ボカロP、ピアノプレイヤー、コンポーザーの顔を持つ女性クリエイターのあ子さんが、12月25日放送のCBCラジオ『RADIO MIKU EX』に出演しました。
3回目となる今回は、曲作りに使用するソフトウェアなどの制作環境について、清水藍が尋ねました。
身体から出る音を具現化
清水「あ子さんは普段、何から曲を作り始めますか?」
あ子「私は、歌詞とか曲の物語から考えていくことが多いですね」
ストーリーを決めたのちに歌詞やメロディを作っていくとのこと。
では、曲について考える時に、最初にやることはなんでしょうか?
あ子「いつもA4の白い紙を一枚用意して、紙にアリがいっぱい這っているのか、というくらい文字を書き込んでますね」
楽曲の世界観、物語から作り込むあ子さんですが、曲作りに使用する楽器は、幼いころから慣れ親しんでいたピアノから着手することが多いとのこと。
メロディや歌詞は関係なく、劇伴(ドラマや映画の背景音楽)のようにイメージを作り始めます。
その後、ピンとくるメロディが見つかればDTMへ打ち込んでいくとのことでした。
清水は「あ子さんの身体から出る音を大切にしているアーティスト」と絶賛。
以前は歌詞から作っていたそうですが、劇伴のお仕事をするうちに、今のスタイルになったんだとか。
声の使い分け
あ子さんは、初音ミクをはじめ鏡音リン・レン、結月ゆかり、v flower、音街ウナと多彩なばおちゃるシンガーで曲を作っています。
これらの声の使い分けはあるのでしょうか?
あ子「例えば、自分の中でラテンとか、ジャズとか大人っぽい曲調になる時は、ゆかりさんやミクさんが合うんです。
他には、ピアノがグッと攻めてくる強い曲調だとウナちゃんの強い声、リンちゃんの強いけどちょっと艶のある声とそれぞれ歌ってもらってます」
具体的に、曲調などによって声を使い分けることをかなり意識していると明かしたあ子さん。
ちなみに、あ子さんはボーカロイドの方が上手に歌ってくれるので歌わない、と謙遜しますが、実は自身の声でコーラスを付けているものもあるので、要チェックです。
使っているソフトウエア
使っているソフトウエアはCubaseProとのことですが、あ子さんが少し変わっているのはゲーミング用のノートパソコンを使っていること。
持ち運び可能でスペックも高いので重宝しているとのこと。
ゲーミングPCは、ゲームに特化して容量やスペックが高機能になったもの。
CubaseProなど、大きな容量を使うソフトウエアでも快適に動作するそうです。
ただひとつ困っている点は、このゲーミングPCが七色に光ること。
外出先のカフェなどで作業している時に光るとちょっと恥ずかしい思いをすることも…。
ボカロの魅力
2018年からボカロ曲を作っているあ子さんにとって、バーチャルシンガーの魅力とは?
あ子「初音ミクという1人のキャラクターでも、『うちのミク』みたいな形で作り手によって全然違うミクの歌が聴けたり、鏡音リン・レンならキャラクターを1人ずつに使う人と2人で使う人がいたりして。キャラクターの解釈が作り手それぞれ違う、というのが曲からも伝わってきて面白いと思います」
あ子さんはこのオンエア直前に、新曲「.Zip」のフルバージョンを投稿しました。
この曲にでは、鏡音リンのジェンダーファクターが上がったり下がったりと、ひとつの曲の中で変化しているのが特徴。「微妙な変化をしっかり聴いてもらえたら」とのことでした。
最後に、リスナーへのメッセージを求められたあ子さん。
あ子「いつも皆さんが聴いてくれているから頑張れているという部分が多いので、これからもなにとぞよろしくお願いします!」
(葉月智世)
RADIO MIKU
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2021年12月25日20時36分~抜粋