RADIO MIKU

ふたりの「巡音ルカ」使い分け ボカロP・やみくろが語る深いルカ愛

1月30日に発売から13周年を迎えた「巡音ルカ」。
初音ミク」で知られるクリプトン・フューチャー・メディアが生んだ6人目のバーチャルシンガーです。

1月29日放送のCBCラジオ『RADIO MIKU EX』では、この「巡音ルカ」をメインに曲を発表しているボカロP・やみくろさんのインタビュー第2弾を放送。

翌日に迎える「ルカ誕」こと巡音ルカの13周年に思うことやルカへの深い愛を清水藍が尋ねました。

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ルカ誕に思うこと

やみくろ「いやぁ、毎年緊張しますね。ワクワクと、恒例行事で絵や曲を見る楽しみと、今年も何かやらないといけない季節が来たぞ…みたいな。ソワソワします」

ファンの間では、バーチャルシンガーが発売された日を「誕生日」として、日付が変わった瞬間から楽曲やイラストを投稿してお祝いするのが習わし。
やみくろさんも9周年の頃から、誕生日に合わせて曲を投稿してきました。

やみくろ「9周年目のときに、『約束するよ、1年後の今日また会おうね』みたいな歌詞を書いたんですよ。そしたら、1周年経つ直前に『もうすぐ1年経つぞ』ってコメントが付いて。コメントが付くたび『これは逃げられないな』と思いますね(笑)」

やみくろさんがルカの9周年で発表した「9years' wonder.」には、『約束しよう、一年後の今日 生きてまた此処で。』と言う歌詞が最後に出てきます。
先ほどの言葉は、熱心なファンが毎年書いてくれるコメントが理由だったようです。
 

ルカの魅力

やみくろさんは、すぐに思いつくだけでもルカをはじめ初音ミク・miki・Megpoid・Mew・蒼姫ラピスを持っているとのこと。他にもコラボで鏡音リン・レンとの曲など制作しています。

数あるバーチャルシンガーの中で、ルカに感じる魅力とは?

やみくろ「ルカにしかない憂いとか儚さが元の声質に含まれている印象を持ってて。自分の曲に憂いや儚さを出したくて使ってます」

ルカには2009年に発売されたV2と、2015年に発売されたV4Xとふたつのバージョンがあります。
特にV2では憂いや儚さに魅力を感じており、使い続けていると熱弁。

やみくろさんが昨年8月に投稿した「完全性コンプレックス10 years ver.」では、V2とV4Xのルカによって歌い分けられています。それぞれのバージョンへの想いを尋ねました。

やみくろ「V2は先ほど言った通りで、あと力強さとか。
V4Xになると結構変わってて、ソフトウエアの使い勝手以外にも、声の違いとして透明感や優しさを増したと思うんですよ」

「完全性コンプレックス」は対話形式の歌詞になっているため、V2とV4Xがちょうどハマったとのことでした。
最初の発表当時はV2しかありませんでしたが、その後V4Xが出たことで、この「10 years ver.」が実現したそうです。
 

誕生日曲がネタ切れ?

改めて翌30日にアニバーサリーを迎えるルカへのメッセージを尋ねる清水。

やみくろ「ルカさん、ハピバ!毎年これ言ってるんですよ。
毎年誕生日曲作ってるんで、もうどんな歌詞書けばいいのかわかんないです。ネタ切れだよ、来年どうなるかわからんから、今年一生懸命歌ってね」

ユーモアを交えながら、ルカへの深い愛がこもったメッセージです。

ちなみに、清水はやみくろさんの曲について「繊細できれいすぎる」と感じているそう。
どうやったらこうした曲が生まれるのかについて聞いてみると「俺が繊細できれいすぎる人間だから」とお茶目な答えが返ってきました。

曲調とインタビューでの受け答えのギャップも、やみくろさんの魅力です。
 

曲の作り方

曲作りの工程を尋ねました。

やみくろ「いろんなパターンはあるんですけど、基本的には毎日音楽をやってない時間でも思いついた歌詞とかフレーズ・考えたことを書き溜めてるんですよ。

ずっと続けていくと収束していくというか、考えていることが浮き彫りになってくる。『俺、このことについてばっかり書いてるな』とか」

ずっと書き溜めた感情が楽器を弾くうちに、メロディと一致するタイミングが定期的に来ると説明していました。

ルカの誕生日など、絶対に曲を作らないといけないタイミングでは、ピアノやアコギを弾き続け、書き溜めた歌詞や思っていることを意味するメロディが出てくるまでエンドレスになってしまうそう。

演奏を乗せる時のこだわりは?

やみくろ「僕は大人になってからピアノを始めたので下手なんです。ダサいかもしれないけど、うまい人ならちゃんと弾けるピアノを弾こうと思って自分で弾くんですよ。

例えば、テンポ100の曲を作りたいけど、厳しいなら70で弾ければ、頭の中に僕の知ってるピアノのうまい人を思い浮かべて『あの人なら弾ける』と見定めて」

自分で弾けない、手がもつれるという時はそのフレーズを諦めるか、もっといいフレーズが出るまで続けるとのことでした。
13年経ち、昔は弾けなかったことができるようになったことも多いとか。
やはり経験がものを言うようです。
 

ボカロは恩人

やみくろさんにとって、バーチャルシンガーたちはどんな存在なのでしょうか。

やみくろ「時代とともに変わっては来ているんですけど、今となっては恩人ですね」

細かく話し出すと一生かかりそうと言いつつ、自身の曲「野暮」の歌詞にすべてを詰め込んでいると話していました。
これはルカ10周年で投稿された曲です。

ボカロ曲についてはノージャンルなところは魅力と語るやみくろさん。
今後は、前回のインタビューでも話題になった、音楽ルーツであるミクスチャーの要素を取り入れたハードな楽曲も作りたいと語りました。
(葉月智世)
 
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2022年01月29日20時33分~抜粋

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