CBCラジオ #プラス!

学校のプール授業が廃止!「座学」に切り替える背景とは

学校のプールを使った水泳授業を廃止し、座学に切り替える動きが全国で広がっています。
これに対し、競技団体などからは「水難事故を防ぐための指導機会が減るのでは?」といった懸念の声も。

その一方で民間事業者へ業務を委託し、校外のプールで実技を行なう取り組みも広まりつつあります。

6月25日放送の『CBCラジオ #プラス!』では、永岡歩アナウンサーと三浦優奈が、日本経済新聞の記事を基にこの話題を取り上げました。

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なぜプールの授業を廃止?

現行の学習指導要領では、小学1年生から中学2年生までの間に水泳の実技指導を必須としています。
ただし、適切な水泳施設が確保できない場合に限り、例外として座学での代替を認めています。

プール授業廃止の背景には、老朽化したプール施設の改修費用の捻出が困難であること、そして夏場の気温上昇に伴う熱中症リスクの高まりが挙げられます。  

永岡「我々が小学生の時と今の6月、7月の暑さはちょっと違う。そう考えると、熱中症のリスクは確かに高まっていると思います」

時代による環境の違いが廃止の動きを生んでいるようです。

実技離れの背景には「気持ちの壁」も

水泳授業の実施が難しくなっているのは、設備や気象条件だけが原因ではありません。

ある中学校では、2023年度の水泳授業における欠席率が36%に達しました。「水泳はやりたくない」と感じている生徒が少なくないようです。 
その理由として、「肌を露出したくない」といった声が根強く存在しているといいます。  

40歳の永岡は、自身がこどもの頃はプール授業が楽しみだったと語り、なぜ不参加なのかピンとこない様子。
31歳の三浦もプールは好きだったとしつつ、「友人の中には嫌がっている子もいた」と振り返りました。

他にも嫌がる理由として「着替えが面倒」「髪の毛を乾かすのが手間」「風邪をひきやすくなる」「髪が傷む」といった声が挙げられます。
さらに、日焼けを避けたいという現代の生徒ならではの感覚も、授業離れの一因になっているようです。

これを聞いた永岡は「憧れのアイドルはみんな真っ白だからね。『嫌だ』って思う子も当然出てくるか」と、生徒たちの気持ちに理解を示しました。

座学への切り替えで実施している対策

愛知県大府市では、2024年度から中学校での水泳実技を廃止し、座学に切り替えました。
夏休み期間中に外部のプールを利用できる無料券を配布するなど、生徒に泳ぐ機会を提供する取り組みも行なわれています。  

しかし、この方法には課題も残っています。  

永岡「泳ぎたい子は行くけど…」

三浦「泳ぎたくない子は行かないですよね…」

指導のない外部のプールでは、水泳が苦手なこどもたちが十分な練習機会を得られない可能性があると懸念しました。
自治体によっては水泳教室を実施するなどの対応をしていますが、その効果についてはまだ十分な検証が行なわれていないのが現状です。

実技でしか得られない教育がある

永岡は泳げない母が自分の命を守れるようにと水泳教室へ通わせていたそうです。
泳げることで授業を楽しめていたが「苦手な人にとっては嫌な時間かもしれない」と生徒の気持ちに寄り添いました。

それでも実技の重要性は変わらないと感じています。
例えば、着衣泳のときの体の重さを知るには座学では限界があります。
安全教育として最低限の実技指導は必要であるという見解を示しました。

水泳実技の廃止が進む中、苦手なこどもたちにも必要な技術をどう伝えていくかが、今後の大きな課題となりそうです。  
(ランチョンマット先輩)  
 
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2025年06月25日08時04分~抜粋

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