酒井直斗のラジノート

楽屋は「お年玉」の修羅場?芸人たちの「新春公演」舞台裏

中京圏で唯一の寄席・大須演芸場(名古屋市中区)で、ネタを毎月披露しているピン芸人・酒井直斗。
元日から5日まで行われた『2024年新春特別寄席』にも出演しました。

1月10日、自身がパーソナリティを務める『酒井直斗のラジノート』(CBCラジオ)では、舞台でのネタで冷や汗をかいたエピソードを披露しました。

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お年玉争奪戦

中京圏で唯一の寄席である大須演芸場には、落語家・漫談家・講談師・漫才師など様々なジャンルの芸人が出演しています。

『2024年新春特別寄席』で同じ舞台に上がった、双六人間の石川ひろしさん。
昨年のWBCで活躍したヌートバー選手のモノマネで知られる石川さんですが、なぜか酒井の横から離れなかったそうです。

その理由がわからず困惑した酒井、あることに思い当たります。それは「お年玉」でした。

芸人の世界では、先輩から年下の芸人へと渡すのが慣例となっています。
しかし昨年石川さんは「ヌートバーそっくり芸人」としてブレーク。酒井は「石川は俺より稼いでいるだろ?」と華麗にスルーしていたのです。

楽屋内では、お年玉を狙う後輩たちと、カネがないため渡したくない芸人の駆け引きが静かに繰り広げられていたそうです。
酒井もお年玉が欲しいため、先輩方に対して積極的に挨拶へ行きます。

酒井「落語家さんはすごいよ。登龍亭幸福師匠は、挨拶した瞬間にポチ袋をくれるの!すぐにくれて『ありがとうございます!』っていただいて、隣にいる師匠方全員に挨拶行くの。『いま貰っているの見たでしょ?』って感じで。でも、他の師匠たちはお年玉くれない(笑)」

他にお年玉をくれたのは登龍亭獅篭師匠でしたが、こちらは現金ではなく、手ぬぐい。
落語家なら高座で手ぬぐいを使うこともありますが、酒井は使うことがないため「現金がいい」とぼやきました。

落語家を揶揄するネタ

酒井は、かつて元相方のパーマ大佐と「○○っていい仕事ですよね」という漫才を作ったことがあったそう。
例えば「結婚式の司会っていい仕事ですよね」と持ち上げつつ、その後腐す(悪口を言う)という内容のネタでした。

最後に酒井たちは「落語家っていい仕事ですよね」と持ち上げた後、締めでとんでもないことを言い放ちます。

酒井「『だって誰かが作ったネタを座布団に座って30分だけやればいい仕事でしょ?』とパーマ大佐が落としたんだよ」

決して落語家を貶める意図はなかったそうですが、そうはいきませんでした。

やった場所が悪かった

このネタを披露したのは、大須演芸場。「つる」という題材の古典落語のこともネタでこう揶揄しました。

「お笑いはいま本当に進化してるのに、古典落語の『つる』は鶴が岩に止まるだけの話だよ?30分かけて」

酒井「で、気づいたんだよ。ここは大須演芸場だって」

同じ舞台でに「つる」を演目にしている落語家が出演していることに思い至った酒井たち。
さらに悪いことに、事務所には大須演芸場の支配人もいたのでした。

時すでに遅し。出番が終わった後、支配人と目を合わせないよう急いで帰ろうとした酒井たちでしたが、支配人からこう呼び止められます。

「このネタのことは、今度演芸場に出演している落語家の師匠たちに伝えておくよ」

古典落語の面白さはわかっていて悪意はなかったのに、披露した場所が悪すぎてひたすら肝を冷やしたと振り返る酒井。

その後、落語家の先輩からお年玉をもらえていることからも、何とかこのピンチを切り抜けたようです。
(葉月智世)
酒井直斗のラジノート
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2024年01月10日22時08分~抜粋

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