RADIO MIKU

赤いMEIKOに青のイメージを注入したボカロP・アオトケイ

クリプトン・フューチャー・メディアから2004年11月5日に発売されたバーチャルシンガー第1号のMEIKO。

「ラムネイドブルーの憧憬」をはじめMEIKOをフィーチャーした楽曲を作り続けるボカロP、アオトケイさんが、2月26日放送のCBCラジオ『RADIO MIKU EX』に出演しました。

2回目のインタビューとなる今回は、曲作りの方法やMEIKOの魅力について清水藍が尋ねます。

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メロディと歌詞は同時

アオトケイさんは曲作りの際、何から始めるのでしょうか?

アオトケイ「まずコード進行から始めますね。もともとやっていたギターで適当にコードを弾いたりとか…今ではピアノとかが多いですけど。コードを弾いてから合いそうなメロディを書いてみたり、そこから他の音を加えていく形で曲を作っていきます」

ご自身で「他のボカロPと違うところだと思う」と分析したのは、歌詞を書くタイミングが曲作りと同時だという点。

これまで番組に出演したボカロPは、歌詞を書いてからメロディを作る、または逆にメロディができてから歌詞を書くパターンが多かったのですが、アオトケイさんはAメロができたらAメロの歌詞、次にBメロのメロディを作ってBメロの歌詞…という形だそうです。

こうした手法をとる理由についても尋ねる清水。

アオトケイ「その部分を作っていく時に、自然と降ってくるので。降りた瞬間に何でもいいからすぐ書くようにすると、自然と繋がっていくんですよ」

Aメロを書いている時にはサビや他の部分のことは一切考えていないものの、その場その場で思いついた言葉を見ていくと、いつの間にか歌詞ができあがっているとのことでした。
 

青色の原点

アオトケイさんの楽曲を聴くと、景色や色が見えてくるという清水。
最初から「今回はこの色だ」「この空だ」と決めてから曲を作り始めるのでしょうか?

アオトケイ「決め打ちで曲を作り始めますね。曲を作る前に外に出て『どういった景色の曲を作ろうかな』と考えたり、今のご時世で外に出れないときはTwitterでリスナーさんに『青い画像をください』ってもらってから、画像からイメージをインプットして曲を作っていく感じです」

地域や時間帯・季節によって青色の違いや良さがあると考えているアオトケイさん。
暖かい沖縄なら真っ青、昼ではなく夕方の青、夜の藍色など、「こういった曲にしたい」とイメージして曲作りしているそう。

実はアオトケイさん、以前Twitterで「僕のイメージは季節だとなんですか?」とアンケートをとったところ、9割以上が夏だったと明かしました。

アオトケイさん自身も8月生まれ。こどもの頃、釣りなどに連れて行ってもらった時に見た海や空を眺めているうちに、自然と青色が焼き付いていたのかもと分析していました。
 

青空の下歌う太陽のMEIKO

毎年開催されているイベント『マジカルミライ』では、観客がサイリウムをバーチャルシンガーのイメージカラーごとに切り替えるのが恒例です。
イメージは赤のMEIKOですが、「ラムネイドブルーの憧憬」が演奏されると、赤と青両方のサイリウムを振っていました。

アオトケイ「実は深い意味がありまして。MEIKO(のテーマ色)は赤じゃないですか。
赤色ってことは僕の中ではMEIKOは太陽の存在なんですよ。太陽の存在だから、ライブに参戦する人は青で空を用意して、MEIKOは赤っていう。
光り輝くように歌ってほしいっていう思いがあって青にしてほしいって僕はずっと言ってたんですよ」

「青空の下で歌う赤い太陽のMEIKO」と言う意味があったと知り、驚いた清水。

青一色になれば輝くようにMEIKOが歌ってくれるに違いないと考えたアオトケイさんは、当時Twitterで連日「サイリウムを青にしてください」とお願いした理由を明かしました。
 

MEIKOの魅力

MEIKOの歌声の魅力についてはどう考えているのでしょうか?

アオトケイ「僕の中では、真夏の青春の少女のように突き抜ける高音がすごく綺麗なんですよ。『ラムネイドブルーの憧憬』でもラストのサビの“WowWow…♪”というところがあるんですけど、すごく突き刺さるように歌ってくれてたりするところもいいんですけど。
実はMEIKO Darkも使っておりまして」

MEIKO Darkのいいところは、真っ赤というより少し暗いワインレッドのような、ちょっとしんみりした大人の女性的な歌声に感情を入れやすいそう。
MEIKO Darkを使った動画はあまりないとしつつ、ゆっくりとした曲でMEIKOに歌ってほしい時にMEIKO Darkを使うとしっくりくるのでは、と語ります。

実はアオトケイさん、ボカロPデビューから10年を機に、ボカロPとしての活動を休み、SeA0としての音楽活動に専念するとのこと。
たくさんの経験を積んで、またボカロPとして戻ってくると力強く宣言しました。
(葉月智世)
 
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2022年02月26日20時35分~抜粋

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