若狭敬一のスポ音

開幕投手に決定していた投手、今すべきことは?

新型コロナウイルスの感染拡大を受けて延期しているプロ野球ですが、3月23日に12球団代表者会議が開かれ、今季の開幕について、4月24日を目指すことで一致したということです。

これに先立つ21日放送の『若狭敬一のスポ音』(CBCラジオ)では、野球解説者の山田久志さんが、この時期に開幕投手がすべきことについて語りました。

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これはエライことだ

山田「予想は出来たけども、実際に延期の発表された時は、さぁ困ったな、これからどうなるんやろ?っていう気持ち。野球ファンだけじゃなくて、我々当事者も。選手、監督もこれはエライことだと思ったのは、みんな同じでしょうな」

2011年の東日本大震災の際にも、プロ野球は開幕延期となりました。
この時はセ・リーグとパ・リーグで若干揉めつつ、両リーグとも4月12日に開催という運びになりました。

これに先立つ4月2~3日には、東日本大震災復興支援試合が行われました。2日の試合前に東北楽天ゴールデンイーグルスに当時所属していた嶋基宏選手がスピーチした「見せましょう、野球の底力を」という言葉が話題となりました。

山田「あれと今回のコロナは別だね。終息がいつになるかわからないから先が見えないもん」

選手のコンディション作りにも影響してくるそうです。
 

もし開幕投手なら?

聞き手の若狭敬一アナウンサーが尋ねます。

若狭「もし山田さんが今年の開幕投手で、3月20日だった開幕が延期になってしまったら、どう調整していきますか?」

山田「走り込みと投げ込みを1週間か10日ぐらいかけて、もう1回体力を戻すミニキャンプみたいなのをやるね。今ならまだ間に合うんですよ。1回それをやって、練習試合でも投げながら、まず身体をいじめる」

その後は身体の疲れを取りながら開幕に向けて調整していく、と言います。
 

キレが出てきたらOK

追い込んだ後、少しずつ練習の量や質を低下させながら疲労を抜くそうですが、疲労が抜けきった時はどんな感じになるのでしょうか?

山田「もの凄くキレを感じる。ボールが走り出したとかじゃなくて、身体の動きがシャープになったと感じたら出来上がり」

ここはプロの感覚的な世界です。
ピッチング動作にキレが出てきて、なおかつその動作が一つの流れのように合わさる、そんなイメージの様です。

山田「ボールはまだいいの。ボールは放っといても当日ぐらいになれば、アドレナリンも出てきて良くなるから。とにかく身体のキレがでてきた時がOKサイン」
 

疲れてる時は意外に良い

若狭「逆に身体のキレが出てこない、投げ込んで疲れた状態だとどうなるんですか?」

山田「不思議だと思うんだけども、そういう時って力まないから、意外とボールがいいの。バランスで放らなくちゃいけないと思うから良いボールがいくんだよ」

身体にいらない力が入らず、力を入れなけらばいけない最小限のポイントがどこか、感覚として掴めるんだそうです。

山田「練習をしなくちゃいけない理由はそこにもあるんだよね。その感覚は自然とつけなきゃだめなのよ。それはキャンプでしかできないんだよね。オープン戦の実践に入ったらできない。でも残念ながら延期になったから、今ならやれる」
 

開幕投手のじれったい気持ち

山田「3月20日の開幕を任せられた人、例えばドラゴンズの大野。大野が1ヶ月後に延期になった開幕にベストでいけと言われても無理。今に調子を合わせて来てるから」

本来の開幕投手は、この後の練習試合、2~3試合は良いピッチングをするはずです。

山田「調整はしっかりしてきたはずだから、ある程度いいボールを投げてなきゃ困るわけ。でもそれはひと月は続かない」

開幕が4月24日に延期された場合、調子が下り坂で開幕を迎える投手もあり得るというわけです。
特に、3月20日の開幕に合わせていた投手は、下り坂の可能性が高いと言います。調子を合わせるにはもう一度、身体をいじめる追い込みが必要。

若狭「ということは、早く開幕の日を教えてくれということですね?」

山田「そういうこと」

開幕は4月24日を目指すという方針が出ていますが、これがさらに5月へ延びると、さらにコンディション調整に苦しみそうです。 
(尾関)
 
若狭敬一のスポ音
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2020年03月21日13時17分~抜粋

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