RADIO MIKU

ボカロP・cosMo@暴走Pが明かす「初音ミク」高速歌唱の秘密

バーチャルシンガー「初音ミク」の人気は、ニコニコ動画にアップされた楽曲群でいきなり爆発しました。

2008年に公開され、聴く者に衝撃を与えた楽曲「初音ミクの消失」。
この作者であるボカロPのcosMo@暴走Pさんが、10月2日放送の『RADIO MIKU EX』(CBCラジオ)に出演しました。


清水藍が、この「初音ミクの消失」以降の高速歌唱ができた理由などをインタビューしました。

[この番組の画像一覧を見る]

音楽家になろうと思ったきっかけ

冒頭、「まさか出演していただけるなんて感激です!」と声が少し上ずってしまう清水。

清水から「ボーカロイドもですが、ゲーム音楽やイラストも描かれたりするんですよね?多彩ですね」と質問が。
cosMo@暴走Pさんも「そうですね」と言いつつ照れた様子。

音楽家になろうと思ったきっかけはなんでしょうか。

cosMo「初音ミクが出る1年くらい前からピアノやってたので、音楽投稿サイトに投稿してて。そこで初音ミクを知って『面白そうだから本格的にやろうかな』と思ったのがきっかけでした」

当時cosMo@暴走Pさんは20歳で、大学在学中だったそうです。
もともとはリズムゲーム音楽が好きだったこともあって、DTM(デスクトップミュージック)を作ることに興味を持ったとのこと。
 

初音ミクと出会った時の印象

初音ミクを知った時、どんな印象を持ったのでしょうか。

cosMo「今までピアノやギターの音源はあって、パソコンから信号を出力して鳴らせるソフトはあったんですけど、まともに歌うソフトはあまりなかったので、初音ミクを聞いた時は『自分でも歌ものを作れるのでは?』って。本当にありがたいと思いましたね」

実はご本人が歌っている動画もチェックしていた清水。
これには「いやぁ、お恥ずかしい」と苦笑するcosMo@暴走Pさん。

自分で歌えない、歌ってくれる知人がいないなど、作曲やアレンジはできるのに、ボーカル曲が発表できないDTMユーザーにとって、ボーカロイドの登場は大きな話題になりました。
cosMo@暴走Pさんも「女の子にお願いしなくても歌ってくれて、難しい曲も歌えることは魅力だった」と語ります。

そして「初音ミク」の存在を知った後、最も衝撃を受けた曲はsupercell(スーパーセル)さんの「メルト」。

cosMo「同じ初音ミクを使っているはずなのに、全然違うソフトを使ってるんじゃないか」

そう思うほどの調声のすごさに、「初音ミク」の可能性を感じたそうです。
 

曲作りの方法

曲作りについて尋ねる清水。

cosMo「どうやってと聞かれると難しいんですけど…。そのときに思い付いたフィーリングで。(音楽)理論とかやってなくて独学なので。何となく作ってますね」

清水「メロディーから作るんですか?歌詞から?テーマから考えるんですか?」

cosMo「僕は世界観や歌詞ですね。まず文章をたくさん書いて。メロディーだけを作るのが苦手なんです。世界観を決めて、世界観に合う言葉を考えて、言葉がまとまったら言葉に合うメロディーを考えます」

高速歌唱誕生の理由

そしてcosMo@暴走Pさんの代名詞と言っていい高速歌唱。この誕生秘話についても清水が尋ねます。

cosMo「初音ミクの弱点を潰す形で曲を作ろうと」

例えば表現力であれば、感情を込めて1センテンスを伸ばすことは難しいと思ったというcosMo@暴走Pさん。1文字の間隔を短くすることを考えます。

「感情を込めづらい歌詞やメロディーなら、ボーカロイドと人間の差はあまりない」と、歌詞の情報量を詰め込んで早口にすることを思いついたんだとか。

ただ、単に早口だけだと色モノと捉えられるかもしれないので、ストーリーを付けて説得力も出したと明かしました。
さらに高速歌唱でもcosMo@暴走Pさんの楽曲が聴き取れるのは、日本語が持つリズム感(母音と子音の組み合わせ)を意識したからだそう。

初音ミクの消失」は、清水も含め、自分で歌ってみた経験のあるファンが多く、カラオケでも人気曲。
cosMo@暴走Pさんが考えた聴き取りやすさ、そして思わず歌いたくなる物語性にあることがその理由のようです。
(葉月智世)
 
RADIO MIKU
この記事をで聴く

2021年10月02日20時35分~抜粋

関連記事

あなたにオススメ

番組最新情報