若狭敬一のスポ音

ゲレーロの去就は?山田久志が明かす外国人選手獲得法

10/7『若狭敬一のスポ音』では、伝説のサブマリン投手で元中日ドラゴンズ監督の山田久志さんが、今シーズンのアレックス・ゲレーロ選手について評価・総括しました。

さらに山田さんは、外国人選手との契約交渉の仕方について話しました。外国人選手、あるいはその代理人に、球団に残ってくれる秘策を公開します。
聞き手は若狭敬一アナウンサーです。

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オープン戦は打たせて弱点を探す


1年目は苦しんだゲレーロ選手は、その後ホームランを量産しました。山田久志さんはこう分析します。

「彼のメジャーの成績、そしてメジャーの立ち位置を見ても、やっぱりバリバリのメジャーリーガーですよ。このくらいやって当然と言えば当然。でも一番の彼の誤算は、オープン戦で打ち過ぎたってことですよ。
ペナントレースが始まったら、セリーグの各チームは、ゲレーロに対しての攻め方をわかってましたからね」

プロ野球の奥深さです。オープン戦で気持ちよく打たせておいて、しっかりウィークポイントを把握していたのです。

ゲレーロはインサイドが苦手


若狭アナがゲレーロ本人を直撃すると、日本でいいピッチャーは、ジャイアンツ菅野、カープ野村という名前が出ました。
インサイドにシュートボールを投げるピッチャーが、かなり印象的なようです。

「前かがみの、彼のバッティングフォームを見たら、インサイドは苦しいよね。どっちかと言ったら、ローボールヒッターだからね。ローボールヒッターは、外へ逃げていく甘いボールは好きだけども、それかちょっと真ん中よりの高め。あの辺は好きなんですよ」

真ん中高めと、インコースの高め。同じ高めでも違うんですね。

「違う。距離が取れるところは大丈夫。自分の身体に近いところは、速いボールが来たら腕が間に合わないから細工ができない」

「ところが真ん中だったら、ほんの10センチ20センチの差だけど、手が動く。手が動くということはバットも動くということ。バットの先を使えるから、ああいうパワーのある人は持って行く」

ゲレーロのバッティングの秘密


ゲレーロはホームランバッターの割には、打撃ポイントが前だそうです。

「あそこまで前に出て行きながら、打球を上げれるっていうのは、やっぱりバットの角度と、起き上がらないことですよ。上に上げに行かない。アッパースイングで担ぎ上げるって言う様なイメージではなくて、コンと当てた割りにさばいてる感じがする」

「そうなんですよね。一瞬、泳いだのかな?と思いきや、玉が上がる」と若狭敬一。
これを聞いた山田さん「ああ、良い表現だね。そういう解説を私もしたい」と答えます。

「少し前に出て、バットが後から来て、振り切ったら打球が上がってるっていう珍しいバッターですよ」

外国人選手は、振り上げに行くから、ゴロになるそうです。
ところがゲレーロ選手の場合は、身体が起き上がってこなくて、そのまま振り切るから打球が上がるということです。

ゲレーロを引き留めるには金


他球団も狙っているという噂のあるゲレーロ選手。来年もドラゴンズのユニフォームを着てもらうために、引き留めのコツ、タイミングなどはあるんでしょうか?

実はゲレーロ選手の年俸、今年に限ってはドラゴンズと彼が前所属していたアメリカの球団から、ほぼ折半で払われています。ドラゴンズはそんなに身銭を切っているわけではなかったんです。

もし来年も頑張ってもらうなら、その金額を果たしてドラゴンズが出せるかどうかです。単純計算でも倍かかります。

「我々、その金額を聞いて驚いたんだけれども、かなりの金額です。ただそこは折り合いでね、もし残ってもらうなら、これでやってくださいという条件を、もうドラゴンズは出してると思います」

外国人選手の場合は、すでにシーズン中から来期の契約交渉をしているそうです。

「誠意を見せるということですね」と若狭。
「そうそう。良い言葉だな。誠意」とまたも、若狭の言葉に感心する山田さんです。

「球団としては、あなたは絶対必要な戦力です。 って、外国人の場合は早ければ早いほど良いわけ。もうオールスター明けでもいいわけ。そうすると、もの凄く頑張ってくれるし、チームに溶け込もうとする」

代理人も一緒に攻めろ


そして、代理人に対しても言及する山田さん。

「外国人選手には必ず代理人(エージェント)が付いてるから、まず呼んで、日本の美味しい肉を食べさせる」

若狭も思わず苦笑しつつ、過去のインタビューを思い出します。

「ゲレーロ選手に取材すると、日本で一番おいしかったのは、和牛だと話してたんですよね」

「そうだろ?特に神戸の肉を食べさせて。神戸牛を食べさせて、高級なワインを飲ませて。代理人も一緒に。こんなに君を必要としてるんだって言うことをアピールする。ゲレーロもこの肉は高いんだってわかりますから」

小松辰雄さんも、依然こんな話を披露していました。
かつてチャーリー・スパイクスという外国人がいたんですが、神戸の肉に、ほっぺた落として、もう食べるわ食べるわ…結局、お腹を下してしまったそうです。

ちなみにスパイクス選手は、1981年にドラゴンズに入団したものの、これといって活躍することなく、同年退団しました。

ドラゴンズはのんびり傾向


オリックスのステフェン・ロメロ選手は、早々に決めました。
神戸が準本拠地だから、神戸牛が食べやすいから?というか、ドラゴンズがのんびりしているようです。

「その傾向はありますよ。だから、よくオフに揉めるじゃん。だから、絶対離したらいかんという選手は、早め早めにいかなくちゃいけない」

ただ早く契約すると、不振で打率が低迷する選手もいないことはないですよね。

「それも言える。そして今度、その選手が残ることによってドラフトが変わってくるから。チームを預かる方は、これが難しいんです」

来季のチーム構想はこうして決まる


「例えばゲレーロが来年残れば、レフトのポジションは怪我とか故障がない限りやりますよ。大島がいるし、平田が帰ってくると外野は出る幕がない。となるとサードかファースト。元気ならビシエドも守ってもらわなくちゃいけない。で、サードは今年ブレイクした福田」

そうなると外野手や、長距離砲の内野手は、あまり要らないってことですかね?

「そういうことだね。じゃあ何が要るかっていうと、ピッチャー。先発できるピッチャーをドラフトとか、トレードで獲ろうということになる。このように、外国人選手が決まることによって、チームの作り方が変わってくるということですよ」

来季の構想は、外国人から始まるんですね。そして良い外国人選手を獲る、引き留めるには肉を食わせる。それも神戸の肉を、ということでした。
すでに帰国したゲレーロ選手ですが、誰か神戸牛を食べさせた人はいたのでしょうか?
(尾関)
若狭敬一のスポ音
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2017年10月07日13時16分~抜粋

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