2月13日放送の『若狭敬一のスポ音』(CBCラジオ)にレンタル会社、近藤産興の常務取締役 近藤元帥さんが出演しました。
東海エリアでは30年以上に渡り「何んでも貸します近藤産興」でおなじみのCMソングが生まれた理由を、若狭敬一アナウンサーが尋ねます。
きっかけはお礼の菓子折り
創業者は近藤さんの父親の近藤成章さん。会社を興したのは昭和22年で、当時なんと14歳。
近藤さん「元々はペンキ屋。塗装業で始まりました。当時塗装をやる時には足場に丸太を使っておったんです。その丸太を貸したお礼に菓子折りをいただいて、これは商売になるんではないか?ということで、そこからですね」
成章さんは今年で88歳で、現役です。
近藤さん「創業74年になるんですが、現役も74年です。そういう人は、なかなかないのではないかと思います」
ホームページを見ると、設立昭和39年となっていますが、これは「近藤産興株式会社」という社名になってからだそう。現在は社員220名を抱える企業となっています。
レンタルだけじゃない
リスナーからも質問が寄せられました。
「こどもの頃からCMを見て育ちましたので、ものすごく馴染みがあります。基本はレンタル業務だとは思うのですが、他にも何かされているのでしょうか?業務内容を知りたいです」(Aさん)
近藤さん「総合レンタル業ということで、レンタルがメインなんですが、創業当時の塗装業も引き続きやっております」
その他には産業廃棄物処理事業、建築営繕工事、不動産事業という内容で営業しているそうです。
それゆえ社内の部署も、イベントや建設資材を扱う部署、介護用品を扱う部署、工事部門、産業廃棄物事業部門と多岐に渡ります。
本当に貸したの?
「CMでやっているジェット機、実際に貸したことがあるのでしょうか?」(Bさん)
近藤さん「30年以上前ですが、アメリカン航空という航空会社にジェット機を10年間貸したという実績があります」
しかし10年のリース期間を終え、ジェット機を売却したところ、円高の為替の影響を受けて、想定外の損害が出てしまったとか。
若狭「負の遺産。闇の歴史?」
近藤「為替負けしました。今も語り草となっております(笑)」
CMの歌はこうして決まった
「何十年も変わっていないと思いますが、新しいCMにするご予定はあるのでしょうか?」(Cさん)
そもそも「何んでも貸します近藤産興」というお馴染みのCMソング。これが決まったのは意外な理由でした。
CMは広告代理店の電通に依頼したそうです。
近藤さん「その時『歌を作った方がいい』というご提案を頂いて、その時のご担当の方が、鼻歌混じりにあの歌を歌った時に、社長が『それで行こう』とその場で決まったようです」
会議に会議を重ね、熟慮に熟慮を重ねたわけでもなく、担当者の鼻歌。
近藤さん「軽い曲調がすごく社長が気に入ったということだと聞いております」
エサセも貸します
このCMソング、主に東海エリアで放送されているのですが、そのインパクトゆえ、他の地域でも知られています。
過去に大阪のテレビ番組で取り上げられた時、「何んでも貸します」が「エサセも貸します」に聞こえると話題になりました。
音を解析すると「何んでも貸します」の前に入っている「エッサー」という掛け声の「エ」が耳の残って「エサセも貸します」と聞こえるということだそうです。
東海地方では「何んでも貸します」のフレーズがすでに馴染んでいため、「エ」の音は気にならないのでは、という結論のようです。
時代が来るのを待つ
ある番組では、そのCMに出ている「貸します娘」の女性3人が現在どうしているのかを追跡調査したそうです。
もしあの3人に娘がいたとすると、その娘がちょうどCM出演時の「貸します娘」の年齢でもおかしくありません。
新しいCMには変えない?という質問も寄せられました。
近藤さん「もう30数年経って、昭和の香りも漂う雰囲気ではあるんですが、時代も経ちますと、これが斬新だと言われるような時が来ると思います。その時を待とうと思っております」
看板が逆さの理由
「近藤産興さんの看板を見かけるのですが、上下が逆になっているものを見たりします。あれは何か意味があるのでしょうか?」(Dさん)
例えば社の敷地に並ぶ「何んでも貸します」と書かれた看板の1本が、なぜか逆さまになっています。
近藤さん「看板が逆さになっているのは諸説ありまして、最近有力な説は世界遺産、栃木県の日光東照宮。そこの陽明門に似せたという説」
陽明門の柱の文様が何本か逆さになっているそうです。
「完成されたものは、そこから崩壊が始まる」という理由から、敢えて逆さまにして未完成としているんだとか。
近藤「うちの看板も、これではないかと、そう言った説が有力になっております」
若狭「諸説…と言うことは、他にどんな説が?」
近藤「古くは看板屋が間違えたとか」
若狭「いっぺんに説のレベルが落ちますね」
思わず吹き出す若狭。
近藤さん「あるいは『実は貸せないものもありますよ』ということを暗示しているとか。これもいろんな番組で取り上げていただいたんですが、その時々で回答が変わってまして。この辺もまだ未完成なところです」
上下逆さまの看板には、会社はこれからも発展していくという意味が込められているようです。
(尾関)
若狭敬一のスポ音
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2021年02月13日15時04分~抜粋