東山動植物園にて、2月初旬に、新しく仲間に加わったアミメキリンがいます。
アメリカから日本に来たそうですが、どうやら、長旅だったらしく・・・
お引越しの大変さと、人間関係ならぬキリン関係について伺いました。
はじめまして、アメリカからきたアミメキリン!

アミメキリン担当飼育員 渡邊敬一さんにインタビュー
(後ろにはメスのマオちゃん。渡邊さんが呼んだら来てくれました。ありがとう!)
陸上で最も背の高い動物、キリン。
アミメキリンは、国内の動物園でよく見かけることのできるキリンの仲間です。
体の模様が網の目のように見えるのでこの名前がついているそうですよ。
意外にも時速50kmで走ることができる俊足の持ち主。
東山動物園には2頭のキリン(オス/トリノ13歳・メス/マオ11歳)がいます。
もともと、オスのトリノとメスのマオの間には3頭の子どもがいました。
2013年に生まれたメス(メイ)は京都市へ、2015年に生まれたオス(ジュラ)は福岡市へそれぞれ行き、昨年生まれたメスはすぐに亡くなってしまいました。
こうした国内での繁殖のためのやりとりは盛んに行われていますが、もともと、キリンは国内全体で繁殖数が少ないことや、新しい血統を入れることも必要なため、昨年12月にアメリカから1頭迎え入れることになったそうです。
その新しい仲間が、アメリカ・オハイオ州からやってきたメスのキリン。

オハイオにあるワイルドアクレスランチ&ペッティング動物園で生まれた個体です。
只今1歳9カ月。キリンの寿命は30年。まだまだ子供な新入りちゃんです。体形も大人に比べて二回りも小柄でした。

左が新入り。右が11歳のマオちゃん。親子のような体格差ですね。
のんびり歩いて、尻尾を振りながらエサを食べていたりと、リラックスしている様子が伺えました。
そんなこの子がアメリカから日本にやってきた。
これはパスポートですんなり海を渡れた話ではありませんでした。
飛行機での移動!
アメリカから日本への移動手段はなんと飛行機!
船では時間がかかり過ぎるそうです。
とは言え、飛行機ですぐにやってきたわけではなく・・・。
まず動物園から移動し、40日間アメリカの検疫所で暮らします。
その後、動物園で手作りされた木箱に入って飛行機で13時間移動し、日本へ。
木箱の大きさは高さ約3mの、キリンが一頭立って動けるか、動けないかほどの広さ。動いて怪我をしないようにというキリンへの配慮です。
さらに横浜にある検疫施設で14日間過ごして、やっと検疫を通過し、トラックで横浜から名古屋へ・・・昨年12月10日に東山へやってきました。
移動に約2ヶ月かけた大移動です。
女の戦いは、キリン界でもあるのか??
その後も、スムーズに公開に至ったわけではありませんでした。
知った仲間や人間がいない環境に慣れさせるため、少しずつ環境に慣らさせていく必要がありました。
飼育員の皆さんは、「自分たちは害がないよ」とわかってもらうため、歩み寄ってくれるまで待ちの姿勢。
キリンの近くで雑談をするなど、近くにいても害はない、というアピールをしてきました。
その甲斐あり、今では渡邊さんが「おーい!」と呼ぶと・・・

ひょっこり!こちらに歩いてくるんです。
段々と人との距離を縮めている新人キリン。
しかし、もう一つの懸念が、「人間関係ならぬ、キリン関係」。
「ずっと2頭でいたのに、若いメスが来ちゃって、マオちゃんはヤキモチ妬いてないの?」と丹野さん。
渡邊さんが一言で返します。「あの子、気にしてないですよ」。
エサも一緒に仲良く食べていました。

日本に来たばかりの時は壁を感じていましたが、徐々に壁もなくなって、心を開いてくれている新しいキリンちゃん。
エサもしっかり食べており、今後は、オスのトリノとのペアリングも期待されています。
只今、名前募集中
現在、このアミメキリンの名前を公募中です。
3月3日まで、園内にある応募用紙に名前を書いて応募してください。

上位3つの候補を「最終候補」とし、3月21日のイベントで、その場で3つの候補から来園者が名前を決めることになっています。
来園し、名付け親になってくださいね。
首をなが~くして、待っています。
「東山動植物園」
名古屋市千種区東山元町3-70
TEL 052-782-2111
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