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今年はイカが豊漁、しかし漁獲枠の新たな問題が浮上

2025年12月05日(金)

ニュース

ここ数年、日本近海で不漁続きだったスルメイカが、今年は一転して豊漁となっています。
この想定外の豊漁が漁業関係者の間で混乱を招いているとのことです。いったいどういうことなのでしょうか?

12月3日放送『CBCラジオ #プラス!』では、CBC論説室の石塚元章特別解説委員が最近のイカ事情について解説しました。聞き手は永岡歩アナウンサーと三浦優奈です。

今年は漁獲枠を拡大

昔から日本では最も獲ってきたイカはスルメイカです。
しかし、漁獲量は1968年(昭和43年)の70万トンをピークに減り続け、昨年は2万トンを切っていました。

そこで漁獲枠を決めて資源を確保してきたところ、今年は豊漁になりました。

その原因で有力なのが、黒潮大蛇行が終わり黒潮が日本沿岸を北へ流れていったことで、イカにとってエサが豊富になり、日本沿岸でイカが多く獲れるようになったというもの。

現在その漁獲枠が混乱を招いているといいます。
豊漁により枠を超えるイカが獲れてしまったため、本来なら漁はストップとなってしまいます。

しかし漁業者から「これだけたくさんいるなら獲らせてほしい」という声があがるのは当然のこと。国は漁業枠の拡大を2回ほど決定しています。

たくさん獲っても大丈夫?

ただ、この漁業枠拡大の繰り返しで、新たな問題が起きています。
いくら豊漁といっても、漁業枠の拡大を無限に行うことはできません。

イカは南から上がってくるため、北側にいる漁業者は不利です。「ここで漁獲枠拡大が終わり」と言われてしまうと、獲れなくなってしまうのです。
漁獲枠は地域で区切っているわけではないため、場所によって有利不利が働いてしまう可能性があります。

また、今年はたまたまイカが多いだけという可能性があり、資源保護という観点から本当に枠を拡大して良いのかという懸念も。
イカがたくさんいるから枠を拡大、いないから制限というのは科学的根拠に乏しく、来年以降のことも考えるべきという意見もあります。

タコスミパスタはなぜ無い?

ここで話題を変えて、イカ自体にクローズアップしてみました。
イカの脚は10本とよく言われますが、腕と見ることもあります。

仮に足だとしても10本とも脚ではなく、8本は足で2本は別もの、触腕という長めの腕で獲物を捕らえています。

また、イカの心臓は3つもあり、本来の心臓とは別に、エラのところに血液や酸素を送るポンプのような役割の心臓が2つあります。
緊急事態の際には動いて血液を送り込み、ヒレなどが動いて時速40kmで走ることができます。

そして、イカはよくタコと比較されますが、よく考えてみるとイカスミのパスタはあってもタコスミのパスタは聞いたことがありません。
同じように見えても成分が異なっていて、イカスミのほうがおいしい一方で、タコスミは取り出しにくいからだとか。。

また、よくセピア色という表現がありますが、これはイカスミの色からきているそうです。
(岡本)
 
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2025年12月03日07時18分~抜粋
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