若狭敬一のスポ音

選抜高校野球中止で気になる球児の気持ち

4月11日放送の『若狭敬一のスポ音』は、野球解説者の山田久志さんが若狭敬一アナウンサーと、中止になってしまった選抜高校野球について語りました。

センバツ中止が決定したのは3月11日ですが。この山田さんとの収録は3月20日頃のものです。
当時はプロ野球の練習試合が無観客で行われていた状況です。

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何とかできない?

若狭「今回は無観客試合ではなくバッサリ中止」
山田「何とかできない?」

若狭アナがこの番組で訴えたところ、賛否、様々な意見が寄せられていました。

「感染拡大が懸念される中、開催に踏み切るのはどうなんだ?」
「仕事ではなくあくまで部活である。もし何かあった時に責任をどうとるんだ?」など。

野球はコンタクトも少ないスポーツであり、甲子園という屋外。クラスターを作る密閉空間で密集して会話をすることもありません。
だからやらせてあげたかった、というのが若狭アナの考えでした。
 

いろんな大会が中止に

山田「あの時は高校のスポーツは全部中止になったじゃない。高体連と高野連は分かれてるから。高野連も高体連に入ってたらスパッと中止なんだよ」

高体連とは全国高等学校体育連盟の略。高校の主なスポーツが高体連に所属しています。ラグビー、卓球、新体操など様々なスポーツの大会が一斉に中止になりました。

高体連とは別組織の高野連(日本高等学校野球連盟)、日本高等学校ゴルフ連盟なども、それぞれの大会を中止しました。
 

甲子園にこだわり過ぎ

山田「高校のスポーツでもここだけは違うんだよな。出場を決めた高校球児たちが、『分かりました。これはしょうがないです』って言いながら、涙を流してるのを見たらね、なんとかしてやりたいと思ったわけ」

いろんな人に聞くと、夏の大会と合同にする、秋に開催する、などの案が出てきた中に、甲子園にこだわらなければ一週間あればできる、という意見があったそうです。

「ということはゴールデンウィークあたりの1週間でできる。甲子園と京セラドームを使えば一日に8試合ぐらいできるんですよ」と続けます。
あくまでも、3月20日時点での話です。

山田「昔あったんですよ。甲子園と西宮球場でやったことあるんです。歴史を調べてください」

調べてみると、1946年28回は、終戦直後で甲子園が占領軍に接収されていたため西宮球場で開催。1958年40回大会と1963年45大会は記念大会で出場校が増えたことで甲子園球場と西宮球場の併用で開催されていました。
 

大人がダメ

山田「結局ね、中止以外の策はないか?って考える人がいないのが寂しいのよ。中止を決めれば自分たちの仕事は終わったんだと思ってるから。それが違うのよね。出場の権利をもらった球児たちに、なんとか良い思い出を作ってあげれないか?って考えるのが大人だよね」

次第に「何かをやってやんなさいよ、って言ってるんですよ、何かを」と語気を荒げる山田さん。

山田「極端なこと言ったら、甲子園を一日借りて、入場式だけでもいい。開会式だけでも。そこで選手同士が握手して、頑張ろうなって。そう考える高野連とか大人はいないもんかねぇ?」
 

出れなかったからこそ分かる

若狭「山田さん、高野連に入っていただけませんか?」
山田「たまにはいいこと言うでしょ?」

若狭「泣けるなぁ。本当にそれは2~3時間くらいのものかもしれないけれど…」
山田「高校野球の歌を聴いて、日章旗が上がるのを見て、自分たちの校旗があるのを見て、よし、俺たちは甲子園の土は踏んだとね、そういうのを考えつく大人が出てきたらどうなんだ?若狭くん」

若狭「山田さん、素晴らしい」
山田「今日はこれで終わり」

自身が県予選準決勝までで甲子園に出れなかったからこそ余計に感じる、という山田さん。「だから開会式とか何かやってもらえないかなと思ってるね」としみじみ語ります。
 

特別扱いするな、に反論

この番組でも取り上げた時「高校野球だけ特別扱いするのがけしからん」というおたよりが寄せられたそうです。それに対して若狭アナは…。

若狭「歴史、人気、その掛け算が特別扱いを生む。これは高校の部活に限らず社会に出たら特別扱いだらけ。ドラフトだって1位の人と6位の人、出場チャンス、年俸、全部違う。特別扱いは今後もなくならないもの。だから受け入れた方が良いのではないか?」

「おっしゃる通りです」と同意する山田さん。
世の中には、差別はダメだが、区別はある、と主張します。
 

高校野球はお祭り

持論を展開する山田さん。

山田「高校野球というのはね、春の大会でも、夏の大会でも、あれは日本の一大祭りです。その主役が高校生なんです。学校なんです。こういうお祭りはどこにもないんです。そういう風に思ったら、祭りを簡単に中止にしますか?」

様々なスポーツにはそれぞれの歴史がありますが、高校野球は100年以上の歴史があり、皆さんに与える影響は大きいと主張します。

山田「我が県から出たチームが優勝と思うもん。10点負けてもまだ大丈夫ってね」
若狭「自分が阪急の現役時代、10対0だったら?」
山田「勝てるわけないじゃない。でも高校野球だったら、まだ分からんぞ、と思うよね。だから高校野球を単なる高校スポーツって見て頂きたくないんだね」

高校野球は文化であり、お祭りである。高校野球の存在価値を力説した山田久志さんでした。

重ね重ね説明しますが、この収録は3月20日前後。
現在では、青森ねぶた祭りなど伝統的な祭りさえも中止になっています。
一刻も早いコロナウイルス終息と、心から祭りを楽しめる日々の復活を願うばかりです。 
(尾関)
 
若狭敬一のスポ音
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2020年04月11日13時18分~抜粋

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