとか。

ブルペンでの投球だけではなく、遠投、キャッチボールの時もビデオで撮ってフォーム、ボールの回転のチェックが必要だそうです。この練習方法はオリックスの山本由伸投手がやっていたんだそうです。

山本投手は6月18日にノーヒットノーランを達成しました。

縦回転が上手くなるために

若狭「私、京セラドームで、山本由伸投手が先発の日に実況したんですが、試合前、彼は無茶苦茶遠投するんですねえ」

山田「わかりやすく言えば、ホームプレートからセンターのバックスクリーンに向かって投げてるような感じ」

若狭「放物線じゃなくて、ドーンとホームランのように綺麗に行くんですよね」

山田「それも単なる肩慣らしじゃなくて一つ一つの動きをチェックしてるんですよ。こういう練習もあるのかと、若いのに感心させられたもんね」

遠投はボールの回転のかけ方の上手い下手がはっきりバレてしまいます。
きっちりと縦回転がかけられないと、シュートしたり、スライドしてしまいます。そのため、相手に届く頃には大きく左右にずれてしまうわけです。

山田「縦回転で投げれるかって話なんだけども、やっぱ投げれない人が圧倒的に多いよね」

ちょうど一年後に登場

山田「根尾選手が、1年ぐらいそういう練習を根気よくやったら、ピッチャーとしての姿形が出来上がってくるような気がする」

若狭「さらっとおっしゃいましたが1年?私は来年の開幕ローテーション入りを期待してたんですが」

山田「何を夢みたいなことを言ってるんだ。そんな焦らせてどうする。今から育てるんだから」

つまり、「根尾、来年の開幕ローテーション入りならず」となった時点で、「投手転向失敗。立浪監督の決断が間違っていた」と叩くのは間違い。

若狭「のんびり、長く?」

山田「そうそう」

若狭「じゃあ、来年の夏ごろ出てくる?」

山田「もちろん。だから1年って言ってるんだよ」

過度な期待をかける若狭に、まどろっこしい山田さんです。
来年の交流戦が終わった頃に「そろそろ使えるぞ」というサインが出てくるのが理想なんだそうです。

150キロは確実

山田さんが想定する根尾選手のこれから。早めに二軍に落として、7~8月は走り込み、投げ込みの練習。ウエスタンリーグが終わる頃に投げさせて、今後の課題を見つける、ということだそうです。

現在、150キロを出した根尾選手。将来的には、常時150キロ出せるようになるそうです。

プロに入ると、高校、アマチュア時代の球速にプラス5キロ出せるようになるんだとか。高校時代に140キロぐらいのピッチャーは、プロへ入っても150キロにはなりませんが、140台後半を投げていれば150キロは出るということです。

山田「だって今までのピッチャー見てください。みんな、高校時代、アマチュア時代に速くて騒がれた。そういう人が、今度はプロに入って、150キロだ、160キロだって騒がれるんですよ」

大阪桐蔭時代には150キロ近く投げていた根尾選手、期待できます。 
(尾関)
 
若狭敬一のスポ音
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2022年07月09日12時47分~抜粋

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