野球解説者の山田久志さんが、12月5日放送の『若狭敬一のスポ音』(CBCラジオ)に出演し、中日ドラゴンズのキャッチャー木下拓哉選手について語りました。
今年は120試合の短縮シーズンでしたが、それでも88試合マスクを被った木下選手。
山田さんはどう見ていたのでしょうか?
良いキャッチャーの条件
山田「木下選手には失礼だけども、あれほど送球が良いとは思わなかった。盗塁阻止率がかなりいいもんね」
実は木下選手の盗塁阻止率は12球団ナンバーワンです。
「キャッチャーの1つの条件は、そこにあるよね。相手が仕掛けて来ないってのが1番のキャッチャーだから」
良いキャッチャーは盗塁すら仕掛けさせない。仕掛けられるキャッチャーはまだまだだそうです。
しかも木下選手は長打も打てるバッティングも魅力。
「ああいうバッターが7番とか8番にいたら、相手はかなりプレッシャー感じるし、簡単にはいかないなと思うような打線になるよね」
時代は変わる
山田さんはキャッチャーの起用の仕方に疑問があるようです。
「プロ野球、いつからこうなった?12球団見ても正捕手って言える人は何人しかいないよ」
例えば阪神は梅野選手、坂本選手、原口選手。巨人は炭谷選手、大城選手、小林選手。ヤクルトは中村選手、古賀選手、松本選手、西田選手。広島は曾澤選手、坂倉選手、磯村選手。中日以外のセ・リーグ球団でも、キャッチャーは複数体制のようです。
「キャッチャーだけは、いつも同じ人が座ってる方がいいっていうのが、野球界の常識、定石だった。古田、谷繁、阿部慎之助とかに代表されるようにね。
そういう時代が続いてきたけど、変わってきたのかなと思う」
なぜ一人から複数に?
「1つはピッチャーにも責任あり。ピッチャーがキャッチャーを選ぶ時があるじゃないですか。監督、コーチがこのピッチャーにはこのキャッチャーって相性で使ってるのかもしれないけど。
私も監督とかコーチの経験あるけども、ドラゴンズでいえば、キャッチャー8番谷繁って書いとけばよかったんですよ」
山田さんが監督時代、FAでベイスターズから連れてきたのが谷繁さんでした。
スタメンを考える時に、一番最初に決まるのが谷繁さんだったそうです。
どのピッチャーでも任せられる谷繁さんのようなキャッチャーがいることで、監督は安心できるんだとか。
外国人キャッチャー
現在のドラゴンズには、アリエル・マルティネスという外国人のキャッチャーもいます。
「いやぁ評価は難しいよ。魅力のある選手であることは間違いない。気持ちが前面に出るアグレッシブがいい。外国人選手で、あそこまでハッスルする選手は珍しい」
今までの日本球界で外国人キャッチャーはほとんどいませんでした。
中日には2000年にディンゴというキャッチャーがいたぐらいです。
日本の野球はサインが多いため、日本語がかなりできないと難しいのかもしれません。
マルティネスの使い方
「マルティネスは何とかこなせそうな雰囲気はあるよね。バッティングはパワフルだし、良いものを持ってるから」
マルティネスは現在24歳。これからが期待できるそうです。
「これから成績を残したら長いことドラゴンズでやりますよ。ドラゴンズの方法としては、1つはファーストをやらしておく。いつ何時でもキャッチャーできるっていう体制づくりをしておく。キャッチャー2人登録でいいんですよ」
他のチームにはユーティリティープレイヤーが結構いるそうです。
中日にも堂上直倫選手がいますが、最近の成績は芳しくありません。そこをマルティネスで補おうというのが山田さんの考え。
「巨人の原監督の采配を褒めるわけじゃないですけど、いろんなポジションを守らせてるよ。セカンドがショート行ったり、ショートがサード行ったり、いろいろ動かしてる」
最後に山田さんに、木下選手が正捕手として定着する条件を尋ねる若狭敬一アナ。
「木下がレギュラーを獲るとなれば、最低でも試合数は3桁。来年143試合になったら、100試合は先発でマスクを被って欲しいね。そうなって初めてドラゴンズのキャッチャーは木下という評価がもらえるよね」
木下選手の活躍に期待しましょう。
(尾関)
若狭敬一のスポ音
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2020年12月05日13時27分~抜粋