レポドラ日記

1個8000円!?伝統ある美濃加茂市の干し柿

岐阜県美濃加茂市にある蜂屋町に行ってきました。
山と田んぼと一軒家が広がるのどかなこの地域には、特産の「堂上蜂屋柿」という干し柿が出荷目前で、生産が佳境に入っている、ということでお邪魔してきました。
どうやら高級だそうで・・・。

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地名を作るほどの美味さ




「美濃加茂市堂上蜂屋柿振興会 会長」の三輪宣彦さんにインタビュー

堂上蜂屋柿は、千年以上前から作られている伝統の干し柿。
平安時代から朝廷に献上されていたほど、昔から高価なものとして扱われてきたそうです。

「堂上」とは、昔の天皇のそばにのぼることが許された位の高い家柄のことで、そのような偉い人たちに献上してきたことから、干し柿には「堂上」という名前がつきました。

「蜂屋」は、源頼朝が生みの親。源頼朝がこの干し柿を食べた際、「蜂蜜のように甘かった」と評価。そのことから、この柿の名前とこの地域の名前が「蜂屋」と名付けられました。

堂上蜂屋柿は地名を作るほどの甘さを持っている、ということですね。


堂上蜂屋柿の特徴は、一般の干し柿とは違い、黒ずみがなく、生っている柿のように鮮やかな色をつけていること。



また、白い粉がふいていること。




見た目から一般の干し柿と違う分、やはり作り方にも特徴があるのでしょうか?
 

職人じゃないと作れない干し柿でした


堂上蜂屋柿は、「堂上蜂屋」という品種の渋柿を使用します。

この柿が両掌でやっと収まるほどの比較的大きな柿。
生産する際、一本の枝に1個の柿しか残しません。栄養が全てその柿にわたることで、その大きさが実現しています。

さらに柿の形が四角形なので、機材で剥くことが難しく、全て手作業で剥きます
今日お邪魔した場所には1万個以上の柿がありました。



それら全てを手で剥くとは・・・干す前から手間がかかる伝統の干し柿。


干す際は、干しっぱなしではなく、10時に干し、15時に取り入れます
黒くならず、発色の良い干し柿にするためには必須
雨粒に1つでも当たらないよう細心の注意を払っているそうです。


干している間は、「手揉み」を行います。
柿が大粒な為、中の水分を乾かすために、柿を揉んで柿の中の水分を均一にする作業です。



揉みが強いと柿が潰れるし、弱いと水分が均一にならない・・・満足にできるようになるには、10年は必要だそうです。まさに職人技。

さらに、箒で柿の表面を掃いて、白い粉をふかせます



箒でわざと柿に傷をつけ、蜜を出し、乾燥させたものが白い粉になります。
粉が綺麗についていればいるほど甘味の深い干し柿になるんですね。
もちろんこちらの技も力加減が必要なので、職人技。


このような作業をしながら40日かけて干して、やっと堂上蜂屋柿が完成します。
高級と言われる所以はその手間にもあると実感しました。

 

ジャム!?初遭遇の濃厚な甘さ


手間暇かけてできた堂上蜂屋柿は「高級な干し柿」と言われています。
1番安いもので1個500円。1番高いと8000円!



なんと特別に頂きました。

ヘタを取って縦に割くと・・・・



中の実は甘くてとろーり!

食べてみるとまさにジャム。
ねっとりとしていて舌に濃厚な甘い柿が絡みついてきます。

”甘ったるい”ではなく、”純粋な濃厚”。
ちょっとずつ味わいながら永遠と食べていなくなります。

さすが朝廷に献上されていた干し柿。
なんだか高貴な気持ちに・・・。


こちらの堂上蜂屋柿は12月1日から予約販売が開始され、約7千箱を販売予定です。
しかし、なんと、販売開始からわずか4日で完売!

販売初日は朝8時半からの営業でしたが、朝の3時に並んでいた方もいらっしゃったとか・・・。


年明けに少数販売するかもしれないそうです。
欲しい!という方は1月4日にJAめぐみの蜂屋支店へお越しくださいね。



実際に頂いた私。これから毎年、寒さが厳しくなるこの時期、きっとこの高級な干し柿に思いを馳せることとなるでしょう。

 
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