RADIO MIKU

ボカロPに聞く、バーチャルシンガーの「声」を使い分ける秘訣は

初音ミクをはじめとして、数多くのバーチャルシンガーが存在します。
ボカロPにとって「どの声を使って表現するか」というのは、とても大切な要素です。

5月9日放送の『RADIO MIKU EX』では、パーソナリティの清水藍が、名古屋出身のボカロP・ねじ式さんに、曲による声の使い分などについて尋ねました。

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ねじ式さんにとって初音ミクの存在は?

清水「ねじ式さんにとって、初音ミクやボカロってどんな存在ですか?」

ねじ式「そうですね、いろんなクリエイターの表現を一緒に手伝ってくれる、最高のパートナーですね」

本当に、頼りになる相棒だと思っていることが伺えるコメントです。

日本人アーティストが海外公演を行うということは、かなりハードルが高いこと。しかし、初音ミクは海外にも根強いファンがいます。

ねじ式さんは、台湾など海外でコンサートを行った経験から、「初音ミクは現地(海外)でも一緒に盛り上がれる最強の表現者」という印象も持っているとのことでした。
 

海外で演奏した思い出の曲

ねじ式さんにとって、初音ミクと世界を共に旅する中で印象に残っている曲を尋ねる清水。

ねじ式「台湾のイベントでカバーをやったんですけど。livetuneさんの『Hand in Hand』って曲がすごく印象に残ってますね」

「Hand in Hand」は、2015年9月に開催されたイベント『初音ミク「マジカルミライ 2015」』のテーマソングとして発表されて以来、ボカロファンの間でも今も高い人気を誇る楽曲。
清水は共感して頷きながら、さらに質問を続けます。

清水「この曲は、ねじ式さんにとってどんな曲なんですか?」

ねじ式「この曲は、台湾で初めてライブイベントと地元のボカロイベントに参加した時にカバーした曲なんですけど。現地のファンと大合唱しながら演奏したことがとても思い出深くて」

その時のことを思い出しながら、だんだんと話しぶりに熱が入るねじ式さん。

海外で日本と同じように「曲を通じてお客さんと思いをひとつにできる経験」ができるとは思っていなかったからこそ、より印象深い思い出になったとのこと。

海外と日本では、当然言葉や文化が違います。そんな中で一緒に思いを共有できる瞬間を感じたねじ式さん。
クリエイターとしての自信が付いただけでなく「今度は自分がこんな風に愛される曲を生み出したいと思った」と力強く答えます。
 

表現によって使い分ける「声」

いつかボカロ曲を作ってみたいと思っている清水から、ねじ式さんへこんな質問が。

清水「いろいろボカロソフトを使い分けていらっしゃると思うんですけど。一番多いのは初音ミクではなく、ゆかりさん(結月ゆかり:音声合成用の音源、およびキャラクター)かな?と感じたんですが…」

この質問に「確かにゆかりさんの曲が多いですね」と頷くねじ式さん。

ねじ式さん「歌詞や曲調によって、『この人の声ならこんな歌詞やメロディーを表現してくれるかな?』って思いがあって」

例えば、IAちゃんの声なら気高い感じで「誇りを持って生きていくぞ」といったイメージが似合いそう、など声によって印象があると言います。

ねじ式さんの初投稿曲「六等星の夜」は、IAの声で作られています。
この曲には「今は六等星のすごく目立たない光だけど、いつかすごく光った存在になるぞ!」というねじ式さんの強い思いが詰まっているそうですが、その表現にIAの声が合っていたという秘話を披露しました。
 

初音ミクの声はどこで使う?

他にも「切ない恋愛曲はGUMIちゃんの声、報われない恋愛曲はゆかりさん、前を向いて頑張ろう!という曲はミクちゃん…」といった具合で、使い分けを説明するねじ式さんの言葉に聞き入る清水。

ボカロPも、初音ミクなど1つの声にこだわる人から、曲によって使い分ける人まで様々。
ねじ式さんの「自分の意志を伝えてくれる存在として、声を使い分けている」という回答を聞いて、ますますヒートアップした清水でした。
(葉月智世)
 
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2021年05月09日18時05分~抜粋

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