エースとして阪急ブレーブス(現オリックス・バファローズ)の黄金期を支えた野球解説者の山田久志さんが、10月16日放送のCBCラジオ『若狭敬一のスポ音』に出演しました。
プロ野球選手というと高額な年俸で高級車、高級時計、大きい家を購入しているいイメージがありますが、実際には何にお金を使っていたのか、山田さんが語ります。
野球選手はデカい車
憧れのプロ野球選手。中には高級外車に乗る選手もいます。
しかし、山田さんは車には全く関心がなかったそうです。
富士鉄釜石からドラフト1位で阪急に入団した山田さん。阪急ブレーブスは寮に入っているうちは車禁止だったため、車の免許を取ったのは3年目のオフでした。
どんな車を買うべきか先輩に尋ね、教えられた通りトヨタのマークⅡを買ったそうです。ここから山田さんの車の歴史が始まりました。
山田「よかったねえ。車ってイイなと思ったね。当時、周りがどんどん外車になっていくんですよね。それもアメ車。野球選手はみんなデカい車なんですよ」
夢がある昭和のプロ野球選手
山田さんが衝撃を受けたのは南海ホークスの野村克也さん。
「あの当時でリンカーン・コンチネンタルVなんとかに乗ってるのは野村さんだけだった。デカい」
車に乗るようになったとはいえ、車種にはいまだに疎い山田さん。
南海ホークスのホーム球場は難波のど真ん中にあった、今はなき大阪球場。
ここには、特別大きい野村さん専用の駐車場があったそうです。そこに当時の野村さんの背番号と同じ19のナンバープレートのリンカーンが停まっていたそうです。
「ONさえその車には乗らなかった。ノムさんだけ。何でですか?って聞いたことがある。『あれはホームラン王だけが乗る資格あり』って。ちょっとちょっとって感じだけど、それが昔のプロ野球の姿なんです」
ナイター、即夜釣り
ちなみに山田さんの同僚だった世界の盗塁王・福本豊さんも、山田さんと同じく車にはこだわりはなかったそうです。
福本さんの趣味は釣りで、プロ級の腕前だったそうです。ナイターで打てなかった日は、そのまま夜釣りに行ったんだとか。
「わざわざ釣りのための車買って。今でいうバン?釣り道具も積めて中で寝れる。ナイター終わって、釣りに行って、寝てから朝もう一回釣って。で西宮球場に来る」
福本さんはオフになったら、プロの釣り師でも釣れないような魚を釣ってきたんだそうです。
こだわりのオーダースーツ
若狭敬一アナウンサーが車?家?と尋ねますが、山田さんは特にモノへのこだわりはないそうです。
しかし、ただ一つあったのがスーツへのこだわり。
「服は好き。背広系でスーツが好き。スーツの数はちょっとやそっとじゃないと思う。だいぶ整理したけど、それでもかなりある」
着心地の良いスーツを10年ぐらい同じところでオーダーしていた時もあったそうです。夏物、冬物、その中間の物と年に3着作っていたんだとか。
買わずにはおれない
今でも服が好きで百貨店の紳士服フロアに行くと言う山田さん。しかし困ったことがあるそうです。
「洋服買いに行くじゃないですか。かかってる既製品的なものがあるじゃないですか。あれってね、やっぱ買ってしまうんだよね」
気になる服やスーツを試着して、店員に似合うかどうか尋ねるそうです。そこで「山田さん、ピッタリですよ」と言われると買ってしまうんだとか。店員はまずそう答えると思いますが。
しかも昔はオーダーでしたが、今はサイズも豊富。すぐにジャストサイズが見つかります。
「好きなのよ。元々阪急ブレーブスだから。阪急百貨店は日本一じゃないですか。質も量も揃ってる。そこへ行ったら買わずにおれないのよ」
今も古巣への愛着は深いようです。そんなチャーミングな一面をのぞかせる山田さん。
着るものは自己表現
「着る物って自己表現だと思ってるんですよ。その人の内面を見せるもの。スーツ着てネクタイって一つのマナーですよ」と持論を展開する山田さん。
「私、マナーだと思ってるんですよ。選手に対するマナー。放送させてもらうマナー。私は必ずジャケット持って行くか、スーツで行くんですよ」
この収録の時も、山田さんはジャケットを着ての登場だったそうです。これも一流のダンディズムですね。
(尾関)
若狭敬一のスポ音
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2021年10月16日14時32分~抜粋