若狭敬一のスポ音

音楽よりもメシを食え。大谷ノブ彦が教える夏フェスの楽しみ方

『若狭敬一のスポ音』内で放送されている、ドラゴンズから音楽まで、世の中のあり世あらゆるものを熱く語る「大谷ノブ彦のキスころ濃縮版」。

6月23日は、ダイノジの大谷ノブ彦が「夏フェスへ一度も行ったことがない」という若狭敬一へ夏フェスの手ほどきをしました。

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画期的だったフジロック

夏フェスに一番呼ばれるDJでもある大谷。

大して「ワタクシ、一度も行ったことがありません。例えば、ドリカムの野外ライブとかは行った事ありますが、たくさんのアーティストが一同に介して、大人数でどんちゃん騒ぎは一度もありません」と自己申告する若狭アナ。

「でも、由々しき事態ですよね。なぜなら今、すごいフェス人口が増えてて、これ、地域活性として地方でのフェスがすごく熱いんですよ。僕は大好きです」と語りだす大谷さん。
ここからは大谷さんによるフェスの簡単な歴史です。

フェスが日本の中で本格化してきたのは1997年に第1回が行われた『FUJI ROCK FESTIVAL』(フジロック)。海外のアーティストと、日本のアーティストが同列で出たことが画期的でした。
それまでの競演では、日本のアーティストが前座扱いになることが多かったのです。

例えば、愛知県豊橋市で1986年に行われた『Black Heritage Festival in Toyohashi』では
日本の有名アーティスト、知る人ぞ知る海外アーティスト、ベテラン海外アーティスト、最後に超ビッグネームのB.B.キング、レイ・チャールズと時間に比例して序列がありました。
 

台風で中断した第1回

富士山の麓で開催された1回目のフジロックは、台風が直撃して2日目は中止。今では伝説となっています。その時の様子をこう語る大谷。

「雨と風がハンパなくて。寒いから、みんなお味噌汁の売店に長蛇の列。買ったらすぐ雨水で全部こぼれちゃう、そんな状況だったんですよ。当時はまだフェス慣れしてないからハイヒールで来る女性とかいましたね。それが1997年だから、もう20年ぐらい前になりますかね」

音楽の楽しみ方の変遷

そもそも音楽はラジオやテレビを通して家で聞くものでした。80年代の歌謡曲がそうで、それからコンサートに行くみたいな感じでした。しかし、80年代半ばにはバンドブームが起きて、自分たちで演奏するようになりました。

「今も盛んにやってますけど、あの当時は、本当にバンドやってる人が多かったんですよ。80年代半ば、僕は中高生だったんですが、ブルーハーツとかBOOWYとかレベッカのコピーバンドがたくさんいました。そこからしばらくしてカラオケ。 90年代はカラオケで歌われる曲が、非常に多かった」

「レンタルCD屋さんも、どんどんを出てきて、そこで借りて、カセットに落とし込んで聞いて覚えて歌う、みたいな」と言う若狭に、「そこまでの一連の動きが、音楽を聴くという行為だったじゃないですか。それが90年代後半に現場で体感するフェスって言うのが出てきた」と大谷。

2000年以降、徐々にCDセールスと入れ変わるように、現場で生で体験するフェスが台頭してきました。

「今では、体感したことをさらに自分のSNSに書く。友だちみんなで20人ぐらいで行って、お揃いの服を着て、一緒に写真を撮るっていう時代になってくる。これはプロ野球の応援もそうですよね」

音楽よりもメシを食え

「夏フェス初心者の若狭さんに教えたいことは一つ。夏フェスは音楽が一番じゃないってことだけ、頭に入れておけば楽しめます」と若狭にアドバイスする大谷。
実はいまフェスに来る半分ぐらいの人は、音楽を一番の目的としてはいないそうです。

大谷「音楽が一番好きだという固定観念の中にいると楽しめないです」
若狭「フェス初心者からすると、知らないアーティストの時どうしたらいいんだろうと思います。音楽知らないと、どうやってのればいいんだろ?ひょっとして楽しめないのかなって思う不安感すらあります」

大谷「メシ食っててください」
若狭「それでいいんですか?」
大谷「いいです!」

力強く言う大谷。初心者はメシを食え、とはどういうことなんでしょうか?

大谷流フェスの楽しみ方

「今度、僕も出ますが、例えば岐阜県中津川市で行われる『中津川 THE SOLAR BUDOKAN』。1年目8,000人だったのが、(5回目で)今や3万人とものすごく拡大してる。
アウトドアがすごく揃ってるフェスで、小学生以下2名までこどもは無料なので、家族連れが本当に多いんですよ。ご飯も地元の美味しいもの全部揃ってますからね。だからまず、ご飯を食べてください」

次に、ステージから聞こえてきた音楽が、自分の好きなタイプならステージに行きましょう。
後ろの方で見るだけで、無理にのらなくて構いません。そのアーティストが誰かスマホで調べましょう。

「家に帰って、そのアーティストを聞いてください。次、たぶん、その人のワンマンライブに行きます。また違うフェスで出会います。どんどん好きになります。それでいいです」

ハードルは低い

「最初に、音楽好きしか行っちゃいけないという考えを取っ払ってください。アウトドアしに行くぐらいの気持ちでいいんです。美味しいもの食べて、こどもと一緒に戯れて、バックで音楽が流れてる。つまり、これ日常生活でしょ?日常生活の延長線上のつもりで行く。

野球場に行くのと同じじゃありません?飲食が美味しければいい、いつもの仲間に会えるから。最初はそれ目当てで行けばいいんですよ」

若狭アナにわかりやすく例える大谷。

Jリーグの某チームが観客動員を増やしたのは、おじいちゃん、おばあちゃんのエリアを使ったからだそうです。老人の集会とか病院の待合室みたいな感覚で集まって来て、それからサッカーを覚えていき、やがてサッカーが楽しくなるんだそうです。

若狭「それは、物を好きになる入り口としては、ハードルが低くていいですね」
大谷「だからこそ、フェスがこんだけ流行ってるんですよ!」

たった一つのことから入る

「昔は、音楽好きじゃなかったら来るなよ。野球でも、野球好きじゃなかったら来るなよ。こういうことがありました。楽しむことにそんなことは関係ない。

そういうたったひとつのところから球場に行く習慣を作って、10試合行って、気づいたら野球が好になってますよ。そういう作り手の考え方があることを理解した上で、軽い気持ちで夏フェスに参戦してみてください」

こう力強くお薦めする大谷ノブ彦でした。
(尾関)
若狭敬一のスポ音
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2018年06月23日12時49分~抜粋

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