RADIO MIKU

最高のマニュアル車?ねじ式&たかぴぃが語る、原点「MEIKO」の魅力

ニコニコ「ボカコレ」をきっかけに、新たにボカロPとなる人が増えています。

そんな中ボカロPとしてデビューして10年を迎えたベテラン、ねじ式さんが、11月17日放送のCBCラジオ『RADIO MIKU』に出演し、最近の仕事ぶりについて語りました。

聞き手は清水藍と斉藤初音アナウンサーです。

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10年で変わったボカロ界隈

2022年3月まで放送された同局の『RADIO MIKU EX』の「ボカロPへの道」コーナーで、清水藍に『初音ミク』の使い方や作曲についての講師を務めてきた、準レギュラーのねじ式さん。
『RADIO MIKU』には半年ぶりの登場です。

まずはボカロPデビューからの10年間を振り返ります。

ねじ式「ボカロシーンもいろいろ変わってきて、いろいろなクリエイターも出てきましたけど、クリエイターが作曲して聴いてもらう場になってきたことを実感してます。
これからももっと活動していきたいし、ボカロシーンを盛り上げていきたい」

清水「ねじ式さんがデビューした2013年から、今年までの移り変わりって激しかったですよね?」

有名どころでは、ハチこと米津玄師さん、バンド「ヨルシカ」のコンポーザーを務めるn-bunaさんなど、ボカロPとしての活動履歴を持ちながら、ボカロの枠を超えて多くの人に曲を聴いてもらえる人が出て来たことを挙げます。

同時に即売会のムーブメントが下支えして、ボカロPとリスナーを繋げている構図はずっと変わっていないといいます。
幅広い土壌の広さこそが、ボカロ界隈の面白さではないかと分析します。

近年若いファンが増えた理由として、スマホゲーム「プロジェクトセカイ カラフルステージ! feat. 初音ミク」の存在も大きいと語る清水。
送り手のボカロPのみならず、聴き手の人口も確実に増えています。

別名「デモソングP」とも呼ばれる理由

活動10周年記念アルバム『Noir』『Lumiere』をリリースしたねじ式さん。

ねじ式さん「自分の代表曲を、男性の歌い手さんと女性の歌い手さんに歌ってもらうという企画盤を2枚同時リリースしました。
ボカロPとして活動して、音声合成ソフト…たくさんのキャラに救われてきたんですけど。同じくらい自分の曲を歌う歌い手さんにも、自分の楽曲を愛してもらって、このシーンが盛り上がってきたと思ったので」

バーチャルシンガ―の開発元であるクリプトン・フューチャー・メディアなどが歌ってくれる、聴いてくれるという文化を大切にし、ニコニコを中心として「踊ってみた」「歌ってみた」「演奏してみた」など、みんなで楽しめるシーンがあることが、一番素敵なことではないかとのこと。これからも続いてほしいといいます。

清水「ねじ式さん、いろんな開発に協力されて、デモソング制作もされてますよね」

YAMAHAのVOCALOID以外にも、さまざまな歌声合成ソフトでデモソングを制作することから、最近では「デモソングPと呼ばれることもある」と苦笑するねじ式さん。

新しいモデルが出ることが決まると「また、ねじ式が出るんじゃないか?」とまで言われるようになったと続けます。

最近気になっているおすすめ曲とその理由

最近、DJとしても活動するねじ式さんおすすめの楽曲は「余裕欲」(稲葉曇 feat. nagiβ & カゼヒキβ)。

ねじ式さん「リアルだけど、ボカロのテイストも残っていている声、あとおしゃれなんだけど熱量も感じられるというか、じわじわ胸が高鳴ってくるような熱量を感じていて。稲葉曇さんの曲はこういうのが多い」

稲葉曇さんの楽曲はDJで積極的にかけることが多いとか。

リスナーが増えたことにも比例し、新しいバーチャルシンガーが次々と登場しています。
ねじ式さんは「選択肢が広がった分、自分がどんな音を表現したいか、どんな質感を伝えたいかをイメージする力が重要なのではないかと考えている」と語ります。

神調声師が語る原点・MEIKO

一方でねじ式さんは最新曲「業火」では、最古参のバーチャル・シンガーMEIKOを大々的にフィーチャーしています。

MEIKOの調声は、ねじ式さん同様に番組との縁が深く、「神調声師」として知られるボカロPのたかぴぃさんが担当。
ねじ式さんが調声を依頼したのは、今年の夏の『マジカルミライ2023』のクリエイターズ・マーケットの場だったそうです。

ここで、そのたかぴぃさんが電話で登場。
MEIKOについて「最近の合成音声キャラクターに比べると、テクノロジーの介入が少ない子なので(調声は)難しいんですよ」とその難しさと「クリエイターの表現力がそのまま出やすい」とその魅力を語ります。

これを「最近の合成音声はオートマ車で、MEIKOさんは最高のマニュアル車」と例えたねじ式さん。
「業火」については、ねじ式さんからの「グロウル(MEIKOにはない機能)みたいな歌い方を」といった注文にも応え、喉を締めるような調声をしているたかぴぃさん。

このように人間の喉の動きをシミュレーションした、MEIKOの他では聴けない歌唱が披露された「業火」。ぜひお聴きください。
(葉月智世)
 
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2023年11月18日00時02分~抜粋

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