若狭敬一のスポ音

今でも気になる起用法…山田久志中日の荒木・岩瀬を語る。

10月13日にナゴヤドームで行われた中日-阪神戦は、中日ドラゴンズの今シーズン最終戦。
今シーズンで引退する岩瀬仁紀投手と荒木雅博選手にとっても最後の試合になりました。

この日の『若狭敬一のスポ音』は、ナゴヤドームの実況席から放送されました。
若狭敬一アナは試合開始直前、野球解説者の山田久志さんと共に、この両選手の活躍を振り返りました。

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岩瀬仁紀投手の活躍

1999年4月2日、ナゴヤドームの中日-広島、1回戦。2対1、1点リードで迎えた6回表、2アウト、ランナー二塁、バッター前田という場面でプロ初登板を果たします。しかしこの後、前田、江藤、金本に三連打を浴びノックアウト。苦いデビュー戦となりました。

2014年7月26日、ナゴヤドームの中日-巨人14回戦。7対4、3点リードの9回表に5番手として登板。1点を失いますが2アウトとしてバッター阿部を三振にとり、史上初の400セーブを達成しました。

2018年9月28日、ナゴヤドームの中日-阪神、23回戦。4対3、1点リードの9回表、通算1000試合登板を達成。最後のバッター糸井を打ち取ります。岩瀬投手は1001試合に登板。59勝51敗。407セーブ。防御率2.31の成績を収めています。
 

荒木雅博選手の活躍

1997年6月11日、広島市民球場の広島-中日、10回戦。10対4、6点を追う5回表、1アウト、ランナーなしで高卒2年目の荒木。広島3番手の高橋からプロ初ヒットを放ちました。

2014年9月16日、横浜スタジアムのDeNA-中日、21回戦。3対0、3点リードの4回表、2アウト、ランナー一塁。一塁ランナーの荒木が通算350盗塁を決めました。史上17人目の快挙を達成しました。

 2017年、6月3日、ナゴヤドームの中日-楽天、2回戦。1対0、1点ビハインドの4回裏、1アウトランナー無しで迎えた第2打席、ライト前に渋いヒットを打って2000安打を達成しました。楽天星野仙一監督が一塁ベースに歩み寄る光景も見られました。荒木は2219試合に出場、2043安打、378盗塁の成績を収めています。 
 

荒木選手の活躍に期待

この日は1番セカンド、スタメンで荒木雅博選手が登場。怪我さえしなければフルイニング出場する予定とのこと。

「盗塁も一つ決めたい。盗塁で怪我をして退くならそれも本望」

若狭アナが荒木選手の談話を伝えました。

山田さんも「阪神ベンチにお願いしとかなくちゃいけない。まずは塁に出なくちゃいけないから」と語ります。

「打つかフォアボールかで出て、それでピッチャーは牽制もせず、サーっと走って滑り込んでセーフっていうジャッジがきて、それで拍手をもらうんですよ」

山田さんの頭の中では、すでに荒木選手が盗塁を決めています。

あと4盗塁で抜かれる側は

若狭「今日のタイガース先発がプロ3年目の竹安。プロ初先発。空気読めますよね?」
山田「空気読めるかどうかは別として、必死に投げてくるよね。だけどもベンチの監督、コーチとかが"わかってるな"と。これも選手教育です」

実は荒木選手、あと3つ盗塁を決めれば381盗塁で、元阪神タイガースの赤星憲広さんと並びます。しかも同じ愛知県出身ということで、赤星さんは井端選手をライバル視していたそう。

「並ぶのはOK。追い越されたら、阪神の梅野投手あたりをきっちりと叱っておくという話もしておりました」

赤星さんの談話を伝える若狭アナです。

荒木選手は「努力の人」

コーチとして、監督として荒木選手を見て来た山田さんはこう評します。

「ハッキリ言わしてもらえば『努力の人』。ずば抜けた体力、ずば抜けたバッティングを持ってた選手じゃないんだよね。それをずっとレギュラー張ってきたっていうのは、やっぱり努力だね」

荒木選手と二遊間でコンビを組んでいた井端選手の二人は、毎日早く来て遅くまで練習していたそうです。
山田さんが監督時代(2002年~2003年)もナゴヤドームでナイターが終わり、22時ぐらいに帰る頃でも練習をしていたそうです。

「駐車場の方へ歩いて行くといつもカーン、カーンって音がしてた。地下のバッティング練習するとこあるでしょ?チラッと覗いたらねアライバ(荒木・井端)がよく打ってた」

こう振り返る山田さん。

岩瀬投手への思い

岩瀬仁紀投手に関するメッセージが届いています。

「ライトスタンドにいますよ。愛知県の公立高校で女子野球部のマネージャーとして青春の日々を送った私には、愛知県立西尾東高校、愛知大学出身の岩瀬投手はもしかしたら自分の身近にいた人なのかなと思うようになり、ずっとずっと応援してきました」(Aさん)

山田さんも岩瀬投手にはいろんな思いがあるようです。
岩瀬投手のプロ初登板は1999年のナゴヤドームの中日-広島1回戦。つまり開幕戦でした。

若狭「山田さん、コーチとしてまたシビアなところで送り出しましたねえ」

6回の表、2対1。1点リード、2アウト、ランナー2塁。バッターが前田智徳という状況でした。

山田「普通はあんなとこで新人とか、経験のないピッチャーを使う方がおかしいと思うんだけども、星野さんが監督でね、岩瀬を育てたいって二人で話してたの。だからこういうとこでやっぱり使っていかなきゃいけないんじゃないかなって、私の中にあったんですけども、今思えば、ちょっとあれは可哀想だったね」

コーチをいじる投手

結果、岩瀬投手は三連打を浴びて逆転されてしまいました。

若狭「一番ブルーだったのは、この日の先発ピッチャーだった川上憲伸さん。実はチームは開幕で11連勝してるんですけど、川上憲伸さんに白星が一個も付いてなかった。恨んでましたよ」

山田「憲伸はね、結構面白い人でね、ズバズバ言う方だったからね、いじられ放題だった。ピッチングコーチをいじるんだから」

若狭「えっ?山田さんもいじられた?」

山田「いじられるんですよ。『私はどうせ勝てないピッチャーですよ。いろいろチーム事情はあるんでしょうけども』って私の耳元に来て言うの。あの時は憲伸調子よくって変えなくてもいいぐらいだったんだけども、バッター前田で逃げ切りたいっていう気持ちが強すぎて」

今でも脳裏をよぎる

「あの試合はよく逆転で勝ってくれた」としみじみ振り返る山田さん。
逆転のタイムリーを打ったのが立浪和義さんでした。

山田「そう。あの時は嬉しかったね」
若狭「ちゃっかりその試合で勝ち投手になってるのが落合英二さんでした」

こう言う若狭アナに「そうだった?」と驚く山田さん。岩瀬投手の使い方が気になり過ぎて、その後の投手継投は記憶にないようです。

山田「逆転したのは7回かな。最後がソン・ドンヨルですよね。いまコーチやっててもあの場面が浮かんでくるもんね。コーチとして、あの時、岩瀬を本当に使って良かったんだろうか?って」

あの試合から19年の月日が経ちました。
岩瀬投手にとって、また荒木選手、そして森監督にとっても最後となったこの日の試合は、延長の末2対3で惜しくも敗れてしまいました。
(尾関)
 
若狭敬一のスポ音
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2018年10月13日13時17分~抜粋

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