若狭敬一のスポ音

山田久志が選んだ「侍ジャパン」のMVPはこの人

元中日ドラゴンズ監督で野球解説者の山田久志さんが、10月23日放送のCBCラジオ『若狭敬一のスポ音』に出演、東京オリンピック野球日本代表、侍ジャパンの活躍を振り返りました。

金メダルに輝いた侍ジャパン、その中から1人、山田さんが選んだMVPは?
聞き手は若狭敬一アナウンサーです。

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前評判とポイント

今回金メダルを獲得した侍ジャパンですが、五輪開催前からこの結果は予想できたのでしょうか?

山田「日本は地元だし、調整もしやすくて強いだろうということでした。
野球はやっぱり金メダルを獲らなくちゃいけない、そういうプレッシャーに押しつぶされそうになることを心配をしてましたけども、戦い抜いたね」

初戦がドミニカ、次にメキシコ。さらに準々決勝アメリカ。そして韓国。決勝戦がまたアメリカ。結局、5連勝でした。

山田さんによれば、ポイントとなった試合は第一戦だそうです。ドミニカ戦、サヨナラ勝ちした試合です。

山田「負けてもチャンスはいっぱいあるんだけども、国際大会というのは初戦でやられたら、チームとして、上手くまとまらないケースがあるのね」
 

国際大会は初戦が大事

山田「あれで選手がバチッと固まったね」

若狭「怖いですねえ、初戦って」

山田「WBCの第一戦が中国だったんですよ。東京ドームで苦戦したんですから」

若狭「そうでしたっけ?中国っていったら圧勝っていうイメージが…」

2009のWBC(ワールド・ベースボール・クラシック)では、山田さんは日本代表のピッチングコーチでした。この年の初戦、中国戦は4対0で勝利。しかし2回までは無得点でした。

当時、中国には負けるはずがないし、恐らくコールドではないかと言われていたそうです。しかし前半は全然打てなかったんだとか。

山田「思わぬ苦戦をしましたが、勝ってスタートを切った時に、これでだんだんよくなっていくだろうなっていう予感めいたものがあったんです。だからオリンピックでもそうですよ」

2009年のWBCは最終的に日本が優勝。前回大会に続いての連覇でした。
 

だんだんまとまる

山田「初戦勝って、次の試合になったらもっとまとまる。その次の試合になるともっとまとまる。国際大会はだんだん団結力が強くなってくるんですよ」

若狭が聞いたある解説者の話によれば、大学野球、高校野球などのアマチュアスポーツは、まず試合前に団結して勝負に挑みますが、プロは勝っていく過程で、だんだんまとまっていくんだそうです。

山田「最初、プロ集団ははっきり言ってバラバラ。プロって自分のいいとこを見せなきゃいけないもん」
 

選手の本音

山田さんが現役生活をおくった阪急ブレーブスでも、指揮を執った中日ドラゴンズでも、リーグ開幕前のチーム内はバラバラだったうです。

山田「バラバラでなきゃあ稼げないし、認めてもらえない。あの守備で助かりましたとか、いいリードしてもらいましたとかインタビューでいうのは社交辞令。はっきり言います」

山田さんの言葉に思わず笑ってしまう若狭アナ。

山田「それ言ったらワーッとなるから言わないだけ。本心は俺が頑張ったんだ、です。そういう集まりじゃなきゃ勝てないですよ」
 

ゴールが見えるとまとまる

山田「プロ野球でもペナントレースで優勝を争うようなチームは、100試合戦い抜いてきて、さあ終盤となる。ここからまとまるんですよ」

ゴールが見えると結束していくのがプロ野球だそうです。
ちなみに開幕早々、インタビューで「チームのために」という発言を耳にしますが…

山田「まず自分です。今年の自分はどうだろうかっていうこと」

東京オリンピックでも、侍ジャパンは準々決勝、準決勝、決勝となっていくにつれていいチームになっていったそうです。

山田「誰一人ボールから目を離してる人がいなくて、皆が集中してやってた」
 

侍ジャパンのMVPは?

侍ジャパンには山田哲人選手、坂本勇人選手、山本由伸投手、森下暢仁投手。栗林良史投手、村上宗隆選手などがいましたが、山田久志さんが選ぶMVPは?

「キャッチャーの甲斐。間違いない!」

即答した山田さん。
森下投手、栗林投手、伊藤大海投手など今回は経験の浅いピッチャーが多かったそうです。山田さん曰く、その投手陣の良さをうまく引き出したのが甲斐拓也捕手だそうです。

山田「甲斐は本当に見事でした。意外とみんな、そんなところを評価しないのよ。あそこで栗林が抑えたから勝てたとかね。
違うんだよ。栗林を引き出したり、伊藤を引き出したのは甲斐なのよね」
(尾関)
 
若狭敬一のスポ音
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2021年10月23日14時26分~抜粋

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