若狭敬一のスポ音

メジャーリーグはいつ行っても新鮮。球団関係者必見、メジャー流球場演出法

11月16日『若狭敬一のスポ音』には、プロ野球解説者の山田久志さんが出演しました。
メジャーリーグが大好きな山田さん、本場の球場演出について熱く語りました。ドラゴンズも参考に出来そうな内容です。
聞き手は若狭敬一アナウンサーです。

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ほぼ全球団を回った

「カルチャーショックだった。これがメジャーかって」

冒頭、メジャーリーグの印象を語る山田さん。
現役引退後、約1年かけて、メジャー全30球団のほとんどを見て回ったそうです。自分でチケットを取って行く個人旅行から、全てお膳立てされた豪華旅行まで様々なスタイルで出かけたそうです。

一番驚いたのは、王貞治さんとワールドシリーズを見に行った時なんだとか。

「オークランドとシンシナティの一戦目だったかな。バックネットの二列目を取ってくれて」

オークランドとシンシナティの対決といえば1990年。
オークランド・アスレチックスとシンシナティ・レッズが対戦して、シンシナティ・レッズが4連勝と圧勝。14年振り5回目の優勝を飾りました。

メジャーが好きになる経験

その一戦目。試合が始まって、2回か3回のイニングの間に拍手が起きたそうです。

「隣にいたコーディネーターが、『山田さん、王さん、早く立ってください』って。
立ったら、バックスクリーンのところに、ウエルカムってバーッと出て」

球場全体がスタンディングオベーション。
次は「手を挙げて下さい」とコーディネーターに言われるまま、手を挙げて挨拶したそうです。

山田「どうです?ワールドシリーズだよ」
若狭「凄いですね。今日は日本から、山田と王が来てると紹介されたんですね」
山田「ビッグワン。ミスター・サブマリンって」
若狭「わー、カッコいい」

山田「ああいうのをやられたら、もう自分の中ではメジャーが好きで好きでたまらんようになってしまうよね。それがアメリカの連中のエンターテインメントの上手さだよ」
若狭「ナゴヤドームの社員、研修に行けよ」

山田さんは、こういうメジャーでの体験を、オリックス時代、宮内オーナーに話したら、早速、オーナーは研修に行かせたそうです。「ナゴヤドームも行こうよ~」とじれったそうな若狭アナ。

日本でもやろう

山田「例えばこの間も、野茂が球場に行ったら、みんなで拍手で迎えたし、イチローなんてもっとすごいよ。そういうのを日本でやろうと思えば出来るんだよね」

東京ドームに長嶋茂雄さんが観戦に行けば、観客に対して紹介があるそうです。
そういう風に、長嶋さんだけではなく、各球団、レジェンド級の人が球場に足を運んだ時は紹介してあげるべきだと言う山田さん。

山田「例えばドラゴンズだと高木守道さん。守道さんが来てます、って言ったら、守道さんを写して、パッと手を挙げるとかね、そういう演出をしていかなきゃ」

若狭「そういった演出もすれば、オールドファンは喜びますよね」
山田「新しいファンも開拓できるの」
若狭「?」

山田「守道さんのことがわからないから、この人誰?って言うんじゃなくて、ドラゴンズが、この人はこういう人だって紹介していかなくちゃいけない」
若狭「なるほど。そっちですね」
山田「そうすると野球のファン人口がもっと増えて、ドラゴンズの歴史も語れて、わかってくれる人が増えてくるわけ」

ヤクルトが今年7月、OBによる紅白戦のようなイベントをしました。
その時、代打で野村克也さんが、古田敦也さんらにヨボヨボの体を支えられながら登場しました。
「あれは、ちょっとジーンとくる、心温まるシーンでしたね」と言う若狭アナに、「ああいうのをやっていかなくちゃいけない」と山田さん。

ファンのため

山田「メジャーのレジェンドの始球式ってカッコいいよ。ウワーッと思うよ。紹介の仕方が全然違うもん。なかなか出てこないんだよ。演出なんだよ。どっから出てくるんだろと思ってたら、突然、ある一カ所にスポットライトがピカーっと当たって、ウワーッだよ」

ある年のフロリダ・マーリンズの最初の試合に行った時のこと。
ジェット機が飛び、大きな星条旗がはためき、いつになく球場全体がざわついていたそうです。

山田「急遽、大統領が来た。狙われたらいかんから、ライトスタンドから車でバーッと駆けつけて、始球式やって、バーッと帰った。凄いなーと思った。ああいうのをアメリカの球団はよくやる」

当時の大統領はブッシュ(父)さんだったそうです。

山田「日本球界もファンを喜ばすためにやれることは、まだまだいっぱいある。メジャーは、ただビジネスだけじゃなくて、ファンを喜ばそうとしてる。だからいつ行っても新鮮なんですよ」

チャンスは盛りだくさん

山田「ニューヨーク行ったら2試合見れる時あるもん。シカゴ行っても。なんでかわかります?ニューヨークにはメッツとヤンキースってあるんですよ。この2チームが同日に試合がある時は、どっちかがデーゲームなんですよ」

シカゴにも、カブスとホワイトソックスという2チームがあり、やはり両チーム、同日に試合がある時はナイターとデーゲームに分けるそうです。

山田「関西だと、昼にオリックスの試合見て、夜は甲子園の阪神行こうぜって、そういうことが出来る。だからドラゴンズはもっとやれるよね。だって(この地方に)一球団しかないんだから。チャンス、チャンス。大チャンス」

球界が盛り上がるのなら、メジャーの知恵を拝借するのもありなのでは? 
(尾関)
若狭敬一のスポ音
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2019年11月16日13時16分~抜粋

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