若狭敬一のスポ音

ダイノジ大谷ノブ彦、ジブリ作品に出演を熱望していた!?

ダイノジの大谷ノブ彦は、かつてスタジオジブリ代表取締役でプロデューサーの鈴木敏夫さんと、中日ドラゴンズ談義をしたことがあったそうです。

ジブリ作品のアニメ映画『もののけ姫』(宮崎駿監督)について熱く語る大谷と若狭敬一アナウンサーが、公開年の1997年を振り返りました。
8月1日放送の『若狭敬一のスポ音』から。

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いろんな解釈

大谷「インターネットにおいて、みんながブログを書いたりとか、動画をあげたりする中で、これってこういう意味なんだよ、みたいな解釈しているものがすごくたくさんあるんですよ」

「例えば、僕がすごくハマった『もののけ姫』は、簡単に言うと自然界と資本主義の対決みたいに見えるんですね」と続けます。

エボシという女性リーダーに率いられたタタラ場という鉄を作る村。それに対立するもののけ姫。
もののけ姫は、もともと人間界から自然界への生贄として差し出されたサンと言う名の少女です。そこにアシタカという男性がやってきて…と話が展開していきます。
 

タイトル変更

『もののけ姫』は、最初、『アシタカ戦記』というタイトルだったそうです。
ところが、これを変えたのがプロデューサーの鈴木敏夫さん。
鈴木さんは愛知県出身で大の中日ドラゴンズファンです。
ドラゴンズのマスコットのひとつ「ガブリ」は、ドラゴンズが好き過ぎる鈴木さんが、宮崎さんに描かせたんだそうです。

鈴木さんにインタビューしたことがあるという大谷。
若手の頃から、インタビューや対談の際に言う定番の「かまし」があるんだとか。それは「素晴らしいんだけど、唯一の欠点は自分が関わってないこと」という台詞。

鈴木さんにも「宮崎アニメは素晴らしいですけど、唯一の欠点は僕が出てないことです」と言ったところ、「俺の持ってないドラゴンズグッズ持ってるんだったら出してもいいよ」と返されたそうです。

大谷「根っからのドラゴンズファンです!」
若狭「本気で受け止めてるな。熱がすごすぎて世の中を変えそうだな」

アニメ引退後の宮崎さんをドラゴンズの「宮崎駿監督」として就任させそうな勢いです。
 

ヒットに不可欠なものは<の>

鈴木さんが宮崎駿監督に会った頃は、徳間書店に勤めていて雑誌『アニメージュ』の編集長だったそうです。

大谷「こいつは天才だ、一緒に組もうってやった人が鈴木さん。いわば二人三脚。この人が勝手に『もののけ姫』っていうタイトルに変えちゃったんですよ」

『アシタカ戦記』を変えられて怒る宮崎監督を、こう説得したという鈴木さん。

「いや宮さん、"の"がつかないと!『風の谷のナウシカ』『天空の城ラピュタ』『となりのトトロ』『魔女の宅急便』。"の"がつかないとヒットしないよ。『アシタカ戦記』ダメだね。『○○の○○』が嫌だったら『もののけ姫』だ」

『もののけ姫』は180億円の特大ヒットになりました。
 

口説き文句かよ

大谷「『もののけ姫』は資本主義を否定してるように見えるんだけど、タタラ場では障害を持っている人たちや女性にも仕事を与えるという社会ができている。
社会を作ってる人と、山にいる人たちのぶつかり合いを、ただの善悪では描いてないんですよね」

そんな大谷が、劇場公開当時わからなかった台詞が「生きろ。そなたは美しい」だったそうです。

山犬に育てられ、本当は犬と同じように噛み殺したいのですが、牙がないため、刃を持って人間に向かって行くサン。サンがアシタカを刺そうとした時に、アシタカがサンに言った言葉が「生きろ。そなたは美しい」でした。
 

ネットの意見にハッとする

大谷「この言葉、わけがわかんないんですよ。当時僕は若かったんで、口説き文句で言ってるのかな?みたいな。でもこれ、ネットの中ではいろんな風に解釈してるわけ。
『生きろ。そなたは美しい』って『自分らしく生きるということが、大事なんじゃないか』と思ったんですよ」

サンは山犬に育てられましたが人間です。自分は犬のつもりなのすが、周りからは人間として見られます。自分という存在がない中で、とにかく人間に敵意むき出しで向かって行きます。

大谷「今は自分の中でもやもやしてるかもしれない。でも君は、常に正直に生きてきた。生き続けろ。そうして自分らしさを手に入れた時に、君は美しいんだ、とネットで解釈してる人がいた。その時にはハッとしたんですよ」
 

時代とシンクロ

『もののけ姫』は1997年7月に公開されました。日本のGDP(国内総生産)が上げ止まり、日本人全体が不景気へ向かおうとする年でした。

若狭「私、大学4年だったんですよ。日本の都市銀行が倒産。ええ?銀行潰れるの?みたいな。日本経済がガタガタして行った年なんですよね」

この頃にはすでに「就職氷河期」と言われてました。

大谷「この次の年に SMAPは『夜空ノムコウ』という喪失の歌を歌うんですよ。必ずエンターテイメントって時代とシンクロしてるんです」
 

新作タイトル、変更の可能性

宮崎駿監督は、『もののけ姫』制作の理由を「こどもたちに見て欲しかった」とコメントしているそうです。

大谷「こどもたちが、こんな世の中なのに、なんで一生懸命生きなきゃいけないの?と疑問を持った時に、それを、この映画を見て自分で考えてほしい、と言ったんですよ」

ちなみに宮崎駿監督が現在とりかかっている新作、タイトルだけはすでに決まっているそうです。それが『君たちはどう生きるか』。

若狭「"の"がないじゃないですか」
大谷「『君たちはどう生きるかのう』っておじいちゃんみたいに変わる可能性があります」

果たしてタイトルはどうなるのかのう? 
(尾関)
 
若狭敬一のスポ音
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2020年08月01日12時47分~抜粋

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