RADIO MIKU

ユリイ・カノン、最近のボカロシーンに「居場所を探しています」

クリエイターのユリイ・カノンさんが、3月16日放送のCBCラジオ『RADIO MIKU』に出演しました。

2月26日に「月詠み」(つくよみ)名義でリリースしたミニアルバム『それを僕らは神様と呼ぶ』について、清水藍が尋ねます。

[この番組の画像一覧を見る]

GUMIの調声に苦労

ユリイ・カノンさんの出演は2024年10月6日放送以来二度目。

清水「前回のインタビューの中で『2024年中に1曲か2曲くらいなら、ボカロ曲の投稿もあるかな?』って仰ってたの、覚えてます?」

ユリイ・カノン「そうですね、見切り発車でした」

放送直後、2024年10月18日に36作目となる「シンギラ」(リイ・カノン feat. GUMI)を投稿。GUMIは人間っぽい歌声を作れることで知られるSynthesizer Vを使用したそうです。

ユリイ・カノン「打ち込んだ段階ですごく完成されているというか。ここからどういう風にいじればいいんだ?と逆に難しくて。
歌がリアルで、自分が昔作っていた人間離れしたような雰囲気を求めると、逆に浮いちゃうんじゃないかと思いました」

工夫した点としては、自分の頭で歌っていたものを再現してもらいたくて調声を加えたとのこと。結果的にユリイ・カノンらしいGUMIに近づいたそうです。

ボカロシーンに思うこと

2015年11月26日「あしたは死ぬことにした」の投稿以来10年間活動してきているユリイさん。最近のボカロシーンはどう映っているのでしょうか?

ユリイ・カノン「こどもの頃からずっとボカロの流れというか、変化を見てきたんですけど、今はどんな流れの曲が来るのかとか本当に読めなくて。

印象としてはポップなものなのかなと思うんですけど、自分は暗い曲ばかり作っているから肩身が狭い。居場所を探しています(笑)」

清水「私はユリイさんのような曲が刺さるタイミングもあると思うので、明るすぎるのも変だし、最近は振り切ったネタ曲も増えてきてますけど。ごちゃごちゃ感、カオス感は増してきているのかもしれない」

ユリイさん曰く、アレンジが工夫された楽曲が増えたと感じているとのこと。意表を突かれることもあるそうです。

一度はリリース延期も

2月26日、月詠み名義でリリースしたミニアルバム『それを僕らは神様と呼ぶ』は、パッケージ版はCDと小説(文庫本)のセットとなっています。
一度は昨年12月発売とアナウンスされましたが、前月にリリース延期が発表されました。

なんとか完成させた後で「あれも描きたかったな」との思いも残ったそうで、「次の創作につながるものになった」とのことす。

おおまかなあらすじは、人が死ぬ予知夢を見る阿形千春と、そんな千春により学校の屋上から飛び降りようとするところを阻止されて出会った宇栄原照那の2人でメインストーリーが展開されます。
自分の死期を悟った時、人はどう生きるのか?人間の信念に訴えかける物語です。

作りたい曲が増えた

清水「一曲ずつ動画を投稿するスタイルと違って、アルバム、そして続いていく物語を完結させるという意味では、相当体力を使った作品になったのではと思うんですが」

ユリイ・カノン「2024年はほとんどこれのことしかほぼやっていなかったくらい、ずっとやっていました。
話を考えた時点で、最後まで構想は完成しつつも実際に書き起こしていく作業と、書いてるうちに『もっと書かなきゃ』みたいなのが増えて、勝手に苦しんでたところもあります」

小説の内容が変われば楽曲も変わります。楽曲で苦しんだのが、小説とリンクさせつつ歌にしていくことが難しいと改めて思ったそう。
楽曲と小説、2つの軸があるがゆえの苦しみだったようです。

このリリースの延期が発表された際にユリイさんは「作りたい曲が増えたから」とコメントしていますが、その曲が「心燃ゆ」と「夜明けのラズリ」だったことを明かしました。
ここでしか聴けない濃厚な話題が盛り沢山となりました。
(葉月智世)
 
RADIO MIKU
この記事をで聴く

2025年03月16日19時01分~抜粋

関連記事

あなたにオススメ

番組最新情報

×