ダイノジの大谷ノブ彦が、4月3日放送の『若狭敬一のスポ音』(CBCラジオ)に出演し、アカデミー賞と注目のノミネート作品について熱く語りました。
まず大谷が紹介したのは、アカデミー賞最有力候補と言われる、中国系のクロエ・ジャオという女性監督が撮った『ノマドランド』です。
最有力は『ノマドランド』
今年、アカデミー賞が行われるのは日本時間で4月26日の午前9時頃です。
『ノマドランド』についてこう説明する大谷。
「今、アメリカで問題になっているホームレスではなく、財産を失って工場や倉庫で働きながら車上生活をしている人。社会問題をエンターテインメント化した作品です」
大谷はこう続けます。
「今年のアカデミー賞は、時代の過渡期とか革命の年と言われているんです」
その理由の一つは、アカデミー賞がノミネートに慎重だったNetflix、アマゾンプライムなどの配信を堂々とノミネートしたことにあります。
コロナ禍で映画の公開自体が少なくなり、公開されても小規模ということもあり、配信作品に集中し始めたんだとか。
Netflixからは『マンク』『シカゴ7裁判』、また『サウンド・オブ・メタル』はAmazonプライムの作品です。
アカデミー賞の変革期
先に触れた『ノマドランド』のクロエ・ジャオ監督、北京出身の中国系アメリカ人。
世界の映画祭で数々の賞を受賞している『ミナリ』のリー・アイザック・チョン監督、は韓国系アメリカ人です。
日本では現在公開中の『ミナリ』はアメリカ南部に移住した韓国系の家族の物語。
昨年は韓国映画『パラサイト』がアカデミー賞を受賞しましたが、今年はさらに東アジア系の監督の作品が複数ノミネートされています。
これは一昔前では考えられなかったこと。
「今までアカデミー賞がかたくなに抵抗してたものが、堰を切ったように進んで行っている。これは時代の変革期で面白い状況だと思います」
邦画大ヒットの功罪
今回アカデミー賞にノミネートされた作品の中には、日本公開が決まっていないものもあるそうです。
その理由は、昨年コロナ禍で『007』『マーベル』といったハリウッド映画の公開が後送りになったこともありますが、意外にも邦画がヒットしたことも理由なんだとか。
アニメ『鬼滅の刃』は言わずもがな、等身大の恋愛を描いた『花束みたいな恋をした』がヒットしたこともあり、海外の映画への注目が集まらなかったようです。
「コロナが終息して、みんなが映画館に行き始めた時に、やっぱり同様に外国の文化の映画も楽しんでもらいたい。もちろん邦画のレベルが上がるのはすごくいいんだけど、両方楽しんで欲しいというのがあります」
ディズニー感がないディズニー映画
「『ノマドランド』からでいいので、海外作品も見て欲しいです。主演のフランシス・マクドーマンドという名女優は大竹しのぶさんそっくり。この人の演技も含めて、ぜひ見てもらいたいです」
『ノマドランド』は、硬派な社会問題を取り上げた映画なので、単館系インディペンデント映画のイメージがありますが、実はウォルト・ディズニー配給です。
「ウォルト・ディズニーにとってはアカデミー賞を獲ることが悲願だったんです。これがもしアカデミー獲ったら、ディズニー感が全くない作品が、ディズニー初のアカデミー作品になるんです」
4月26日に注目
『ノマドランド』のクロエ・ジャオ監督、こんな社会問題をテーマにした映画を撮りながら、次回作はアベンジャーズの続編的な作品『エターナルズ』です。
監督もウォルト・ディズニーも幅広い作品を手掛けます。
「このアカデミー賞は時代の変革期。いろんなことが露呈すると思いますから、4月26日に注目してください。
そして『ノマドランド』はぜひ、劇場で見てもらいたい作品になっております」
(尾関)
若狭敬一のスポ音
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2021年04月03日12時47分~抜粋