ずっと変わらない「らしさ」
この日最後の曲に清水が選んだのは、「ポジネガ*ミステイカーズ」(sasakure.UK feat. 初音ミク)。
sasakure.UKさんは2007年からニコニコなどでボカロ楽曲を発表し続けており、音楽のみならず映像も手掛けている著名ボカロPのひとり。
ゲームサウンドなどチップ・チューンを取り入れたサウンドが特徴でもあり、この「ポジネガ*ミステイカーズ」もらしさにあふれた1曲。
そして歌詞には、ポジティブとネガティブ、正解も不正解もひっくるめてすべての自分を愛せたら素敵だ、というメッセージが込められています。
清水「楽曲を聴いていたり、MVをみていると、音や演出面も含めていい意味ですべてがあの頃と変わらないsasakure.UKさんらしさだな、というのはありがたいなとつくづく思いますね」
この曲は2023年に投稿された曲ですが、セガから発売されているゲーム「初音ミク -Project DIVA- f」に提供された「ネガポジ*コンティニューズ」の投稿から10年を記念して作られた楽曲でもあり、もう一つのストーリーを書き下ろした曲です。
清水が話した「あの頃」とぶれないsasakure.UKさんのすごさを称えます。
活動し続けてくれるボカロPに感謝
清水によれば、このような10周年を記念したアレンジ曲は、最近ニコニコ動画ではよく見られるようになっています。
先月には、「白い雪のプリンセスは」という曲のリアレンジ版をのぼる↑さんが投稿していました。
「ボカロPが10年経ってまたアレンジしたり、記念楽曲を投稿したりしてくれることは、決して当たり前のことではないということを伝えたい」と強調する清水。
清水「ずっとそのボカロPがいるからこそ、こういうアレンジし直したり、別のストーリーの曲が生まれたりしてくると思うんです。だって10年も経っていると、ボカロシーンを離れていく人の方がきっと多いはずなんです」
もちろんどうしてもボカロシーンから離れざるを得ない事情もあり、最悪の場合、存在そのものがいなくなってしまうという可能性だってあると続けます。
楽曲を作り続けてくれていて、リスナーから愛される限り「これからもこの文化を守り続けていきたい」と決意を表明する清水。
東海地方はボカロPの一大産地?
この曲には福島県のリスナーからのリクエストが届いていました。
「私が住んでいる県出身のボカロPがいることを知り、びっくりしたのでシェアしたいと思います。ここにもボカロPさんがいたなんて!」(Aさん)
清水「我が愛知県で言いますと、ねじ式さん、まらしぃさん、鬱Pさんもいますよね。東海地方に広げると、三重県は小林オニキスさんがいらっしゃいます。岐阜は豊作ですよ?halyosyさん、n-bunaさん、なきそさん、kemuさん(堀江晶太さん)、すごいですよね」
ちなみに、過去にはなきそさんが自身のXで「ボカロPは岐阜でよく獲れる」という発言をしていたそうで、それを見た清水も「なるほど」と納得したとか。
ボカロPには出身地などプロフィールを非公開にしている方も多いですが、共通点が見つかるとリスナーも嬉しくて親近感を抱くのでは?と締めくくりました。
(葉月智世)