若狭敬一のスポ音

山田久志が提言。清宮幸太郎はファースト。DHにしたらダメ!

12月16日『若狭敬一のスポ音』、「山田久志の栄光に近道なし」のコーナーでは伝説のサブマリン投法、CBC野球解説者の山田久志さんが、今年のドラフトの目玉、早稲田実業・清宮幸太郎選手について語りました。

さらに新人選手の育成方法を尋ねた時の山田さんの行動力に、若狭敬一アナウンサーも驚きます。

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清宮はバットが身体に巻き付く


7球団が競合して、北海道日本ハムファイターズへの入団が決まった早稲田実業・清宮幸太郎選手について語る山田さん。

「こんなにバットをうまく使える高校生っているのかなっていう選手です。いわゆるハンドリング。ヘッドの使い方が巧い。
金属バットでありながら力で打ってない。しなりみたいなのを非常に感じるね。木製のバットになったにしても、ヘッドの使い方の巧さは極端には落ちないだろうと思います」

金属バットの使い方から、プロの木製バットに慣れるかどうか、わかるものなのでしょうか?

「わかりますね。清宮が良いバッティングしてる時は、俗にいうバットが身体に巻き付くっていう状態です。あれは左バッター独特なんだよね。左バッターの良いバッターってみんな巻き付いてくるんだよ」

清宮はファースト


ポジションはファーストのみという話がありますが、これについて山田さんはどう考えているでしょう?

「一番、良いチームに入ったんじゃない? 他のチームに入ったらどうだったかなと思う、ポジションだからね」

例えばジャイアンツに入ると阿部慎之助選手がいます。日本ハムで現在、ファーストの中田翔選手は、清宮選手がそのままファーストへ入ったとしても、外野ができます。

DHには反対


パ・リーグではDHがありますから、バッターだけで使う方法もありますが…

「清宮っていう選手をDHに育てたらダメね。反対。野球界のためにも、必ず守備をさせるべきだね」

栗山監督がDHで使いたいと言ったら?

「俺が電話する。栗山さんはホットライン持ってるから大丈夫。DHなんてことは考えもしないでくれって言う。やっぱりスターを育てなきゃ。栗山監督は育てるよ。みんな、育てて来てるから」

中田翔、ダルビッシュ有、大谷翔平、西川遥輝、中島卓也、杉谷拳士、松本剛と、北海道日本ハムファイターズはスター選手をイチから育て上げてきました。

日ハムの一貫した育成方針


「あそこのチームは、ピッチャーでも野手でも、育て方が一貫しててね。徹底してファームで教育するんだね」

日本ハムファイターズは、二軍が鎌ヶ谷という千葉にあるグラウンドが本拠地です。ここで野手なら、何百打席。ピッチャーなら何百イニング、結果が出ようが出まいが、試合で使い続けるそうです。

「そういうことを聞いて、ホンマかいな?そんなん、できるか?と思いながら。僕、鎌ケ谷へ一回、行ったことがあるんですよ」

この山田久志さんの行動力に「ええっ?」と、聞き手の若狭敬一アナが驚きます。

「ちょうど今、オリックスの監督やってる福良君が、日本ハムでヘッドコーチとかやってたんで見せてもらったの。何年かしたら、そのポジションになるという風に選手をずっと育ててるんです」

選手のデータも徹底管理


「選手の今日の成績とか、何年前の成績が全部パソコンに入ってるの。コーチは全部、パソコンの操作をしなくちゃいけないから大変。私はパソコンとか、そういう面倒くさい物はイヤだから」

「だって、まだスマホじゃないですもんね」と言う若狭に、「ほっといて」と間髪入れず返す山田さん、さすが関西人です。

その日の内容をコーチ陣に知らせるための連絡網もできており、過去のデータとも比較できるようデータ管理がされているそうです。

選手側からは、これだとチャンスを与えられないまま、戦力外になったという不平不満も起こらず、また文句も出ません。

高橋周平も一貫して育てろ


ドラゴンズも、そっくりそのまま真似するかはともかく、参考にはするべきでしょう。

「高橋周平っているじゃないですか。彼はもう一軍クラスの選手だと思うんですよ。彼に欠けてるモンは何だろうかって、監督、コーチが話し合わなくちゃいけない。それを補うためは、どういう練習方法でどう育てたらいいかを一貫してやらないとイカンですよ。
それを一軍でフラフラさせたり、調子が悪くなったら二軍に落としたり。誰かが悪くなったから、今度は上がって来い。これじゃあダメなんですよ」

確かに高橋周平選手の育て方には、行き当たりばったり感があります。

「期待が大きすぎるからそうなるんですよ。一年なら一年、ずーっとファームで全試合全打席出す。そういう方針だって、あるわけですよね。清宮は良い球団に入ったと思うね。どういう育て方をするか楽しみですよ。絶対ファーストでね」

日ハムを真似た横浜DeNA


この日本ハムのスタイルを 横浜DeNAベイスターズ が真似たと言われています。
その選手の、今のいいところ、足らないところを分析するため、二軍のスタッフから一軍の社長補佐まで集まる一カ月に1回の、育成会議なるものがあるそうです。

今年、その方針で育った典型的な選手が細川成也選手です。シーズン最後、中日との消化ゲームの時にポッと一軍に上がって、いきなりホームランを打ちました。

彼は長打力があるので、やがてベイスターズのクリーンナップを打つ選手という評価が、育成会議でおそらく出ていたんでしょう。一方で、低めの変化球はからっきしダメで三振が多いというデータも出ていたんですが、シーズン終盤ということもあって一軍に上げました。

すると、ドラゴンズの笠原投手が投じたストレートを見事にバックスクリーンに放り込む3ランホームランを打ちました。その勢いで、そのまま、なんと日本シリーズでも打席に立つという、大きな大きな経験をしたんです。

どんどん真似すべし


一方、同じ高卒ルーキー、中日の石垣雅海選手はどうかと言うと、結局、一軍に登録はされましたが、出場も、打席数もそんなになく、三つ三振を喫して終わってしまいました。もったいない感じがします。

打とうが打たなかろうが、二軍でも一軍でもある程度の打席を経験させるというのは、今後、考えるべきなのではないでしょうか。

さらにはベイスターズなどではで、現在の二軍の選手の状況、一軍に推薦すべき選手の状況も、監督、コーチを含めて、共通認識があるということですから、このあたりも、どんどん真似て育成に力を入れて行って欲しいと思います。
(尾関)
若狭敬一のスポ音
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2017年12月16日13時14分~抜粋

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