お坊さんがお経を読む時に使う仏具、木魚
実は日本では
愛知県でのみ生産されているんです
その中でも愛知県愛西市の
市川木魚製造所は
唯一お寺の木魚を専門に作る工房なんです
玉斎 3代目 木魚職人の
市川幸造さんにインタビュー
もともとは中国で作られており
日本には400年ほど前に伝えられ
その後東京や京都に木魚職人が大勢いたそうですが
それが今は愛知県だけでしか作られていない
というのも
東京や京都など他の地域では
安価な中国製や外国製に押されたこともあり
後継者が途絶えてしまったから
尾張地方はもともとお寺の数が多く
仏壇・仏具産業が盛んだったため
最後の産地として残ったんだとか
その中でも市川木魚製造所は
唯一のお寺専門の木魚工房
年間15~20個を製造します
少ないと思われるかもしれませんが
お寺専門というのとで大きい物や
高価なものを手がけているからなんです
ちなみに木魚の作り方はというと・・・
木から作った丸太を2・3年間寝かし
その後、木魚の形に成型します
さらにそこから5~10年間乾燥させて
注文が入ったら最終調整で表面の装飾を彫り
音の調律を行います
工房の2階には
大中小400個程が乾燥中です
そしてこだわりはなんといっても音
木はそのまま叩いても
「カンカン」とか「パカパカ」という音しか出ず
「ポクポク」という独特の音になるのは
共鳴板という内部の特殊な構造によるもの
まさに職人技が生みだす音なのです
そして大きさによって音も変わるという事で
中継では一般的な家庭の木魚と
お寺の木魚、直径39cmと54cm
それぞれの音を聞き比べ
えええええぇえぇぇ
全然音が違う
39cmは丸みがあって優しい音
54cmはずっしりと深みのある音
放送を聞き逃した方は
是非ともラジコのタイムフリーで確認してください
このように全然大きさによって音が違うんですが
実は工房では現在・・・
直径3尺(90cm)もの大きなものを製作中
彫りだす前は直径160cm程のもので
20年に1度作るかどうかという代物
もちろんこの大きな木魚も
彫り終わった後は
10年間しっかり乾燥させます
10年後もこのポクポクという音を守り続ける事が
自分たちの仕事だ
と語って下さいました
優しい暖かみのある木魚の音
今後も独特の音を守り続けて下さいね
レポートドライバー 清水藍