ニコニコが半年に一度開催するボカロ楽曲の祭典『The VOCALOID Collection』(以下、「ボカコレ」)は、回を追うごとに投稿楽曲が増加しており、音楽ファンにとっても注目度の高いイベントとなっています。
5月26日放送のCBCラジオ『RADIO MIKU』には、ボカコレのルーキー部門で目覚ましい成長を見せている、ボカロPの雨曇(あまぐもり)さんが出演。
清水藍と斉藤初音アナウンサーが楽曲制作の裏側について尋ねました。
「ボカコレ2023春」で12位
雨雲さんは2021年10月14日に「ボカコレ2021秋」のルーキー部門で「愛してくれ」を初投稿。同部門26位/TOP100で47位(当時はルーキー/TOP100へ同時エントリーできた)という記録を残しました。
その後も「ボカコレ2022春」では「先生、いいですか。」がルーキー19位/TOP100で34位とランキングの常連になります。
さらにデビュー1年で臨んだ「ボカコレ2022秋」に投稿した「窓の魚」はルーキー38位。
今年3月の「ボカコレ2023春」では、最新作「夜が巡る」がルーキー12位で自己最高順位となりました。
雨雲「もともと目標にしていた『ルーキー15位以内』っていうのを達成できたということで、皆さんが思っている以上にすごく喜んでいます」
曲の裏にあった生みの苦しみ
ボカコレ投稿では4曲目となる「夜が巡る」は、どのような気持ちで臨んだのでしょうか?
雨曇「今回のボカコレ(2023春)が、僕が今まで参加してきた4回の中で、一番気合を入れて、気持ちを込めて臨んだボカコレでして」
その裏に「暗い出来事があった」と切り出す雨曇さん。
雨曇「2022年春に『先生、いいですか。』を投稿した後、精神的にちょっと落ち込んじゃって、まったく音楽を作れなかった期間が半年ほどあって。
その後(2022年)秋のボカコレに何とか投稿できたんですけど、ランキングは結構落ちちゃって。
このままだと、応援してくれているリスナーの方々に顔向けできない気がするなって」
そして半年間ずっと「ボカコレ」のことだけを考えて投稿したのが「夜が巡る」ですが、楽曲のコンセプトやテーマは決まっていたのでしょうか?
雨曇「宇宙や夜がテーマになっているものがすごく大好きで。自分も『いつか、そういうものを作りたいな』とずっと思っていたんです。
いつ作るか考えた時に、自分にとって大事な機会にしようと思っていたので。今回持ってきました」
感情が揺さぶられ、ギター音に心えぐられる曲を推薦
雨雲さんには「ボカコレ」で多くの経験を得て、リスナーとの繋がりが強いクリエイターという印象を持っているという清水、最近気になっているボカロ曲について質問します。
雨曇「saikawa feat. 可不の『ふーせん』ですね」
この曲は5月初旬に投稿されたばかり。
「ボカコレ2023春」以降に聴いたボカロ曲の中で、ダントツで好きな曲だとのこと。
雨曇さんの中で「いい曲だと思う条件」は聴き手の感情が動くことだそうで、このSaikawaさんの曲は、理屈がわかっていなくてもなぜか心が揺さぶられるとのこと。
この曲を歌うバーチャルシンガーは可不。雨曇さんも使っていますが、Saikawaさんの可不は、息をのむような歌い方をしていてとても感情的だと思っているそう。
さらに鋭い金属音のようなギターサウンドに心がえぐられると絶賛します。
ちなみに雨曇さんは、今年8月開催予定の「ボカコレ2023夏」に向けて準備中。
ルーキーの資格は今回で最後となるため、気合が入っているとのことです。
(葉月智世)
RADIO MIKU
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2023年05月27日00時02分~抜粋