若狭敬一のスポ音

プロ野球契約更改。リリーフ投手VS球団査定の仁義なき戦い

野球解説者の山田久志さんが、11月23日『若狭敬一のスポ音』に出演し、契約更改交渉について語りました。

契約更改したドラゴンズの祖父江大輔投手ですが、一時は保留していました。
そして、そのことについて米大リーグ・カブスのダルビッシュ有投手が「査定の内容を知りたい」とTwitterで投稿して騒動になりました。
このニュースに対する山田さんの見解はいかに?

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言われてみれば、確かにそう

「最近の保留って珍しいね。他の球団もなかなか保留はないよ。少なくなった。昔は、保留って結構あったけどね」

昔は判子を持って行かない人もいたようです。

祖父江投手が保留した時、ダルビッシュ投手がTwitterで、ドラゴンズの査定方法が知りたい、祖父江投手がかわいそうだという内容の投稿をしました。そのことについては…。

「祖父江投手が頑張ったことをダルビッシュは知ってる?わからないよね。実際、日本にいたって、他球団で祖父江というピッチャーを評価できる人いる?」

そこまで細かく見ている人は、よっぽどの野球好きか、他人の懐が気になる人ぐらいでしょう。

「それをダルビッシュが『ドラゴンズはおかしいんじゃないか?』って言うのは、ちょっとね…。今はいろんな発信方法があるにしても、そういうことには、もうちょっと無頓着になったらどうだ?って、私はアドバイスしたいね」

またダルビッシュ投手と祖父江投手が親友だとか、一緒に自主トレをしているという特別な接点もないようで、山田さんからダルビッシュ投手へのアドバイスも頷けます。

事の発端は

事の発端になった、祖父江投手と球団側の言い分をみてみましょう。

2019年、祖父江投手の6年目のシーズンが終わりました。去年の登板数やホールド数などに比べると、今年は若干成績は落ちています。

新聞記事によれば、祖父江投手の言い分は、この数年、特に3年間は、勝ちの日も負けの日も、ありとあらゆるところで投げていたので、そういう継続的に一軍で活躍していた部分をもう少し評価して欲しい、というものでした。

球団側の言い分は、こんな感じです。
数年間継続的に頑張っているが、その実績を金銭に落とし込むのはFA権を獲るぐらいまで長く続けた選手。祖父江投手はまだ6年が終わっただけで、現状のルールではその継続的実績をお金に反映させることは無理、とのことです。

選手は一年契約

「今の祖父江君の言い分と球団の言い分は、どちらも的を射ています。
ところが、どうしたって選手は1年契約なんです。今までのことも加味してくださいってのは球団は受け入れられない。それは割り切らなきゃダメなんです」

例えば、過去3年間、20勝、20勝、20勝してきて、今回は5勝しかできなかったとします。今年の査定に過去の60勝分を加味してください、と言ってもそれは通りません。

「会社はそうですよ。でも、選手というのは一年契約の個人事業者だから、言いたくなるのはよくわかるんです。全然間違いじゃない。

これからも、あなたの会社のために私は頑張っていくんです。私が気持ちよく仕事をするためにも、それなりの報酬をくださいっていうのが祖父江君。
今年は、これほど営業成績が落ちてるじゃないか。だったら、ちょっとは厳しくいくよ、っていうのが経営者側」

評価は一定

山田「だから、私に言わせれば、どっちも間違ってはいない。あとは選手を預かっているフロントが、祖父江君にどんな評価をしてやるか。祖父江君がそれに納得できるかだね。フロントってのは会社だからね、他の選手もあるから」

これに対し、小芝居を交えて説明する若狭敬一アナ。

「え?言ったもん勝ちなんすか?祖父江さんには妙な出来高付いててぇ~、僕には付いてないんすけどぉ~。ってことになっちゃう。評価基準を変えるなら一斉に変えないと」

フロントも簡単に評価をブレさせるわけにはいきません。

査定が手ごわい

山田「フロントとしたら、うちの契約はこうですよとなる。だって査定の人がちゃんといるんだもん」

若狭「査定の人は毎日毎日、スーツ着て細かくつけてます」

山田「査定って全部がお金に跳ね返って来るわけじゃないんだけどね。あれは一つの言い分として残してるんです」

問題が発生しないために残しておく記録だそうですが、これが選手側にはなかなか手ごわいようです。

山田「極端に言えば、去年より投球数少ないんだよって言われる時あるからね。言われたら、こっちは二の句もないじゃない。去年は何千球と投げたけど、今年は何百球じゃないかと言われる可能性だってあるんだから」

リリーフは準備するとつく

しかし選手側も負けていられません。

「で、選手は何て言うか。ブルペンに入った数は『私は5回入りました』とか、いろいろやりとりがあるのよ(笑)」

山田さんの記憶によると、一時、リリーバーはリリーフの準備を何回かしただけでも、評価がついていたそうです。
若狭アナも、セ・リーグのとある球団には現在、その制度があると証言しました。

「ドラゴンズもあった。星野さんにコーチで呼ばれた時に、しっかりあったもん。ブルペンの担当コーチの高橋君に、ちゃんと何回、その準備したかはちゃんとチェックしとけよって言ったもん。今もあるかもしれないねえ」

譲れないところがある

若狭「僕みたいな意地汚い人間は、3回肩を作ったら、お金もらえるとなると、投げる予定ないんすけど『作りますわ』って言っちゃいそう」

山田「勝手にはやらせない。指名を受けてから。『若狭、山田、肩を作れよ』…これで初めて一回」

最後に、祖父江投手と球団側の立場について…。

山田「どういう話し合いになるかわからんけども、お互いに『ここを見てくれ』っていうのはあるのよね。譲れないとこはある」

もうすでに祖父江投手はサインは済ませましたので、来シーズンに向けて気分良く自主トレに励んでいるということです。  
(尾関)
若狭敬一のスポ音
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2019年11月23日13時13分~抜粋

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