戸井康成の木曜スクラッパー

巨星墜つ!アントニオ猪木さんの言葉の魔術を戸井康成が語る。

1日土曜日、元プロレスラーで元国会議員のアントニオ猪木さんが心不全のため79歳で逝去されました。

圧倒的な知名度を誇る国民的スーパースターで、数々の伝説を残された猪木さん。
自他共に認める”猪木信者”の戸井康成が、語り継がれる「燃える闘魂」の魅力や功績を存分に語ります。
10月7日放送のCBCラジオ『戸井康成の金曜スクラッパー』より。

(写真提供:戸井康成)

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同世代の男はみな深いショック

戸井「60分では足りなくて、5時間でも6時間でも。そういうわけにもいかないんで手短にね」

長年のファンだけに、語り足りなくなるのを見越している様子の戸井。
猪木さんには過去三度お会いし、そのうち二度、闘魂注入された経験があり、自身のFacebookでも哀悼の意を示しています。

戸井「ずいぶん経つんですけど、どこか気持ちが落ち着かないというか。何を話していいか、わからない…」

同世代の男はみな、深いショックを受けていると戸井。
猪木さんは振り幅が魅力で、大なり小なり試合を観たことのない人はおらず、確実に影響を受けているといいます。

”デタラメ”なところも猪木さんの魅力だと言う戸井に、キョトンとする小林。
イチから説明すると大変なため、戸井はかいつまんで説明することに。

戸井「プロレスという特殊なスポーツを説明しないと始まらないので…」

プロレスと他の格闘技の違い

戸井によると、ボクシングや空手などの格闘技はダメージを受けないための”防御”がポイント。
一方、相手の技を”受ける”のがプロレスの見せ場だそう。

小林「技を受けるって言いますよね」
戸井「『避ける、よける』格闘技と『受ける』プロレス。真逆のことを一緒にしようとしたのがアントニオ猪木」

また、普通の格闘技では最強のチャンピオンが人気を得ますが「プロレスは違う」と戸井。
強いレスラーは山ほどおり、むしろ猪木さんは弱い方だったというのが戸井の見解です。

戸井「そこら辺が難しい」

佇まいにロマンがあり、カメラの位置をちゃんと意識して技をかけていた猪木さん。
どうすれば相手の苦しむ顔が映るか、自分が燃えている感じが出るのか、計算していたそうです。

敗戦の美学

戸井「しかも大事な試合に限って負ける!」

旗揚げした新日本プロレスの初試合(カール・ゴッチ戦)で負けたり、あのモハメド・アリ戦をはじめ、鳴り物入りの試合で引き分け。

極め付きは、自ら数年越しの夢でIWGPという王座を作ったものの、初めての大会で"超人"ハルク・ホーガンにまさかの失神KO負け。
強烈な印象を残し、語り種は尽きるところがありません。

戸井「負けっぱなしなわけよ」
小林「結果だけ見たら、えーって感じですね」

勝敗だけで終わらせなかったからこそ、多くの人の心を掴んだのかもしれません。

数々の名台詞と言葉の力

最低限の筋書きがあるというプロレス。

その予定調和を簡単に裏切る猪木さんを見て「まるでファンタジーとリアルを行ったり来たりしていた」と表現する戸井。
遺恨試合を仕立てたり、自らのプライベートをストーリーにしたり、とにかくプロデューサーとしての手腕がずば抜けていたそう。

戸井「それと”言葉”を持ってる」

「元気ですか!」「バカヤロー!」「1、2、3、ダァー!」の3つの有名な台詞は万能と戸井。
さらに「10年もつ選手生活が1年で終わるかもしれないけれど、ファンに対してやる義務がある」という名言も。

類まれなる言葉の力によって、ファンを振り向かせてマスコミを操り、弱小団体を視聴率25%の人気ソフトにした天才だと絶賛する戸井。
「不世出のプロレスラー」と最大級の賛辞を贈ります。

「今まで闘魂と幸せをありがとうございました。謹んでご冥福をお祈りいたします」と締めくくる戸井でした。
(nachtm)
 
戸井康成の木曜スクラッパー
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2022年10月07日21時14分~抜粋

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